シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2023年度

(火曜日2講時)
面接/Face-to-face

学則第9条の5対象
Article 9-5 of
the Undergraduate Regulations applies

対象外/Not Applicable

11640075 

○無機応用化学Ⅰ
Applied Inorganic Chemistry I
2単位/Unit  春学期/Spring  京田辺/Kyotanabe  講義/Lecture

  加藤 将樹

<概要/Course Content Summary>

 現代の情報端末などに利用される電気的・光学的・磁気的先端技術は,Siなどの半導体材料や遷移金属化合物を中心としたセラミックス材料など,様々な固体材料開発によって発展したと言っても過言ではない。 
 これらの機能性先端材料の基礎的な性質を理解し,材料開発などの応用に資するためには,いわゆる物性論を十分学ぶ必要がある。しかしながら物性論は,量子化学・量子力学をはじめとして,結晶化学,電磁気学や統計力学など,学問的には化学や物理学の広い範囲にわたっているため,一度に理解するのは容易ではなく,特に化学を専攻する学生にとって敷居が高いのも事実である。 
 そこで本科目では物性論入門として3つのトピックスを絞り,固体化学分野の基礎的な理解を目指す。まず結晶中における遷移金属元素の電子状態を理解するため,結晶場・配位子場の考え方を述べる。次に,一般の原子における電子状態を量子論の観点から学び,電子間の相互作用について理解を深める。最後に,電子間相互作用の一例として磁性化学に着目し,基礎的な概念と幾つかの応用例を述べる。 
 なお,本科目は「学習・教育目標 B 化学分野における専門知識の習得(2)専門応用」に含まれ,無機化学分野の専門応用知識を学習することになる。また「学習・教育目標B 化学分野における専門知識の修得 (1)専門基礎」や,「学習・教育目標 A 工学において基礎となる知識の修得 (3)数学および物理学を含む工学基礎」を含み,工学基礎的な内容も合わせて学習する。

<到達目標/Goals,Aims>

より具体的には,次のような項目を達成目標とする。 
(1)遷移金属元素の化学的性質を理解する。 
(2)結晶場理論,配位子場理論について定性的に理解する。 
(3)原子における電子状態を量子論的に理解する。 
(4)原子の磁性について理解する。 
(5)物質の様々な磁気的性質を理解する。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 錯体のモデルと結晶場概説  (授業時間外の学習/ Assignments) 第1回の復習と第2回の予習(1時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 結晶場の安定化,高スピン・低スピン,分光学的序列  (授業時間外の学習/ Assignments) 第2回の復習と第3回の予習(1時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 遷移元素化合物の光学的性質(d-d遷移,電荷移動遷移,レーザー発振)  (授業時間外の学習/ Assignments) 第3回の復習と第4回の予習(1時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 対称性とヤーンテラー効果  (授業時間外の学習/ Assignments) 第4回の復習と第5回の予習(1時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 演習(1)  (授業時間外の学習/ Assignments) 第5回の復習と小レポート作成,第6回の予習(2時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 角運動量の量子論  (授業時間外の学習/ Assignments) 第6回の復習と第7回の予習(1時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) Hartree-FockのSCF法とSlater軌道  (授業時間外の学習/ Assignments) 第7回の復習と第8回の予習(1時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 電子配置のエネルギーと交換相互作用  (授業時間外の学習/ Assignments) 第8回の復習と第9回の予習(1時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 電子配列とLS項  (授業時間外の学習/ Assignments) 第9回の復習と第10回の予習(1時間) 
(実施回/ Week) 10  (内容/ Contents) 演習(2)  (授業時間外の学習/ Assignments) 第10回の復習と小レポート作成,第11回の予習(2時間) 
(実施回/ Week) 11  (内容/ Contents) 原子の磁性  (授業時間外の学習/ Assignments) 第11回の復習と第12回の予習(1時間) 
(実施回/ Week) 12  (内容/ Contents) 磁性の分類と常磁性  (授業時間外の学習/ Assignments) 第12回の復習と第13回の予習(1時間) 
(実施回/ Week) 13  (内容/ Contents) 磁気的秩序とワイスの分子場理論  (授業時間外の学習/ Assignments) 第13回の復習と第14回の予習(1時間) 
(実施回/ Week) 14  (内容/ Contents) 金属の磁性と超伝導  (授業時間外の学習/ Assignments) 第14回の復習と第15回の予習(1時間) 
(実施回/ Week) 15  (内容/ Contents) 演習(3)  (授業時間外の学習/ Assignments) 全体の復習と小レポート作成(3時間) 

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点・小レポート  30%  講義の各段階・トピックスについてより深く理解する。適宜講義中の小テストとすることもある。 
期末評価  70%  総合的な理解および応用問題について論述・解答内容を評価 
特記事項    上記の内容において,到達目標における基礎的事項を身につけていると判断出来れば合格とする。なお,その目安は100点満点で60点(D以上)である。上にあげた配分はあくまでも目安であり,レポートの実施回数,内容によって変更があり得る。 
特に上記配分は対面授業を仮定した場合のものであり,やむなくオンライン授業となる場合や,対面試験が不可能な場合は,事前に周知の上,適宜変更するものとする。 

 

<成績評価結果/Results of assessment>   成績評価の見方について/Notes for assessment

    

登録者数

成績評価(%)

評点
平均値

備考

A B C D F
69 33.3 18.8 18.8 18.8 10.1 0.0 2.5

<参考文献/Reference Book>

シュライバー,アトキンス  『無機化学(下)』第6版 (東京化学同人、2017)ISBN:978-4807908998 
 

原田義也  『量子化学(上)』(裳華房、2007)ISBN:978-4785330736 
 

志賀正幸  『磁性入門』(内田老鶴圃、2007)ISBN:978-4753656301 
 

e-class等で授業資料を適宜配布する。

<参照URL/URL>

http://www1.doshisha.ac.jp/~makato/lecture/lecture.html 
 

<備考/Remarks>

状況により授業実施方法の変更を行う可能性があるので,授業内,あるいはDuet,e-class等の連絡に注意すること。 

 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
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