シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2024年度

(月曜日5講時)
面接/Face-to-face

学則第9条の5対象
Article 9-5 of
the Undergraduate Regulations applies

対象外/Not Applicable

16600100-711 

○プロジェクト科目1-711 (令和時代の商品企画!京都着物をプロデュースしよう!)
Project-based Seminar 1-711 -Product planning for the "Reiwa" . Let's produce Kyoto kimono!-
2単位/Unit  春学期/Spring  今出川/Imadegawa  PBL/PBL

  武田 知也 志賀 理

このクラスは春学期・秋学期連結科目ですので、両学期の授業を表示しています。

<概要/Course Content Summary>

呉服市場が衰退して久しい。市場規模は1980年前後のピーク時は1兆8000億円だったのに対し,2010年では3000億円,2020年では2380億円と大幅に縮小しています。 
 
呉服市場の再生を願うところではあるものの,産業として今後も発展させていくことが難しい状態になりつつあります。需要縮小の中,染織作家や一部の着物ファン層だけでは維持が難しく,職人は減少,後継者も減り,廉価品が出回り,シルクの着物はより手の届かないものになるという状況です。 
 
さらに近年は新型コロナウイルス感染症の影響も大きく,新しい生活様式を取り入れる動きが広がり,成人式や卒業式など,この時期ならではの着物の購買機会は大打撃を受けました。この影響を受け,市場はさらなる縮小を避けられないものとなっています。 
 
こうした状況の中,呉服市場が底を打って反転していくための方策が考えられてきましたが,長期的に考えれば次の世代(若年層)の需要掘り起こしを考えることは維持・発展の上で重要であるのは間違いありません。その上で,日本文化の教育として「着物」を広めていくことは有効な手段であると考えられます。 
 
このプロジェクト科目は,新しい時代を生きる世代に向けて,着物のマーケティングを経て,どのような製品が世の中に受け入れられるかのを企画し,製品を制作・プロデュースします。多くの人々に,着物への興味関心や気づき,意識の変化を感じてもらうモノづくりを最終目標としています。本プロジェクトを通じて,学生自身が「世界の民族衣装の中の日本の着物」の良さを発見し,また呉服産業における問題点や活路について理解を深めることで,日本をよりよく発信できる国際性豊かな人材に成長してくれることを期待しています。 
 
本科目ではまず,呉服産業の現状を知るためにフィールドワークを実施し,問題意識の共有をするところから始めます。その中で,各分野の職人減少の危機について理解を深めます。 
その上で,伝統や流行,海外からの視点などの調査を経て,着物の制作について企画を始めます。 
制作にあたっては商品企画,デザイン,制作,プロデュース方法の検討を,適宜専門家のアドバイスを受けながら,履修生が実施していきます。 
完成した後は,展示会や発表会等のイベントを通じて製品の流通やプレゼンテーション方法について学びます。 
 

西陣織

 

反物

 

絵師

<到達目標/Goals,Aims>

1,着物産業の理解:マーケティング能力 
 着物産業の市場調査やフィールドワークを通じ,現在の呉服ターゲット層のマーケット分析 流通経路を研究する事により,社会に出たときの市場調査や商材の分析能力の向上ができるようになる。また,伝統産業を身近に感じることで,国際社会の中での日本文化,という広い視野で物事を理解できるようになる。 
2,商品企画力:着物制作を通じた制作業務の理解 
 単に綺麗やかっこいいだけのビジュアル面を重視するのではなく,製品の目的やターゲットを明確にしたゴールから導きだす物作りを通じて,ビジネスにおいて重要な逆算思考を身に着けることができるようになる。 
3,プレゼンテーション能力:営業力,社会性,影響力,意識の変化 
 自らが手掛けたプロジェクトを提案することで,相手にどのような影響を与え,変化するのかを,自らが発信者となることで体験し,実感することでプレゼンテーション能力を向上することができる。また,うまく伝えられないことからは,自身の問題点を発見し,理解することでPDCAサイクルを身に着けることができる。

<DO Week期間の初回動画等の配信/The delivery of the first video, etc. during the “DO Week”>

あり/ Deliver the video
・プロジェクト科目の特徴と目的
・オンデマンド(動画視聴)/On-demand(watching video)
・(参考)プロジェクト科目2022_movie
・(参考)プロジェクト科目2023_movie


<授業計画/Schedule>

実施時期
/Week
授業回/Number of Lesson 授業実施方法
/How to conduct a Lesson
授業実施時間数
/Class Hours
内容/Contents
授業時間外の学習/Assignments
第1週 DO Week

(1)4月4日~ オンデマンド(動画視聴)/On-demand(watching video)

90 分/min
プロジェクト科目の特徴と目的について解説する。本プロジェクトで取り組む内容の説明を行う。
動画の復習,自身が本プロジェクトへ参加するにあたっての志望理由等の振り返り
第2週

(2)4月15日 面接/Face-to-face

90 分/min
着物解説/役割分担/プロジェクト計画策定  
【武田・〔志賀〕/今出川】
合意事項を文書化する 
呉服産業の基礎理解
第3週

(3)4月22日 面接/Face-to-face

90 分/min
西陣織実物見学・着付けについて 
【武田・〔志賀〕/今出川】
西陣織の全工程についての理解を深める 
商品企画に向けた準備
第4週

(4)5月6日 面接/Face-to-face

90 分/min
ブランドコンセプトづくり(1) 
【武田・〔志賀〕/今出川】
商品企画のためのコンセプトメイキング
第5週

(5)5月13日 面接/Face-to-face

90 分/min
マーケディング(1) 
【武田・〔志賀〕/今出川】
商品企画のためのマーケティング結果報告・プレゼン
第6週

(6)5月20日 面接/Face-to-face

90 分/min
商品企画(1) 
【武田・〔志賀〕/今出川】
商品企画のためのイメージ制作(1)
第7週

(7)5月27日 面接/Face-to-face

90 分/min
商品企画(2) 
【武田・〔志賀〕/今出川】
商品企画のためのイメージ制作(2)
第8週

(8)6月3日 面接/Face-to-face

90 分/min
商品企画(3) 
【武田・〔志賀〕/今出川】
商品企画のためのイメージ制作(3)
第9週

(9)6月10日 面接/Face-to-face

90 分/min
展示会見学(1) 
【武田・〔志賀〕/京都市内(予定)】
展示会見学(1) 
実際のバイヤーや職人へ企画のプレゼンテーション(1)
第10週

(10)6月17日 面接/Face-to-face

90 分/min
展示会見学(2) 
【武田・〔志賀〕/京都市内(予定)】
展示会見学(2) 
実際のバイヤーや職人へ企画のプレゼンテーション(2)
第11週

(11)6月24日 面接/Face-to-face

90 分/min
ブランドコンセプトづくり(2) 
【武田・〔志賀〕/今出川】
展示会見学の結果についてメンバー間で話し合い,ブランドの精度を高める(1)
第12週

(12)7月1日 面接/Face-to-face

90 分/min
マーケディング(2) 
【武田・〔志賀〕/今出川】
展示会見学の結果についてメンバー間で話し合い,ブランドの精度を高める(2)
第13週

(13)7月8日 面接/Face-to-face

90 分/min
ブランドコンセプトづくり(3) 
【武田・〔志賀〕/今出川】
展示会見学の結果についてメンバー間で話し合い,ブランドの精度を高める(3)
第14週

(14)7月15日 面接/Face-to-face

90 分/min
ブランドコンセプトづくり(4) 
【武田・〔志賀〕/今出川】
展示会見学の結果についてメンバー間で話し合い,ブランドの精度を高める(4)
授業期間終了後/After the Class Period

(15)7月下旬頃 オンデマンド(動画視聴)/On-demand(watching video)

70 分/min
各プロジェクトによるプレゼンテーション動画の視聴(春学期成果報告会に先立って7月下旬頃より配信)
自身のプロジェクトの成果をまとめ,成果報告会に向けた準備を行う。
授業期間終了後/After the Class Period

(16)7月下旬頃 オンデマンド(授業内課題)/On-demand(assignment in class)

20 分/min
他プロジェクトへの質問準備,自身のプロジェクトとの比較等の課題を指示する。
自身のプロジェクトの成果をまとめ,成果報告会に向けた準備を行う。

第2週※秋学期 第1週 DO Weekにはオンデマンド配信は行わない。それに代わるオンデマンド配信等を「授業期間終了後(1月中旬頃)」に実施予定。

(1)10月7日 面接/Face-to-face

90 分/min
マーケディング(3) 
【武田・〔志賀〕/今出川】
夏期休暇期間の調査結果についてメンバー間で話し合う,プレゼン
第3週

(2)10月14日 面接/Face-to-face

90 分/min
ブランドコンセプトづくり(5) 
【武田・〔志賀〕/今出川】
展示会見学の結果についてメンバー間で話し合い,ブランドの精度を高める(5)
第4週

(3)10月21日 面接/Face-to-face

90 分/min
プレゼン準備(1) 
【武田・〔志賀〕/今出川】
展示会でのプレゼンに向けた準備を行う(1) 
プロモーション用のアンケートについて検討(1)
第5週

(4)10月28日 面接/Face-to-face

90 分/min
プレゼン準備(2) 
【武田・〔志賀〕/今出川】
展示会でのプレゼンに向けた準備を行う(2) 
プロモーション用のアンケートについて検討(2)
第6週

(5)11月11日 面接/Face-to-face

90 分/min
プレゼン準備(3) 
【武田・〔志賀〕/今出川】
展示会でのプレゼンに向けた準備を行う(3) 
プロモーション用のアンケートについて検討(3)
第7週

(6)11月18日 面接/Face-to-face

90 分/min
展示会見学(3) 
【武田・〔志賀〕/京都市内(予定)】
展示会見学(3) 
実際のバイヤーや職人へ企画のプレゼンテーション(3)
第8週

(7)11月25日 面接/Face-to-face

90 分/min
展示会見学(4) 
【武田・〔志賀〕/京都市内(予定)】
展示会見学(4) 
実際のバイヤーや職人へ企画のプレゼンテーション(4)
第9週

(8)12月2日 面接/Face-to-face

90 分/min
フィードバック回収・分析(1) 
【武田・〔志賀〕/今出川】
展示会見学の結果についてメンバー間で話し合い,ブランドの精度を高める(5)
第10週

(9)12月9日 面接/Face-to-face

90 分/min
発表会準備(4) 
【武田・〔志賀〕/京都市内(予定)】
追加の改善点について準備・練習を行う 
集客準備
第11週

(10)12月16日 面接/Face-to-face

90 分/min
展覧会・プレゼンテーション(1) 
【武田・〔志賀〕/今出川】
アンケートの場合は集計,ヒアリングの場合はレポートを作成する(1)
第12週

(11)12月23日 面接/Face-to-face

90 分/min
展覧会・プレゼンテーション(2) 
【武田・〔志賀〕/京都市内(予定)】
アンケートの場合は集計,ヒアリングの場合はレポートを作成する(2)
第13週

(12)1月6日 面接/Face-to-face

90 分/min
フィードバック回収・分析(2)  
【武田・〔志賀〕/今出川】
展覧会・プレゼンテーションの結果についてメンバー間で話し合い,ブランドの精度を高める(6)
第14週

(13)1月20日 面接/Face-to-face

90 分/min
最終まとめ・成果報告会の準備 
【武田・〔志賀〕/今出川】
成果報告の準備
授業期間終了後/After the Class Period

(14)1月中旬頃 オンデマンド(動画視聴)/On-demand(watching video)

70 分/min
各プロジェクトによるプレゼンテーション動画の視聴(秋学期成果報告会に先立って1月中旬頃より配信)
自身のプロジェクトの成果をまとめ,成果報告会に向けた準備を行う。
授業期間終了後/After the Class Period

(15)1月中旬頃 オンデマンド(授業内課題)/On-demand(assignment in class)

20 分/min
他プロジェクトへの質問準備,自身のプロジェクトとの比較等の課題を指示する。
自身のプロジェクトの成果をまとめ,成果報告会に向けた準備を行う。
授業期間終了後/After the Class Period

(16)1月下旬以降 オンデマンド(動画視聴)/On-demand(watching video)

90 分/min
プロジェクトへの講評
プロジェクト活動の振り返り作業等

<授業実施時間数/Class Hours>

授業実施方法/How to Conduct a Lesson 授業実施時間数/ Class Hours
面接/Face-to-face 2340 分/min
オンデマンド(動画視聴)/On-demand(watching video) 320 分/min
オンデマンド(授業内課題)/On-demand(assignment in class) 40 分/min
リアルタイム配信/Real-time online 0 分/min
その他/Others 0 分/min
総合計/Total Amount of Class Hours 2700 分/min

1.着物産業見学は現場の実際の作業工程により実施回が前後する可能性があります。 
2.プロモーションは相手方の計画に左右される場合があり,相手方の都合により実施回及び実施時間が授業と前後する可能性があります。

アクティブラーニング/Active Learning

発見学習 / Discovery Learning, 調査学習 / Research Based Learning, 課題解決型学習 / PBL (Project Based Learning), 問題解決型学習 / PBL (Problem Based Learning), ディスカッション / Discussion, グループワーク / Group Work, プレゼンテーション / Presentation, フィールドワーク / Fieldwork

使用システム/System Tools

e-class, Panopto

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点(出席,クラス参加,グループ作業の成果等)  30%  出席及びプロジェクトへの参画状況(積極的な姿勢・発言・コミュニケーション,事前準備)を評価します。 
提出物(企画書,活動報告書,小レポート,コメントカード等)  15%  適宜作成する資料,提出物について評価します。 
成果物(プロモーション方法など)  20%  プロモーション方法,成果報告書などを評価します。 
成果報告会の評価  10%  成果報告会での内容について評価します。 
プロジェクトでの発表,プレゼンテーション等  10%  企画のプレゼンテーション等について評価します。 
プロジェクトでの貢献度  10%  履修生の果たした役割について評価します。 
 
プロジェクトの達成結果の評価  5%  本プロジェクトの達成度を評価します。 

社会情勢の変化に伴い授業実施方式等が変更となった場合,評価項目を適宜調整する場合があります。

<テキスト/Textbook>

授業中に配布するプリントや資料など。

<参考文献/Reference Book>

前﨑信也,山本真紗子  『京都の匠-世界を変える日本の伝統工芸 MADE IN KYOTO-』第1 刷 (IBC パブリッシング、2020年)110-121 ISBN:978-4-7946-0626-6 西陣絣についての理解が深まります。 
 

参考文献は上記にとどまりません。着物,西陣織,YouTube コンテンツなど,各人が理解を深められる資料に幅広くあたってください。

<参照URL/URL>

西陣織会館ホームページ 
西陣織の製作工程を俯瞰できます。 
世界の民族衣装一覧表 
世界の民族衣装を俯瞰できます。 

<連絡方法 / Contact method>

科目担当者への連絡方法/Contact method from student to instructor

電子メール

科目担当者からの連絡方法/Contact method from instructor to students

電子メール

<備考/Remarks>

1.グラフィックツールやイラスト制作,動画編集等のスキルを有していることが必須ではありません。初心者同士でもチームとして力をあわせ,協力者を取り付けることにより良い作品は完成しますので,デザイン経験者,未経験者問わず意欲のある学生を歓迎します。 
2.自分のノートPC やソフトウェアを使用したい場合は各自の責任で持ち込み可能です。 
3.社会情勢の変化により,授業形態については変更となる場合があります。 

 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
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