<概要/Course Content Summary>
人の誕生から始まる心の発達,思春期・青年期の発達, そして老化のプロセスについて,そのメカニズムと環境との係わりを知り,最新の脳科学研究の成果と照らし合わせながら,人を取り巻く環境との新たな接点を発見する。6人の教員が,発生学,脳科学, 赤ちゃん学, 発達心理学の視点から,この目標を達成するためにリレー形式で講義する。 (元山/4回) 初回は,本講義の概要,発生学や脳科学と環境との関わりについて概説する。そして生物であるヒトの中枢神経系の発生について概説し,特に発生過程における「遺伝情報と環境因子」の相互作用の重要性について解説する。2回目は脳の生後発達での環境と中枢神経系との相互作用の重要性について,3回目では成体の脳での神経新生と可塑性との関係について,環境因子と脳の活動や身体の活動との関連に着目して解説する。最終回にまとめの議論を行う。 (櫻井/3回) まず,社会的存在であるヒトにとって最も重要な環境である「他者と集団」の影響について解説する。次に,環境に敏感でハイリスクな段階とも言われている思春期・青年期における脳の変化について,統合失調症との関係も含め解説する。最後に,環境を認知する際に主要な役割を果たす視覚について,その神経回路と可塑性に焦点を当て解説する。 (加藤/1回) 人の聴覚の発達について,受容器や神経系の仕組み,最小可聴閾の概念を解説する。より複雑な聴覚の働きである音源定位,音脈分凝,騒音下での聴取について解説し,特に発達過程における音環境の重要性について議論する。 (髙橋 / 1回) 生得的な空間認知能力,環境の変化や老化に伴う空間認知の変化やその神経メカニズムを,特定の場所を通過した時に高頻度に活動する場所細胞や格子細胞に関する最新の成果と照らし合わせながら解説する。 (嶋田/3回)まず,乳幼児の知覚と環境の関わりについて理論的背景と実例を含め概説する。2回目は,乳幼児の言語・認知発達と音環境の関連について解説する。3回目は,乳幼児のための環境構成について近年の視点を紹介するとともに,保育の音環境に関する多領域の取り組みと研究を紹介する。 (内山/3回) ここでは,とくに乳児期や高齢期に焦点を当て,発達における環境の役割について解説する。そして,家族集団における環境の働きを考察する。
<到達目標/Goals,Aims>
人間の心理と環境の関係を,発生学,脳科学,発達科学等の科学的視点から包括的に理解できるようになる。具体的には,心理環境科学に関する基本的な知識を身につけることができるようになる,また新しい環境にさらされた人間とその心理の変容の関係を,論理的に解き明かす方法を考えることができるようになる。
<DO Week期間の初回動画等の配信/The delivery of the first video, etc. during the “DO Week”>
なし/ Not deliver the video
<授業計画/Schedule>
実施時期 /Week |
授業回/Number of Lesson |
授業実施方法 /How to conduct a Lesson |
授業実施時間数 /Class Hours |
内容/Contents |
授業時間外の学習/Assignments |
第1週 DO Week
|
|
|
0 分/min |
|
|
第2週
|
1 |
面接/Face-to-face
|
90 分/min |
本講義の紹介,及び生体と環境の関係について (元山) |
紹介した文献を含めた予習と復習 |
第3週
|
2 |
面接/Face-to-face
|
90 分/min |
生後の脳の発達;環境因子と脳の発達 (元山) |
紹介した文献を含めた予習と復習 |
第4週
|
3 |
面接/Face-to-face
|
90 分/min |
成体の脳の変化;脳における神経新生と可塑性の関係 (元山) |
紹介した文献を含めた予習と復習 |
第5週
|
4 |
面接/Face-to-face
|
90 分/min |
環境としての他者と集団 (櫻井) |
紹介した文献を含めた予習と復習 |
第6週
|
5 |
面接/Face-to-face
|
90 分/min |
思春期・青年期の脳の変化 (櫻井)
|
紹介した文献を含めた予習と復習 |
第7週
|
6 |
面接/Face-to-face
|
90 分/min |
視覚による環境認知と脳の可塑性 (櫻井) |
紹介した文献を含めた予習と復習 |
第8週
|
7 |
面接/Face-to-face
|
90 分/min |
人の聴覚の発達 (加藤) |
紹介した文献を含めた予習と復習 |
第9週
|
8 |
面接/Face-to-face
|
90 分/min |
空間認知の環境や発達加齢による変化 (髙橋) |
紹介した文献を含めた予習と復習 |
第10週
|
9 |
面接/Face-to-face
|
90 分/min |
乳幼児の知覚発達と環境(嶋田) |
紹介した文献を含めた予習と復習 |
第11週
|
10 |
面接/Face-to-face
|
90 分/min |
乳幼児の言語・認知発達と音環境(嶋田) |
紹介した文献を含めた予習と復習 |
第12週
|
11 |
面接/Face-to-face
|
90 分/min |
乳幼児のための環境構成の理論と実際(嶋田) |
紹介した文献を含めた予習と復習 |
第13週
|
12 |
面接/Face-to-face
|
90 分/min |
乳児発達の確率論的漸成説と環境 (内山) |
紹介した文献を含めた予習と復習 |
第14週
|
13 |
面接/Face-to-face
|
90 分/min |
高齢期の心理発達と環境 (内山) |
紹介した文献を含めた予習と復習 |
授業期間終了後/After the Class Period
|
14 |
面接/Face-to-face
|
90 分/min |
家族と住居環境 (内山)
|
紹介した文献を含めた予習と復習 |
授業期間終了後/After the Class Period
|
15 |
面接/Face-to-face
|
90 分/min |
まとめ;人の脳と環境の関わり (元山) |
復習 |
<授業実施時間数/Class Hours>
授業実施方法/How to Conduct a Lesson |
授業実施時間数/ Class Hours |
面接/Face-to-face |
1350 分/min |
オンデマンド(動画視聴)/On-demand(watching video) |
0 分/min |
オンデマンド(授業内課題)/On-demand(assignment in class) |
0 分/min |
リアルタイム配信/Real-time online |
0 分/min |
その他/Others |
0 分/min |
総合計/Total Amount of Class Hours |
1350 分/min |
アクティブラーニング/Active Learning
使用システム/System Tools
e-class
<成績評価基準/Evaluation Criteria>
平常点(出席,クラス参加,グループ作業の成果等)
|
80%
|
講義に対する取り組みの姿勢を総合的に評価する。
|
提出物
|
20%
|
各自の理解度を必要に応じて評価する。
|
講義に対する取り組みの姿勢,および基礎的事項の理解度等を総合的に評価する。
<参考文献/Reference Book>
必要に応じて,適宜担当講師が指示する。
<連絡方法 / Contact method>
科目担当者への連絡方法/Contact method from student to instructor
e-class
科目担当者からの連絡方法/Contact method from instructor to students
e-class
<備考/Remarks>
本講義は原則対面で実施するが,状況に応じて変更の可能性がある。随時講義中に指示する。
|