シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2023年度

(金曜日1講時)
面接/Face-to-face

学則第9条の5対象
Article 9-5 of
the Undergraduate Regulations applies

対象外/Not Applicable

11640009 

△無機化学Ⅰ
Inorganic Chemistry I
2単位/Unit  秋学期/Fall  京田辺/Kyotanabe  講義/Lecture

  加藤 将樹

<概要/Course Content Summary>

無機化学は周期表上の百以上に上る元素,およびそれらの化合物の性質と反応を学ぶ学問であり,非常に幅広い物質群が対象である。例えば,元素単体の反応性に着目すると,アルカリ金属と貴金属では全く異なるのはよく知られている。また,物質の多様な性質を深く理解するには,その物質を構成する結合様式についての知識が必要不可欠である。この原子間の結合様式(化学結合)は,構成する原子の電子構造と深く関連している。 
したがって,無機化学あるいは化学全般にわたって,物質の性質や反応の多様性を理解するには,原子の電子構造と化学結合について十分に学ぶことが非常に重要である。 
無機化学Ⅰでは,原子の構造とその電子状態について簡単な量子論と合わせて理解し,さらに主要な化学結合モデルを実際の化合物と対比して理解することを目標とする。 
なお,本科目は「学習・教育目標 B 化学分野における専門知識の習得(1)専門基礎」に含まれ,無機化学分野の専門基礎知識を学習することになる。また同時に,「学習・教育目標 A 理工学において基礎となる知識の修得(3)数学および物理学を含む理工学基礎」を含み,理工学基礎的な内容も合わせて学習する。

<到達目標/Goals,Aims>

より具体的には,次のような項目を達成目標とする。 
(1)原子の電子構造,特に量子論から得られる描像を定性的に理解する。 
(2)原子における遮蔽および有効核電荷について理解する。 
(3)原子半径などの原子パラメータを有効核電荷に基づいて理解する。 
(4)共有結合やイオン結合など,基本的な結合様式を理解する。 
(5)原子価結合理論および分子軌道理論について,それらの違いを認識し,簡単な分子の結合や形を理解する。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 元素の周期律と基礎的事項  (授業時間外の学習/ Assignments) 第1回の復習と第2回の予習(1時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 微視的世界と量子論の初歩  (授業時間外の学習/ Assignments) 第2回の復習と第3回の予習(1時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) Bohrの水素原子モデル  (授業時間外の学習/ Assignments) 第3回の復習と第4回の予習(1時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 水素型原子の波動関数  (授業時間外の学習/ Assignments) 第4回の復習と第5回の予習(1時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 電子スピンと有効核電荷  (授業時間外の学習/ Assignments) 第5回の復習と第6回の予習(1時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 多電子原子の構成原理  (授業時間外の学習/ Assignments) 第6回の復習と第7回の予習(1時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 原子パラメーター  (授業時間外の学習/ Assignments) 第7回の復習と第8回の予習(1時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 演習(1)  (授業時間外の学習/ Assignments) 第8回の復習と第9回の予習(1時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) オクテット則とLewis構造  (授業時間外の学習/ Assignments) 第9回の復習と第10回の予習(1時間) 
(実施回/ Week) 10  (内容/ Contents) 結合の強さとVSEPRモデル  (授業時間外の学習/ Assignments) 第10回の復習と第11回の予習(1時間) 
(実施回/ Week) 11  (内容/ Contents) 原子価結合理論  (授業時間外の学習/ Assignments) 第11回の復習と第12回の予習(1時間) 
(実施回/ Week) 12  (内容/ Contents) 分子軌道法の基礎  (授業時間外の学習/ Assignments) 第12回の復習と第13回の予習(1時間) 
(実施回/ Week) 13  (内容/ Contents) 等核二原子分子の分子軌道  (授業時間外の学習/ Assignments) 第13回の復習と第14回の予習(1時間) 
(実施回/ Week) 14  (内容/ Contents) 異核二原子分子,多原子分子の分子軌道  (授業時間外の学習/ Assignments) 第14回の復習と第15回の予習(1時間) 
(実施回/ Week) 15  (内容/ Contents) 演習(2)  (授業時間外の学習/ Assignments) 第15回および講義全般の復習(3時間) 

対面にて実施予定であるが,状況により授業実施方法を変更する場合,授業内,あるいはDuet,e-class等で連絡する。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点・小レポート  40%  講義の各段階・トピックスについてより深く理解する。主には毎回の授業内容の復習や確認を目的とする。 
期末評価  60%  総合的な理解および応用問題について論述・解答内容を評価 
特記事項    上記の内容において,到達目標における基礎的事項を身につけていると判断出来れば合格とする。なお,その目安は100点満点で60点(D以上)である。上にあげた配分はあくまでも目安であり,レポートの実施回数,内容によって変更があり得る。 
特に上記配分は対面授業を仮定した場合のものであり,やむなくオンライン授業となる場合や,対面試験が不可能な場合は,事前に周知の上,適宜変更するものとする。 

 

<成績評価結果/Results of assessment>   成績評価の見方について/Notes for assessment

    

登録者数

成績評価(%)

評点
平均値

備考

A B C D F
98 14.3 33.7 30.6 17.3 4.1 0.0 2.4

<参考文献/Reference Book>

シュライバー,アトキンス  『無機化学(上)』第6版 (東京化学同人、2016)ISBN:978-4807908981 
 

荻野博,飛田博実,岡崎雅明  『基本無機化学』第3版 (東京化学同人、2016)ISBN:978-4807909001 
 

<備考/Remarks>

この科目を受講するにあたり,高校で物理を履修していない人は,「基礎物理」を受講するのが望ましい。 

 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
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