シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2022年度

(木曜日4講時)
面接/Face-to-face

11640072 

△統計力学
Statistical Mechanics
2単位/Unit  秋学期/Fall  京田辺/Kyotanabe  講義/Lecture

  遠藤 太佳嗣

<概要/Course Content Summary>

 本授業で学ぶ「統計力学」は,「分子統計力学」或いは「統計熱力学」と同義であり,化学熱力学(物理化学II,物理化学III)と量子化学(物理化学IV,物理化学V)を結ぶ学問である。本授業では,量子化学的な考え方から,巨視的な熱力学量(内部エネルギー,エンタルピー,エントロピー,自由エネルギー)を導出し,熱力学量の分子論的な起源を明らかにする。 
 本科目は,「学習・教育目標 B 化学分野における専門知識の修得(2)専門応用」に相当する物理化学分野の専門基礎を学習する。 

<到達目標/Goals,Aims>

 ボルツマン分布や分配関数といった統計力学的な概念を通して,巨視的な熱力学量(内部エネルギー,エンタルピー,エントロピー,自由エネルギー)の分子論的な起源を理解できるようになる。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 授業概要説明  (授業時間外の学習/ Assignments) 物理化学I-Vの総復習(2時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 15. 統計熱力学:ボルツマン分布  (授業時間外の学習/ Assignments) 教科書15Aの予習復習(2時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 15. 統計熱力学:分子分配関数①  (授業時間外の学習/ Assignments) 教科書15Bの予習復習(2時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 15. 統計熱力学:分子分配関数②  (授業時間外の学習/ Assignments) 教科書15Bの予習復習(2時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 15. 統計熱力学:分子のエネルギー  (授業時間外の学習/ Assignments) 教科書15Cの予習復習(2時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 15. 統計熱力学:正準アンサンブル  (授業時間外の学習/ Assignments) 教科書15Dの予習復習(2時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 15. 統計熱力学:内部エネルギーとエントロピー  (授業時間外の学習/ Assignments) 教科書15Eの予習復習(2時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 15. 統計熱力学:熱力学関数の導出  (授業時間外の学習/ Assignments) 教科書15Fの予習復習(2時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 単元テスト①  (授業時間外の学習/ Assignments) 教科書15章の総復習(10時間) 
(実施回/ Week) 10  (内容/ Contents) 1. 気体の性質:マクスウェル-ボルツマン分布  (授業時間外の学習/ Assignments) 教科書1B(p37-42)の予習復習(2時間) 
(実施回/ Week) 11  (内容/ Contents) 21. 化学反応動力学:衝突理論  (授業時間外の学習/ Assignments) 教科書21Aの予習復習(2時間) 
(実施回/ Week) 12  (内容/ Contents) 21. 化学反応動力学:遷移状態理論  (授業時間外の学習/ Assignments) 教科書21Cの予習復習(2時間) 
(実施回/ Week) 13  (内容/ Contents) 21. 化学反応動力学:分子衝突の動力学  (授業時間外の学習/ Assignments) 教科書21Dの予習復習(2時間) 
(実施回/ Week) 14  (内容/ Contents) 単元テスト②  (授業時間外の学習/ Assignments) 総復習(10時間) 
(実施回/ Week) 15  (内容/ Contents) 総復習  (授業時間外の学習/ Assignments) レポート作成(2時間) 

※上記の計画は,学生の理解度などにあわせて変更することがある。 
※授業時間内外でe-class を活用するので,IT 機器を授業に持ってくること。また,授業に関する連絡もe-class を通して行うので,確認を怠らないこと。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

復習レポート  40%   レポートは,e-class を通じて,その回の授業に関連する問題を出す。次の授業の前日までに取り組み,正しく解答できたかをみる。 
単元テスト  60%  全2回行う(30%×2回=60%)。教科書の自習問題及び章末の演習問題の類題が解けるかが中心となるが,語句問題や式の導出,応用的な問題が出ることもある。 
平常点    授業への取り組み方を評価する。評価の対象としては,「授業への積極的な参加」,「任意レポート」などがある。 

 復習レポート40点 + 単元テスト30点×2回 = 合計100点(±平常点)で評価する。合格者の評価基準は,50点以上とする。ただし,受講者全体の点数が低い時は,合計点に,1以上の適当な係数をかける場合がある。なお,救済措置は設けない。 
 
【授業毎レポート】 
・問題によっては,解答の正誤が表示される。その場合,正解するまで,何度でも解答できる。 
 
【単元テスト】 
・持ち込みは,自筆のメモ(A4 紙1 枚分,裏面使用可)と関数電卓のみ可とする。単元テストでは,学生証を通路側に見えるように置くこと(座席指定を行う可能性がある)。単元テスト中,或いは点数の異議の際に,不正があった場合は,即不可となり,他授業への影響もあり得る。 
・単元テストの次の回に答案の返却と問題の解説があるが,点数の異議は,その回の授業直後まで以外には基本認めない。テストの代理受け取りは認めない。なお,単元テストは,返却後,教員が確認する場合があるので,評価が確定するまでは各自しっかり保管すること。 
・解答は,過程が書けていなければ不正解となる。電卓を使っても,過程は省略しないこと。また,単位なし・単位間違いは2 割程度の減点となる。答えが0 でも単位がある場合はつけること。なお,それ以外の部分点は基本的にはつけない。 
・やむを得ず単元テストを欠席する場合は,原則事前に連絡すること。欠席した学生は,教員(居室SC222)まで単元テストを取りに来て,次回の授業が始まるまでに教員に提出すれば(前日までならメールボックスへの提出も可),単元テストと同一の評価にはならないが,単元レポートとして,評価の対象とする。その際,可能かなぎり,「欠席届とそれを証明するもの」を提出すること。なお,単元レポートは返却しない。 
  
【平常点】 
・任意レポートの内容は,「統計力学の内容を含む論文を探して読み,その要点と感想をまとめる」こととする。論文検索は,Google Scholar やScopus などがある。関連テーマの複数の論文を対象にしても良く,英語論文を含むならばなお良い。

<テキスト/Textbook>

Peter Atkins・Julio de Paula 著,中野元裕・上田貴洋・奥村光隆・北河康隆 訳  『アトキンス物理化学(下)』第10版  (東京化学同人、2017年) ISBN:978-4-8079-0908-7   演習問題のa の解答と,応用問題の一部の解答は東京化学同人のHP にある。また,英語ではあるが,演習問題のa,奇数番号の記述・応用・統合問題についての完全な解法は,参考文献に挙げた書籍で確認することが出来る。その他,インターネット上にも,解答・解法が散見される。なお,演習問題b は,a の類題である。 

 

<参考文献/Reference Book>

Charles Trapp, Marshall Cady, Carmen Giunta  『アトキンス 物理化学 問題の解き方(学生版) 英語版』第10版 (Oxford University Press、2017年)
 

竹内淳  『高校数学でわかるボルツマンの原理-熱力学と統計力学を理解しよう-』(講談社、2008年)
 

John H. Knox 著,中河一朗・新妻成哉・菊地公一・村田重夫・小西史郎 共訳  『分子統計熱力学入門』(東京化学同人、1974年)
 

機能分子・生命化学科 物理化学研究室 編  『統計力学』研究室のホームページにPDF版を掲載している。 
https://www1.doshisha.ac.jp/~bukka/stat.html 
 

 

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