シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2023年度

(月曜日3講時)
面接/Face-to-face

学則第9条の5対象
Article 9-5 of
the Undergraduate Regulations applies

対象外/Not Applicable

16604046-100 

△複合領域科目2-100 (人文・社会科学からみた共生)
Integrated Studies 2-100 -Coexistence : From the Viewpoint of Humanities and Social Sciences-
2単位/Unit  秋学期/Fall  今出川/Imadegawa  講義/Lecture

  本岡 拓哉 小山 隆 林田 秀樹 関口 寛

<概要/Course Content Summary>

分断や排除が拡大する現代において,本講義は,経済学や社会福祉学,社会史,人文地理学といった人文・社会科学分野を専門とする本学人文科学研究所所属教員が,近代から現代に至る日本社会内外の様々な事例を通じて,共生社会のあり方を学ぶ機会を提供するものである。分断や排除,貧困や格差,差別や偏見といった,隔たりを生み出す歴史的経緯や社会的文脈,地理的布置を多角的に読み解き,社会運動や連帯,福祉,支援活動,さらには国境を超えた経済行為など,人と人とが共に生きるための諸営為を広く学ぶ機会となる。本講義を通じて,受講生は,よりよい共生社会実現へ向けたモチベーションを獲得するとともに,開かれた想像力を能動的に身につけることが期待される。本科目は講義形式となるが,担当者間の調整を通じて,各講義の連携には常に配慮する。様々な事情によりネット配信授業,対面ネット併用授業になることも考えられるが,その場合,出席確認のためのレポート課題や質疑応答の機会を提供することで,双方向性を担保したい。

<到達目標/Goals,Aims>

①自分が,様々な属性をもつ多くの人々とともに構成する社会において,どのようにその社会をとらえるべきか,自分自身の立ち位置をどう定めるべきかについて,自分なりの考えをもてるようになること。 
 
②学校にしろ地域にしろ,あるいは将来の職場にしろ,人それぞれに生きる「身の周り」の社会は異なるが,障がいの有無や性差,民族,経済的役割等を超えた共生について考えるなかで,それらの差異を乗越えるために人命・人権の尊さを理解できるようになり,人類が共有すべき価値について考える意欲をもてるようになること。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) 第1回  (内容/ Contents) オリエンテーション:  
共生を問うための見方と考え方 
(授業時間外の学習/ Assignments) 授業の内容を振返り,自分が学びたい,あるいは生きたい「共生社会」について考えること 
(実施回/ Week) 第2回  (内容/ Contents) 近代社会の人間と様々な差別1:市民社会の論理と「平等」  (授業時間外の学習/ Assignments) これまでに学校で学んだことを振り返り,自分が考える「平等」とは何かについて考えをまとめてくること 
(実施回/ Week) 第3回  (内容/ Contents) 近代社会の人間と様々な差別2:マジョリティとマイノリティ  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業内容を振り返り,マジョリティとマイノリティがどのように別けられるのか考えること 
(実施回/ Week) 第4回  (内容/ Contents) 近代社会の人間と様々な差別3:生命・生活に介入する権力  (授業時間外の学習/ Assignments) 自分自身が歩んできた人生と歴史的に形成されてきた社会制度との関わりについて考えること 
(実施回/ Week) 第5回  (内容/ Contents) 近代社会の人間と様々な差別4:科学とテクノロジーが生み出す「包摂」と「排除」  (授業時間外の学習/ Assignments) 近代社会の形成に科学的知見が果たした役割を踏まえ,その正と負の両面について考えること 
(実施回/ Week) 第6回  (内容/ Contents) 近代社会の人間と様々な差別5:差別に抗する「共生」の思想はいかにして可能か?  (授業時間外の学習/ Assignments) 社会が生み出す「包摂」と「排除」に関して紹介した理論的枠組みを踏まえ,「共生」の可能性について考えること 
(実施回/ Week) 第7回  (内容/ Contents) 日本社会の民族問題にみる共生1:日本社会の民族問題を考えるために  (授業時間外の学習/ Assignments) 日本社会における民族問題についてこれまで考えてきたことを整理しておくこと 
(実施回/ Week) 第8回  (内容/ Contents) 日本社会の民族問題にみる共生2:近代の都市形成とエスニシティ  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業内で紹介した文献や資料等を読んで復習すること 
(実施回/ Week) 第9回  (内容/ Contents) 日本社会の民族問題にみる共生3:戦後日本社会とエスニシティ  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業内で紹介した文献や資料等を読んで復習すること 
(実施回/ Week) 第10回  (内容/ Contents) 日本社会の民族問題にみる共生4:現代,共生とレイシズムの間で  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業内で得た知識や見方を踏まえて,日本社会における民族問題の現状と今後について考えてみること 
(実施回/ Week) 第11回  (内容/ Contents) 経済行為を通じた共生1:経済が結ぶ共生関係—日常性の背後にあるもの  (授業時間外の学習/ Assignments) 身近な経済行為を人間関係のなかで考えてみること 
(実施回/ Week) 第12回  (内容/ Contents) 経済行為を通じた共生2:アジアと世界の中の日本—国境を超える共生関係  (授業時間外の学習/ Assignments) 身近な経済的事象が媒介する人と人との関係について考えてみること 
(実施回/ Week) 第13回  (内容/ Contents) 経済行為を通じた共生3:パーム油の生産・消費で結ばれる東南アジアと世界①  (授業時間外の学習/ Assignments) 共生は,「身の周り」だけで必要となるものではないことに思いを致すこと 
(実施回/ Week) 第14回  (内容/ Contents) 経済行為を通じた共生4:パーム油の生産・消費で結ばれる東南アジアと世界②  (授業時間外の学習/ Assignments) 共生は,「身の周り」だけで必要となるものではないことを身近な例で考えてみること 
(実施回/ Week) 第15回  (内容/ Contents) まとめ: 共生社会へ向けた展望  (授業時間外の学習/ Assignments) 14回の授業を振返り,「同じ社会で他者と共生すること」に関する自分の見方がどのように変化したかについて考えること 

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点(第1~14回の授業については,授業後に簡単なコメント・質問を提出すること)  30%  授業に対するコメント・質問に表れる受講態度の真剣さの度合いをポイントに評価する。 
提出物(各担当者(関口・本岡・林田)の講義が終わるごとに,担当者が設定する課題についてレポートを提出すること。授業最終回に,講義全体に関するレポートを提出すること)  70%  各担当者が設定する課題で,それぞれの4~5回の授業から何を学んだか,「共生」についてどのような視点を得たかという点を評価の基準とする。そして,講義全体から共生社会について自分なりの考え方をどのように形成したかについて問う。 

平常点については,毎回の授業に臨む姿勢について評価する。各担当者ごとの課題については,自らの関心に応じてどれほど自主的に調べごとを行い,自らの考えをどれほど他者に伝わりやすいかたちにまとめられたかを重視する。そして,授業最終回に予定している課題では,講義全体によって形成された「社会で共生すること」についての自分なりの考え方,率直な疑問をどれほどしっかり表現できているかに評価の焦点を当てる。

 

<成績評価結果/Results of assessment>   成績評価の見方について/Notes for assessment

    

登録者数

成績評価(%)

評点
平均値

備考

A B C D F
78 25.6 30.8 7.7 12.8 23.1 0.0 2.2

<テキスト/Textbook>

特になし

<参考文献/Reference Book>

本岡拓哉  『「不法」なる空間にいきる-占拠と立ち退きをめぐる戦後都市史-』(大月書店、2019年)ISBN:978-4-2725-2112-8 本岡担当の授業回で参照を指示する。 
 

林田秀樹編著  『アブラヤシ農園問題の研究Ⅰ【グローバル編】-東南アジアにみる地球的課題を考える-』(晃洋書房、2021年)ISBN:978-4-7710-3433-4 林田担当の授業回の後半で参照を指示する。 
 

林田秀樹編著  『アブラヤシ農園問題の研究Ⅱ【ローカル編】-農園開発と地域社会の構造変化を追う-』(晃洋書房、2021年)ISBN:978-4-7710-3434-1 林田担当の授業回の後半で参照を指示する。 
 

竹沢泰子, ジャン=フレデリック・ショブ編  『人種主義と反人種主義: 越境と転換』(京都大学学術出版会、2022)ISBN:978-4-8140-0389-1 関口担当の授業回で参照を指示する。 
 

<参照URL/URL>

同志社大学人文科学研究所オリジナルページ 
本講義の担当教員が所属する研究所のホームページです。各担当者の講義の土台となる研究活動について紹介しています。 

<授業形態備考/Class type>

対面授業を予定しているが、登録者多数等で教室での対面授業が実施できない場合は、ネット配信授業(オンデマンド型等)に変更することがある。 

<備考/Remarks>

授業に関する連絡,資料配付,レポート提出等については,DUET,e-classを利用して行う予定。 

 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
Copyright(C) 2023 Doshisha University All Rights Reserved. 無断転載を禁止します。