シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2023年度

(木曜日2講時)
面接/Face-to-face

学則第9条の5対象
Article 9-5 of
the Undergraduate Regulations applies

対象外/Not Applicable

11640001-001 

○工学倫理-1
Engineering Ethics-1
2単位/Unit  春学期/Spring  京田辺/Kyotanabe  講義/Lecture

  加藤 将樹 尾原 佳信

<概要/Course Content Summary>

科学.技術の進歩,発展により社会の利便性も高まって,我々は豊かな生活が出来るようになった.その反面,科学.技術は益々高度化.専門化したため,内容の詳細について,関係する技術者以外は容易にその是非を判断することが出来ない状況にしばしば遭遇する.近年,企業や官庁で働く技術者のデータ改ざんや捏造,情報の隠蔽など,企業や技術者の倫理を問われる不祥事が多発している. 公衆の安全よりも組織や個人の利益を優先しようとした結果である.したがって,公衆の安全,健康,福利に留意し,倫理と責任を自覚して行動することが,技術者には強く望まれている. 
 本講義では,技術者の持つべき倫理について説明し,社会に出た際に遭遇する「安全」「リスク」「環境・資源問 
題」「法規」「知的財産権」等に関する概説を行うと共に,工学倫理(≒技術者倫理)に関する種々の事例研究とグループ討議を行う.                      
 なお,本科目は教育プログラム「学習・教育目標:A 工学において基礎となる知識の修得(1)一般教養や技術者倫理」に含まれる.

<到達目標/Goals,Aims>

到達目標は以下の通りである。 
(1) 工学倫理について理解している。 
(2) 技術者としての誇りと社会に対する責任感を身に付けている。 
(3) 工学倫理問題について実践的対応の知恵を身に付けている。 
(4) 国際的な問題については広い視点から多面的に考える習慣を身に付けている。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) 第1回  (内容/ Contents) ガイダンス(加藤) 
 本科目の概要と機能分子・生命化学科教育プログラムの説明など 
(授業時間外の学習/ Assignments) 教科書Ⅰ部の総論の予習 
(実施回/ Week) 第2回  (内容/ Contents) 工学倫理総論(1)(第2回以降,尾原) 
 工学倫理とは,技術者として要求されるもの,技術者倫理と技術倫理 
(授業時間外の学習/ Assignments) 教科書Ⅰ部の総論の復習と予習 
(実施回/ Week) 第3回  (内容/ Contents) 工学倫理総論(2) 
 日本の技術・技術者と倫理,米国と日本の比較,事例研究 
(授業時間外の学習/ Assignments) 総論の復習と予習 
(実施回/ Week) 第4回  (内容/ Contents) 工学倫理総論(3) 
 専門職と組織人の倫理,倫理問題への対応,実践的技術者倫理 
(授業時間外の学習/ Assignments) 総論の復習とまとめ 
(実施回/ Week) 第5回  (内容/ Contents) 安全と工学倫理(1) 
 技術者と安全,研究・開発現場の安全,製造現場・輸送時の安全 
(授業時間外の学習/ Assignments) 教科書II部の各論1章の予習 
(実施回/ Week) 第6回  (内容/ Contents) 安全と工学倫理(2) 
 日本の労働安全運動,製品の設計と品質保証,排出物と廃棄物の安全 
(授業時間外の学習/ Assignments) 1章の復習 
(実施回/ Week) 第7回  (内容/ Contents) 安全と工学倫理(3) 
 設備管理,原子力発電,事例研究 
(授業時間外の学習/ Assignments) 1章の復習とまとめ 
(実施回/ Week) 第8回  (内容/ Contents) リスクの評価と工学倫理 
 リスクとは,リスクマネジメント,リスクの評価,リスク対応 
(授業時間外の学習/ Assignments) 教科書II部の各論の2章の予習と復習 
(実施回/ Week) 第9回  (内容/ Contents) 環境・資源問題と工学倫理(1) 
 環境・資源問題,環境・資源問題の歴史,循環型社会,資源・エネルギー問題  
(授業時間外の学習/ Assignments) 教科書II部の各論3章の予習 
(実施回/ Week) 第10回  (内容/ Contents) 環境・資源問題と工学倫理(2) 
 地球規模の環境問題,事例研究 
(授業時間外の学習/ Assignments) 3章の復習とまとめ 
(実施回/ Week) 第11回  (内容/ Contents) 法規と工学倫理(1) 
 法規と工学倫理,注意義務,法規制の限界と自主的活動 
(授業時間外の学習/ Assignments) 教科書II部の各論4章の予習 
(実施回/ Week) 第12回  (内容/ Contents) 法規と工学倫理(2) 
 製造物責任,事例研究 
(授業時間外の学習/ Assignments) 4章の復習とまとめ 
(実施回/ Week) 第13回  (内容/ Contents) 知的財産権と工学倫理(1) 
 知的財産権の概略,知的財産権の国際問題,職務発明と相当の対価 
(授業時間外の学習/ Assignments) 教科書II部の各論5章の予習 
(実施回/ Week) 第14回  (内容/ Contents) 知的財産権と工学倫理(2)これからの技術と工学倫理 (1) 
 不正競争防止法,事例研究 
 バイオテクノロジーと工学倫理 
(授業時間外の学習/ Assignments) 5章の復習と教科書Ⅲ部の各論1 章の予習 
(実施回/ Week) 第15回  (内容/ Contents) これからの技術と工学倫理 (2)  
 情報技術と工学倫理 
工学倫理の総まとめ 
  
(授業時間外の学習/ Assignments) 教科書Ⅲ部の各論2章の予習と総まとめ 

教科書持参を前提に講義する。毎回出席をとる。事例研究・グループ討論において,全員発言と他人の意見を聞く,積極的な参加を望む。 
なお,授業は原則対面で行う予定であるが,状況によって対面分散,双方向オンライン,オンデマンド等に切り替える可能性がある。Duetなどによる掲示,指示にしたがうこと。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

レポート  70%  事例研究により,自分はどのように判断し,どのように行動するかを述べる。4〜5回実施する。不提出は各回0点とする。 
小レポート  30%  授業参加の積極性の評価のために,毎回,キーワード,感想,意見などの提出を求める。 
特記事項    到達目標の到達度を上記の点数配分により総合的に評価し,100点満点で評価して,60点以上を合格(D以上)とする。 

  出席率80%未満は不合格とする。やむを得ず欠席の場合は届けること。小レポートを提出のこと。

 

<成績評価結果/Results of assessment>   成績評価の見方について/Notes for assessment

    

登録者数

成績評価(%)

評点
平均値

備考

A B C D F
50 48.0 26.0 16.0 6.0 4.0 0.0 3.1

<テキスト/Textbook>

中村収三,(社)近畿化学協会工学倫理研究会 共編著  『技術者による実践的工学倫理-先人の知恵と戦いから学ぶ-』第4版  (化学同人、2019) 取扱い生協  ISBN:978-4-7598-1557-3 

 

<備考/Remarks>

最近の工学倫理に関連する不祥事件の新聞記事や出版物の記載内容を予め良く読んでおき,もし自分がその事件の当事者あるいは発見者の立場であったら,どのように判断し,どのように行動したかを考えておくこと。 

 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
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