シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2024年度

(水曜日5講時)
面接/Face-to-face

学則第9条の5対象
Article 9-5 of
the Undergraduate Regulations applies

対象外/Not Applicable

11433508-001 

○サイエンス・ナウ3-1 (報道と広報の現場)
Science Now 3-1 -Field of Media and Public Relations-
2単位/Unit  春学期/Spring  京田辺/Kyotanabe  講義/Lecture

野口 範子 西沢 邦浩 奥野 敦史 桝 太一
元村 有希子 山梨 裕美 田中 正之 音田 裕一郎
村松 秀 小川 義和 船越 翔 岡田 小枝子
渡辺 政隆

<概要/Course Content Summary>

健康•医療,そして生命そのものに対する人の関心は非常に高く,それを煽るような情報があふれている一方で,生命科学や医療技術の進歩は十分には伝えられていない現実がある。これらを正確にかつわかりやすく伝えるために,新聞やテレビなどの報道現場では直面する問題を解決しながら様々な取り組みがなされている。また,企業の広報部では,企業内外の情報を迅速に正確にキャッチし,製品の魅力ある情報発信が求められる。動物園や水族館では日常生活では見る機会がない生きものたちの姿を紹介し,地球上での共存について考えることの重要性を認識する。本講義では,実際に報道と広報の現場で奮闘している講師により具体的な例を掲げながら講義が行われる。本科目はビジネスワークショップ基礎科目となっており,ビジネスワークショップ履修希望者は履修必須科目である。資料配布やスライドの工夫など障害のある学生への配慮がなされている。

<到達目標/Goals,Aims>

報道や広報の現場の課題や解決への取り組みを学び,サイエンスコミュニケーターが社会のニーズに応えるために必要な課題設定とその解決に向けた思考能力を習得する。ビジネスワークショップで,企業,テレビ局,新聞社など現場を訪問するにあたり,必要な知識,課題を含め現場情報を得ることができる。

<DO Week期間の初回動画等の配信/The delivery of the first video, etc. during the “DO Week”>

あり/ Deliver the video
・初回授業動画サイエンスナウ3


<授業計画/Schedule>

実施時期
/Week
授業回/Number of Lesson 授業実施方法
/How to conduct a Lesson
授業実施時間数
/Class Hours
内容/Contents
授業時間外の学習/Assignments
第1週 DO Week

1 オンデマンド(動画視聴)/On-demand(watching video)

90 分/min
「サイエンスコミュニケーション実践現場で奮闘するプロとビジネスワークショップで訪問現場について」 
本講義の狙いの解説と登場する講師を紹介する。サイエンスコミュニケーションの実践現場を訪問する際の姿勢,行動など注意点についても教示する。(野口範子)
復習4時間
第2週

2 面接/Face-to-face

90 分/min
「科学を伝える」 
複雑化する現代社会において,科学の位置づけが変わりつつある。20世紀は,目の前の不便や不安を解消し,無数にある謎に明快な解を与えてくれる存在だった。21世紀になると,必ずしも科学が「たった一つの正しい答え」を提供するとは限らない事象が増えてきている。気候変動,生命倫理,感染症対応,原子力を含むデュアルユースの問題などが代表的な例だ。こうした複雑なできごとをどう伝えるか。新聞というメディアでの経験を通して考えた内容を共有しながら,21世紀の科学について議論を深めたい。 
(元村有希子)
復習4時間
第3週

3 面接/Face-to-face

90 分/min
「テレビから伝え方を学ぶ」 
目まぐるしく変化する現代社会に,いち早く対応しなければならないテレビ。初期配属の報道記者時代には,足しげく通って情報を取りに行くものの,事実を分かりやすく伝えるために,取れた情報を“あえて”出さない選択も…。畑違いの報道記者,営業職を通してみえた「伝えるために必要なテクニック」についてお話します。 
(読売テレビ 堀有紗)
復習4時間
第4週

4 面接/Face-to-face

90 分/min
「データと科学報道」 
サイエンスコミュニケーションを進める上で重要なのが,数値や画像などの「データ」の適切な取り扱いだ。福島第一原発事故や新型コロナウイルスなど複雑な科学報道で,データがどんな役割を果たすのかを実例を交えて解説する。ビッグデータの普及や解析手法の進展とともに台頭する新たなニューススタイル「データ報道」についても考えたい。 
(読売新聞 船越翔)
復習4時間
第5週

5 面接/Face-to-face

90 分/min
京都市動物園でおこなっている研究や教育活動について概説する。京都市動物園では,生物多様性保全の大切さを伝えるプログラムや,SDGsに関連する活動を積極的に進めているので,それらを紹介するとともに,動物園の可能性についてディスカッションしたい。 
(京都市動物園 田中正之)
復習4時間
第6週

6 面接/Face-to-face

90 分/min
「動物福祉(動物の心身の健康状態)に配慮する」 
わたしたちの社会は動物に頼っています。しかしかかわるときには動物の心身の状態(動物福祉・アニマルウェルフェア)に配慮することが求められるようになり,世界的な潮流となっている。本講義では,動物福祉の概説,動物園で実際に行っている工夫,動物福祉に関する研究について実例を交えて説明する。 
(京都市動物園 山梨裕美)
復習4時間
第7週

7 面接/Face-to-face

90 分/min
「博物館におけるサイエンスコミュニケーション」 
博物館は資料の収集,整理・保管,調査研究とそれらの成果を生かした展示や教育活動の機能を持つ,すべての人々に開かれた施設である。博物館は,展示・教育活動や地域の課題を通じて,科学を魅力的に伝え,人々の科学に関する対話を促してきた。これまで博物館はどのようにサイエンスコミュニケーションを受容し,その意義を社会に発信してきたのか。今後どのように人々に働きかけようとしているのか。それらの事例を紹介し,変化する社会の中で博物館に求められるサイエンスコミュニケーションについて議論を深める。 
(立正大学/国立科学博物館 小川義和)
復習4時間
第8週

8 面接/Face-to-face

90 分/min
「生物多様性について」 
(京都水族館 河﨑誠記)
復習4時間
第9週

9 面接/Face-to-face

90 分/min
「科学技術広報ってなに?~あなたの身近なサイエンスコミュニケーション」 
広報とは,実は,より広く報じるだけではなく,広聴,対話も含めた活動により,ある組織と外部の関係者との間に信頼関係(Public Relations)を構築するためのコミュニケーションです。科学技術研究を進める研究所や大学では,研究資金や研究場所,将来の研究者を獲得するための下地を作る役目を果たす「組織としてのサイエンスコミュニケーション」,それが科学技術広報であり,マスメディアで報道してもらうための情報発信やメディア関係者との関係構築も大事な業務のひとつです。授業では,科学技術広報の重要性,研究所や大学での実際の取り組みなどを,実例を交えてお話しします。 
(総合地球環境学研究所 岡田小枝子)
復習4時間
第10週

10 面接/Face-to-face

90 分/min
「新聞記者のノウハウに学ぶ もっと『伝わる』文章の書き方」 
膨大な情報の中から重要なものを「選択」し,「正確」に「わかりやすく」伝えるスキルが,今,日本の多くの職場で求められています。記者歴30年以上の講師が「目からウロコ」の文章スキルアップ術を伝授します。まだ,就活に間に合います。書くことやプレゼンが苦手な方,必聴! 
(読売新聞 音田裕一郎)
復習2時間
第11週

11 面接/Face-to-face

90 分/min
「食・健康分野におけるサイエンスコミュニケーション」   
データの質を精査すること,そしてそれを正しく解釈し,誤謬なく伝えることがサイエンスコミュニケーションの基本。どの点が曖昧でもミスリードが生まれる。ことに,人々の日々の生活や心身状態に関わる食・健康分野において,エビデンスを正しくわかりやすく伝えることの意義は大きい。データを含む文章表現の落とし穴,二次情報のリスク,エビデンスは常に揺れ動くものであることなどサイエンスコミユニケーションのポイントを,食・健康分野のトピックや注目研究などを題材にして考える。 
(日経BP社 西沢邦浩)
復習4時間
第12週

12 面接/Face-to-face

90 分/min
「生成AI時代に求められるクリエイター像とは」  
インターネットメディアの誕生以来,情報伝達の技術,形式,機会は激変を続けてきた。現在圧倒的な発信力,拡散力を持ち,情報伝達ツールの中核となっているSNSもその姿,役割は徐々に変化しつつあり,2023年に本格登場した生成AIは情報を取り扱い,生み出す手法を大きく変えつつある。現在,そして近未来においてジャーナリストをはじめとする情報クリエイターに求められるスキルと姿勢は何なのか。サイエンスの手法を土台に解説する。  
(メディプロデュース 奥野敦史)
復習4時間
第13週

13 面接/Face-to-face

90 分/min
「映像メディアによる科学コミュニケーションと『コトづくり』」 
NHKにて長年,科学番組を制作してきた。その際に強く意識してきたのは,科学情報を単に伝えていくことではなく,科学の<本質>が視聴者の腑に落ちることである。 
そのために,常に見ている視聴者との見えないコミュニケーションを考えながら,手法を講じ,ワンカットや一つのナレーションコメントを精査し,視聴者が心を動かす体験を生み出すことを心がける。 
そうしたコミュニケーションを,自身の場合にはさらに,番組だけでなく,イベントやフェスティバルなど,より広い形でも展開してきた。それらは総じて「コトづくり」をする,ということだ。 
環境ホルモン,論文捏造,すイエんサー,サイエンススタジアム,ゴスペラーズの響歌,といったものを事例に科学コミュニケーションとコトづくりについて語りたい。 
(近畿大学 村松秀)
復習4時間
第14週

14 面接/Face-to-face

90 分/min
「科学コミュニケーションの中で地上波テレビが果たす役割とは」  
私たちが情報を得る媒体は近年多様化し, 媒体ごとの特性も細分化されてきているが, 先のコロナ禍のように”全市民にとって科学が他人事ではなくなる”ような状況を迎えた際に, 適切な科学情報を, ふだん科学と接点が少ない層も含めた社会全体でどう共有するか, という課題が浮き彫りとなった. 本講義では, その中で地上波テレビが果たす役割について論じていく.  
(桝太一)
復習4時間
授業期間終了後/After the Class Period

15 オンデマンド(動画視聴)/On-demand(watching video)

90 分/min
「サイエンスライターという仕事」 
サイエンスがらみの話を一般読者向けに書く人がサイエンスライターである。専業者もいれば,兼業者もいる。媒体としては,SNSでの発信,書籍や雑誌,新聞記事の執筆から,プレスリリース,イベントなどのパンフレット,科学館などの展示説明,さらには科学者が登場する小説やドラマの脚本にまでその範囲を広げてもいい。つまりは文章を駆使するサイエンスコミュニケーターがサイエンスライターである。ということで,サイエンスコミュニケーションにおけるサイエンスライティングの効用から説き起こし,サイエンスライターが果たすべき機能について語りたい。 
(渡辺政隆)
復習4時間

<授業実施時間数/Class Hours>

授業実施方法/How to Conduct a Lesson 授業実施時間数/ Class Hours
面接/Face-to-face 1170 分/min
オンデマンド(動画視聴)/On-demand(watching video) 180 分/min
オンデマンド(授業内課題)/On-demand(assignment in class) 0 分/min
リアルタイム配信/Real-time online 0 分/min
その他/Others 0 分/min
総合計/Total Amount of Class Hours 1350 分/min

講義の順番は変更される可能性があります。

アクティブラーニング/Active Learning

発見学習 / Discovery Learning, 課題解決型学習 / PBL (Project Based Learning), 問題解決型学習 / PBL (Problem Based Learning)

使用システム/System Tools

e-class, Panopto

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点(出席,クラス参加,グループ作業の成果等)  20%  出席と受講態度,積極的な議論への参加 
小レポート  80%  講義の理解度と考察力を評価する 

各講義を通してサイエンスコミュニケーターとして重要な課題を見出し,自らその解決に向けて取り組むべき指針を考えることができているかについて評価する

<参考文献/Reference Book>

アラン•アルダ高橋 洋 訳  『最強の伝え方』(青土社、2017)著者は米国の俳優業の傍ら,コミュニケーションセンターを設立しサイエンスを含め人に伝えるために必要な能力を研究している。訳者は本校副専攻の取り組みを知ったことから本書の翻訳に取り組んだ。 
 

京都市動物園 生き物・学び・研究センター(編)  『いのちをつなぐ動物園~生まれてから死ぬまで,動物の暮らしをサポートする』(小さ子社、2020)2020年に出版された,京都市動物園の近年の取り組みについて,紹介したもの。講義の内 
容と強く関連しているので,興味のある方はお読みください。 
 

<連絡方法 / Contact method>

科目担当者への連絡方法/Contact method from student to instructor

e-class

科目担当者からの連絡方法/Contact method from instructor to students

e-class

<備考/Remarks>

 
担当者連絡先)野口:nnoguchi@mail.doshisha.ac.jp 

 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
Copyright(C) 2024 Doshisha University All Rights Reserved. 無断転載を禁止します。