<概要/Course Content Summary>
分断や排除が拡大する現代において,本講義は,社会福祉学,社会史,人文地理学といった人文・社会科学分野を専門とする本学人文科学研究所関係教員が,近代から現代に至る日本社会内外の様々な事例を通じて,共生社会のあり方を学ぶ機会を提供するものである。分断や排除,貧困や格差,差別や偏見といった,隔たりを生み出す歴史的経緯や社会的文脈,地理的布置を多角的に読み解き,社会運動や連帯,福祉,支援活動など,人と人とが共に生きるための諸営為を広く学ぶ機会となる。本講義を通じて,受講生は,よりよい共生社会実現へ向けたモチベーションを獲得するとともに,開かれた想像力を能動的に身につけることが期待される。本科目は講義形式となるが,担当者間の調整を通じて,各講義の連携には常に配慮する。様々な事情により遠隔授業になることも考えられるが,その場合,出席確認のためのレポート課題や質疑応答の機会を提供することで,双方向性を担保したい。
<到達目標/Goals,Aims>
①自分が,様々な属性をもつ多くの人々とともに構成する社会において,どのようにその社会をとらえるべきか,自分自身の立ち位置をどう定めるべきかについて,自分なりの考えをもてるようになること。 ②学校にしろ地域にしろ,あるいは将来の職場にしろ,人それぞれに生きる「身の周り」の社会は異なるが,障がいの有無や性差,民族,経済的役割等を超えた共生について考えるなかで,それらの差異を乗越えるために人命・人権の尊さを理解できるようになり,人類が共有すべき価値について考える意欲をもてるようになること。
<DO Week期間の初回動画等の配信/The delivery of the first video, etc. during the “DO Week”>
あり/ Deliver the video
・複合領域科目(第1回)1
・複合領域科目(第2回)2
<授業計画/Schedule>
実施時期 /Week |
授業回/Number of Lesson |
授業実施方法 /How to conduct a Lesson |
授業実施時間数 /Class Hours |
内容/Contents |
授業時間外の学習/Assignments |
第1週 DO Week
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第1回 |
オンデマンド(動画視聴)/On-demand(watching video)
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90 分/min |
オリエンテーション:共生を問うための見方と考え方 |
授業の内容を振返り,自分が学びたい,あるいは生きたい「共生社会」について考えること |
第2週
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第2回 |
面接/Face-to-face
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90 分/min |
共生を問い直す |
事前学習は特に必要ない。事後学習として,本回の講義と,グループディスカッション(実施予定)を通して得た学びを自分なりに整理すること |
第3週
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第3回 |
面接/Face-to-face
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90 分/min |
近代社会の人間と様々な差別 1: 身近な日常に存在する選別と排除 |
自分たちが生活してきた家庭,学校,地域という場がどのような規範に沿って運営されているか,イメージしておくこと |
第4週
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第4回 |
面接/Face-to-face
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90 分/min |
近代社会の人間と様々な差別 2:マジョリティとマイノリティ |
これまで受けてきた人権や共生にかんする授業を振り返り,自分たちの周りにどのような排除や抑圧が存在するか,考えておくこと |
第5週
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第5回 |
面接/Face-to-face
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90 分/min |
近代社会の人間と様々な差別 3:自由主義社会における「疎外」「排除」「差別」 |
近代社会が形成される過程において生じた社会問題について振り返り,その原因について自身がどのように学んできたか,考えておくこと |
第6週
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第6回 |
面接/Face-to-face
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90 分/min |
近代社会の人間と様々な差別 4:生命・生活に介入する権力 |
人権尊重が謳われる近代市民社会においても,様々な差別や社会問題が存在する理由について,考えておくこと |
第7週
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第7回 |
面接/Face-to-face
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90 分/min |
近代社会の人間と様々な差別 5:科学とテクノロジーが生み出す「包摂」と「排除」 |
インターネットやAIなどの新しい技術の登場が,それまでの社会をどのように変容させたか,考えておくこと |
第8週
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第8回 |
面接/Face-to-face
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90 分/min |
近代社会の人間と様々な差別 6:差別に抗する「共生」はいかにして可能か? |
これまでの授業を振り返り,「共生」という目標の達成には何が必要か,考えておくこと |
第9週
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第9回 |
面接/Face-to-face
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90 分/min |
「住まい」の都市史を読み解くために |
「住まい」とはなにか,「都市」とはなにか,あらためて考えてみること |
第10週
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第10回 |
面接/Face-to-face
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90 分/min |
近代都市,住宅問題の発生 |
近代以降の社会,政治,経済の変化について文献にて調べ,整理しておくこと |
第11週
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第11回 |
面接/Face-to-face
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90 分/min |
近代都市,住宅問題めぐる政策と諸実践 |
「住まい」や「住宅」に関する法制度や政策のあり方を調べておくこと |
第12週
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第12回 |
面接/Face-to-face
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90 分/min |
戦後復興と人々の「住まい」:住宅難を生きる人々を事例に |
第二次世界大戦後の日本の社会,政治,経済の状況を文献にて調べておくこと |
第13週
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第13回 |
面接/Face-to-face
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90 分/min |
高度経済成長と人々の「住まい」:河川敷居住を事例に |
高度経済成長期前後の日本の社会,政治,経済の状況を文献にて調べておくこと |
第14週
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第14回 |
面接/Face-to-face
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90 分/min |
都市の「住まい」をめぐる抵抗と運動 |
「住まい」をめぐる住民運動や社会運動の事例について調べること |
授業期間終了後/After the Class Period
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第15回 |
オンデマンド(動画視聴)/On-demand(watching video)
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90 分/min |
まとめ:共生社会へ向けた展望 |
これまでの14回の授業を振返り,「同じ社会で他者と共生すること」に関する自分の見方がどのように変化したかについて考えること |
<授業実施時間数/Class Hours>
授業実施方法/How to Conduct a Lesson |
授業実施時間数/ Class Hours |
面接/Face-to-face |
1170 分/min |
オンデマンド(動画視聴)/On-demand(watching video) |
180 分/min |
オンデマンド(授業内課題)/On-demand(assignment in class) |
0 分/min |
リアルタイム配信/Real-time online |
0 分/min |
その他/Others |
0 分/min |
総合計/Total Amount of Class Hours |
1350 分/min |
アクティブラーニング/Active Learning
ディスカッション / Discussion, グループワーク / Group Work
使用システム/System Tools
e-class, Panopto
<成績評価基準/Evaluation Criteria>
平常点(第1~14回の授業については,授業後に簡単なコメント・質問を提出すること)
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30%
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授業に対するコメント・質問に表れる受講態度の真剣さの度合いをポイントに評価する。
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提出物(各担当者(関口・本岡)の講義が終わるごとに,担当者が設定する課題についてレポートを提出すること。授業最終回に,講義全体に関するレポートを提出すること)
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70%
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各担当者が設定する課題で,それぞれの6回の授業から何を学んだか,「共生」についてどのような視点を得たかという点を評価の基準とする。そして,講義全体から共生社会について自分なりの考え方をどのように形成したかについて問う。
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平常点については,毎回の授業に臨む姿勢について評価する。各担当者ごとの課題については,自らの関心に応じてどれほど自主的に調べごとを行い,自らの考えをどれほど他者に伝わりやすいかたちにまとめられたかを重視する。そして,授業最終回に予定している課題では,講義全体によって形成された「社会で共生すること」についての自分なりの考え方,率直な疑問をどれほどしっかり表現できているかに評価の焦点を当てる。
<テキスト/Textbook>
特になし
<参考文献/Reference Book>
<参照URL/URL>
<連絡方法 / Contact method>
科目担当者への連絡方法/Contact method from student to instructor
DUETおよびe-classにておこなう。
科目担当者からの連絡方法/Contact method from instructor to students
DUETおよびe-classにておこなう。
<備考/Remarks>
授業に関する連絡,資料配付,レポート提出等については,DUET,e-classを利用して行う予定。
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