シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2024年度

集中
面接/Face-to-face

学則第9条の5対象
Article 9-5 of
the Undergraduate Regulations applies

対象外/Not Applicable

11433517 

△サイエンスとインテリジェンス (精神の生態学)
Science and Intelligence -Ecology of Mind-
2単位/Unit  秋集中/Fall Intensive  今出川/Imadegawa  講義/Lecture

  野口 範子 佐藤 優

<概要/Course Content Summary>

授業テーマ: 
 文理融合の理論を構築し,実践したアメリカの人類学者,社会科学者,言語学者,映像人類学者,サイバネティシストであるグレゴリー・ベイトソン(Gregory Bateson, 1904年5月9日 - 1980年7月4日)の主著『精神の生態学へ』の読み解きを通じて,総合知について考える。 
 
授業概要: 
 人間の社会は一種の複雑系である。数学,論理学,言語学,人類学などの学知を利用して,国際政治を類比的に分析する点でベイントンの業績は傑出している。例えば,東西冷戦期の米ソ対決をタコの喧嘩との類比で考察した。激しく対立する二国間の間では言語という媒体が信頼されなくなる。そのためコミュニケーションは言語を用いない動物に近付いてくる。ベイントンの観察によれば,二匹のタコは出会い頭にまず戦闘の構えをとる。小競り合いの後に強いタコが弱いタコの上に非攻撃的に覆い被さる。「お前をやっつけようと思えば出来るが,そうしない」というメッセージを身体行動で伝えるのだ。このメッセージを受領した弱い方のタコはわざと自分の身体の弱い部分(背)で攻撃を試みる。それを弱さのメッセージとして受け取った強いタコは,相手の負けを承認して退却する。 
 1962年のキューバ危機をベイトソンはタコの喧嘩と類比的に解釈できると考えた。ミサイルで脅すソ連の輸送船をアメリカが囲い込み,お互いに戦争を避けようとした行動がタコに似ているからだ。 
 制度化した学問には馴染みにくいが,ベイトソンのこのような分析はインテリジェンスにおいてきわめて有益だ。このような文化系,理科系を横断する類比的思考について学ぶ。

<到達目標/Goals,Aims>

論理を超える類比的思考について学ぶことを通じてサイエンスコミュニケーターとして総合力を身につける。

<DO Week期間の初回動画等の配信/The delivery of the first video, etc. during the “DO Week”>

あり/ Deliver the video

URLは各学期のDO Week開始日までに公開されます。The URL will be available by the day before the start of the DO Week of each semester.


<授業計画/Schedule>

実施時期
/Week
授業回/Number of Lesson 授業実施方法
/How to conduct a Lesson
授業実施時間数
/Class Hours
内容/Contents
授業時間外の学習/Assignments
第1週 DO Week

1 オンデマンド(動画視聴)/On-demand(watching video)

90 分/min
「精神の生態学」を学ぶことの意義(動画) 
(1)講師の自己紹介 
(2)今期講義の狙い 
(3)ベイトソンの思考の面白さ
復習2時間

1月28日(火)1講時

2 面接/Face-to-face

90 分/min
グレゴリー・ベイトソンの略歴〔ワークブック演習問題第1回分を予習しておくこと〕
予習2時間 
復習2時間

1月28日(火)2講時

3 面接/Face-to-face

90 分/min
精神と秩序の科学について〔ワークブック演習問題第2回分を予習しておくこと〕
予習2時間 
復習2時間

1月28日(火)3講時

4 面接/Face-to-face

90 分/min
エントロピーと人文・社会科学〔ワークブック演習問題第3回分を予習しておくこと〕
予習2時間 
復習2時間

1月28日(火)4講時

5 面接/Face-to-face

90 分/min
本能について〔ワークブック演習問題第4回分を予習しておくこと〕
予習2時間 
復習2時間

1月28日(火)5講時

6 面接/Face-to-face

90 分/min
統合失調症の哲学〔ワークブック演習問題第5回分を予習しておくこと〕
予習2時間 
復習2時間

1月29日(水)2講時

7 面接/Face-to-face

90 分/min
ダブルバインド〔ワークブック演習問題第6回分を予習しておくこと〕
予習2時間 
復習2時間

1月29日(水)3講時

8 面接/Face-to-face

90 分/min
学習Ⅰ〔ワークブック演習問題第7回分を予習しておくこと〕
予習2時間 
復習2時間

1月29日(水)4講時

9 面接/Face-to-face

90 分/min
学習Ⅱ,学習Ⅲ〔ワークブック演習問題第8回分を予習しておくこと〕
予習2時間 
復習2時間

1月29日(水)5講時

10 面接/Face-to-face

90 分/min
クジラ目のコミュニケーション〔ワークブック演習問題第9回分を予習しておくこと〕
予習2時間 
復習2時間

1月30日(木)2講時

11 面接/Face-to-face

90 分/min
冗長性とコード化〔ワークブック演習問題第10回分を予習しておくこと〕
予習2時間 
復習2時間

1月30日(木)3講時

12 面接/Face-to-face

90 分/min
目的意識と自然〔ワークブック演習問題第11回分を予習しておくこと〕
予習2時間 
復習2時間

1月30日(木)4講時

13 面接/Face-to-face

90 分/min
形式,実体,差異〔ワークブック演習問題第12回分を予習しておくこと〕
予習2時間 
復習2時間

1月30日(木)5講時

14 面接/Face-to-face

90 分/min
都市文明のエコロジー〔ワークブック演習問題第13回分を予習しておくこと〕
予習2時間 
復習2時間
授業期間終了後/After the Class Period

15 オンデマンド(動画視聴)/On-demand(watching video)

90 分/min
ベイトソンの言説をインテリジェンスにどう活用するか(動画)
復習2時間

<授業実施時間数/Class Hours>

授業実施方法/How to Conduct a Lesson 授業実施時間数/ Class Hours
面接/Face-to-face 1170 分/min
オンデマンド(動画視聴)/On-demand(watching video) 180 分/min
オンデマンド(授業内課題)/On-demand(assignment in class) 0 分/min
リアルタイム配信/Real-time online 0 分/min
その他/Others 0 分/min
総合計/Total Amount of Class Hours 1350 分/min

課題はかなり多いですが,消化すれば着実に力がつきます。予習を行っていなくても授業についていけるように極力配慮しますので,講義には全回出席してください。積み重ね方式の講義ですので,欠席すると,次回以降の講義の理解が難しくなります。 
テキスト(グレゴリー・ベイトソン〔佐藤良明訳〕『精神の生態学へ』全三巻,岩波文庫,2023年)を予め読んでおきたい人は,2024年6月28日(金)までに生命医科学部事務室に申し出てください。無料で配布します。 
授業方法:講義,小テスト,グループディスカッションによる。

アクティブラーニング/Active Learning

使用システム/System Tools

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点(クラス参加,グループ作業の成果等)  60%  授業への参加度(積極的な発言,質疑に対する応答の回数)で評価する。 
小テスト  40%  適宜小テストを行い100点満点で採点し,返却する。 

フィードバックの方法:授業での対話

<テキスト/Textbook>

  担当者作成のワークブック,プリントを使用する。 

 

<参考文献/Reference Book>

グレゴリー・ベイトソン(佐藤良明訳)  『精神の生態学へ』(岩波文庫、2023)全3巻 
 

グレゴリー・ベイトソン(佐藤良明訳)  『精神と自然 生きた世界の認識論』(岩波文庫、2022)
 

野村直樹  『やさしいベイトソン――コミュニケーション理論を学ぼう!』(金剛出版、2008)
 

モリス・バーマン(柴田元幸訳)  『デカルトからベイトソンへ ――世界の再魔術化』(文藝春秋、2019)
 

<連絡方法 / Contact method>

科目担当者への連絡方法/Contact method from student to instructor

e-classまたはメール

科目担当者からの連絡方法/Contact method from instructor to students

e-classまたはメール

<備考/Remarks>

担当者連絡先)野口:nnoguchi@mail.doshisha.ac.jp 

 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
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