シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2023年度

(金曜日2講時)
面接/Face-to-face

学則第9条の5対象
Article 9-5 of
the Undergraduate Regulations applies

対象外/Not Applicable

11640060 

△無機構造論
Molecular Structures of Inorganic Compounds
2単位/Unit  秋学期/Fall  京田辺/Kyotanabe  講義/Lecture

  加藤 将樹

<概要/Course Content Summary>

 金属や半導体,セラミックス材料などに代表されるように,無機固体化合物は現代文明,技術,産業を支える重要な材料である。それらの多くは,分子の集合からなる分子性化合物ではなく,しばしば巨大分子とも呼ばれる結晶性化合物である。このような物質では,単位格子と呼ばれる最小の繰り返し単位となる原子・分子集団が存在し,さらに,イオン結合,共有結合,金属結合などの化学結合が物質全体に及ぶ。そのことによって,分子性化合物とは異なった特有の電気的,磁気的,光学的な性質が現れる。 
 したがって,まずはこのような結晶性化合物の結合および構造について理解することが重要である。本科目では,前半において無機固体化合物における化学結合とエネルギーについて精講する。後半では,無機固体化合物における分類や記述法などの結晶化学的な知見,および,回折法を中心とした構造解析法について述べる。さらに,磁性や電気伝導性,光学的性質など,無機固体化合物の構造に由来する物性について,基礎的な事項を述べる。この講義を通して,無機固体化合物の結合と構造について基礎的な知識を習得することを目的とする。 
なお,本科目は「学習・教育目標 B 化学分野における専門知識の習得(2)専門応用」に含まれ,無機化学分野の専門基礎知識を学習することになる。

<到達目標/Goals,Aims>

より具体的には,次のような項目を達成目標とする。 
(1)化学結合の違いによる結晶構造の違いを理解する。 
(2)結晶格子エネルギーについて理解する。 
(3)結晶系,ブラベー格子等,結晶化学の基本的事項を理解する。 
(4)回折法の原理を理解し,結晶構造パラメーターの決定法を理解する。 
(5)格子欠陥とその物理的性質について,基本的事項を理解する。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 化学結合と電気陰性度  (授業時間外の学習/ Assignments) 第1回の復習と第2回の予習(1時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) イオン結合性構造と基本原理(Paulingの静電気原子価則,半径比則)  (授業時間外の学習/ Assignments) 第2回の復習と第3回の予習(1時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) イオン結合性結晶のエネルギー(1)(格子エネルギー,Madelung定数)  (授業時間外の学習/ Assignments) 第3回の復習と第4回の予習(1時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) イオン結合性結晶のエネルギー(2)(Born-Mayer式,Kapustinskii式)  (授業時間外の学習/ Assignments) 第4回の復習と第5回の予習(1時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 部分共有結合性  (授業時間外の学習/ Assignments) 第5回の復習と第6回の予習(1時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 金属結合と固体の電子構造  (授業時間外の学習/ Assignments) 第6回の復習と第7回の予習(1時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 中間評価  (授業時間外の学習/ Assignments) 第7回の復習と第8回の予習(1時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 結晶構造の記述法(1)(単位格子,Bravais格子,原子座標,Miller指数)  (授業時間外の学習/ Assignments) 第8回の復習と第9回の予習(1時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 結晶構造の記述法(2)(逆格子)  (授業時間外の学習/ Assignments) 第9回の復習と第10回の予習(1時間) 
(実施回/ Week) 10  (内容/ Contents) 種々の結晶構造と物性(1)  (授業時間外の学習/ Assignments) 第10回の復習と第11回の予習(1時間) 
(実施回/ Week) 11  (内容/ Contents) 種々の結晶構造と物性(2)  (授業時間外の学習/ Assignments) 第11回の復習と第12回の予習(1時間) 
(実施回/ Week) 12  (内容/ Contents) 回折法の原理(1)(特性X線,原子散乱因子,Braggの式)  (授業時間外の学習/ Assignments) 第12回の復習と第13回の予習(1時間) 
(実施回/ Week) 13  (内容/ Contents) 回折法の原理(2)(構造因子,消滅則)  (授業時間外の学習/ Assignments) 第13回の復習と第14回の予習(1時間) 
(実施回/ Week) 14  (内容/ Contents) 格子欠陥とエネルギー  (授業時間外の学習/ Assignments) 第14回の復習と第15回の予習(1時間) 
(実施回/ Week) 15  (内容/ Contents) 演習  (授業時間外の学習/ Assignments) 第15回および講義全般の復習(3時間) 

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点・小レポート  20%  化学結合,固体のエネルギー,結晶構造,回折法についての,基礎的な問題を論述・解答できるか評価する。 
中間評価  40%  化学結合,固体のエネルギーについての問題を論述・解答できるか評価する。 
期末評価  40%  結晶構造,回折法についての問題を論述・解答できるか評価する。 
特記事項    上記の内容において,到達目標における基礎的事項を身につけていると判断出来れば合格とする。なお,その目安は100点満点で60点(D以上)である。上にあげた配分はあくまでも目安であり,レポートの実施回数,内容によって変更があり得る。 
特に上記配分は対面授業を仮定した場合のものであり,やむなくオンライン授業となる場合や,対面試験が不可能な場合は,事前に周知の上,適宜変更するものとする。 

 

<成績評価結果/Results of assessment>   成績評価の見方について/Notes for assessment

    

登録者数

成績評価(%)

評点
平均値

備考

A B C D F
65 16.9 32.3 26.2 21.5 3.1 0.0 2.4

<テキスト/Textbook>

吉村一良・加藤将樹  『無機固体化学-構造論・物性論-』第1版  (内田老鶴圃、2019) ISBN:978-4753635016 

 

<参考文献/Reference Book>

A. R. ウエスト  『ウエスト固体化学-基礎と応用-』(講談社、2016)ISBN:978-4061543904 
 

<参照URL/URL>

https://www1.doshisha.ac.jp/~makato/lecture/lecture.html 
 

<備考/Remarks>

状況により授業実施方法の変更を行う可能性があるので,授業内,あるいはDuet,e-class等の連絡に注意すること。 

 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
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