<概要/Course Content Summary>
物理化学Ⅳ・Ⅴでは,分子を構成する原子,原子を構成する電子や原子核の性質に基づいて化学現象を理解するために必要な量子力学の基礎概念を解説するとともに,そのために必要となる工学基礎的な数学および物理について学習する。そのうち物理化学Ⅴでは,量子論に基づいて原子の構成や化学結合の基礎的事項について理解し,必要な数学的取り扱いに習熟することを目標とする。 内容の性質上,数式の取扱いに関する部分が多くなるので,授業だけで内容を理解することは不可能である。予習復習を十分に行って授業に臨んで欲しい。また,内容の理解を深めるために,授業の中で演習課題のレポートを課し,必要に応じて小テストを行なう。 物理化学Vを理解するためには,物理化学Ⅳの他に,高校および大学1年次で学んだ程度の数学と物理をマスターしている必要がある。また,物理化学演習Ⅱは,物理化学Ⅳ・Vの内容に関する演習科目であるので,あわせて受講することが望ましい。物理化学Vは,統計力学を修得するための基礎となる。物理化学Ⅳ・Vは,物理化学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲの内容を直接受け継ぐ科目ではないが,物理化学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲと物理化学Ⅳ・Vの内容の関連は,統計力学で述べられる。 なお,本科目は,「学習・教育目標 A 理工学において基礎となる知識の修得(3)数学および物理学を含む理工学基礎」および「学習・教育目標 B 化学分野における専門知識の修得(1)専門基礎」の両方に含まれるので,物理学および一般化学的な基礎事項を学習するとともに物理化学分野の専門基礎も学習する。
<到達目標/Goals,Aims>
(1)量子化学の基礎を理解するのに必要な微分方程式,線形代数等の基礎的な数学を習熟する。 (2)量子力学に基づいて水素原子の電子軌道について説明できる。 (3)摂動法,変分法等,量子力学で用いられる近似法が取り扱える。 (4)原子の構成について理解できる。 (5)原子価結合法,分子軌道法に基づいて水素分子の結合を説明できる。 (6)二原子分子の分子軌道について説明できる。 (7)共役系の分子軌道について基礎的な説明ができる。
<授業計画/Schedule>
(実施回/ Week)
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(内容/ Contents)
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
1
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(内容/ Contents)
物理化学Ⅳの内容に関する基礎知識の確認
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(授業時間外の学習/ Assignments)
物理化学Ⅳの復習
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(実施回/ Week)
2
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(内容/ Contents)
水素様原子の電子軌道に対するシュレディンガー方程式
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(授業時間外の学習/ Assignments)
テキスト9A章の予習・復習
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(実施回/ Week)
3
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(内容/ Contents)
水素様原子の電子軌道とエネルギー準位
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(授業時間外の学習/ Assignments)
テキスト9A章の予習・復習
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(実施回/ Week)
4
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(内容/ Contents)
水素様原子の電子軌道関数と軌道の性質
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(授業時間外の学習/ Assignments)
テキスト9A章の予習・復習
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(実施回/ Week)
5
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(内容/ Contents)
電子スピンとPauliの原理
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(授業時間外の学習/ Assignments)
テキスト9B章の予習・復習
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(実施回/ Week)
6
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(内容/ Contents)
多電子原子の構造
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(授業時間外の学習/ Assignments)
テキスト9B章の予習・復習
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(実施回/ Week)
7
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(内容/ Contents)
原子スペクトル
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(授業時間外の学習/ Assignments)
テキスト9C章の予習・復習
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(実施回/ Week)
8
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(内容/ Contents)
中間評価
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(授業時間外の学習/ Assignments)
これまでの復習
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(実施回/ Week)
9
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(内容/ Contents)
近似法
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(授業時間外の学習/ Assignments)
配布資料による予習・復習
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(実施回/ Week)
10
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(内容/ Contents)
原子価結合法による分子構造の考察
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(授業時間外の学習/ Assignments)
テキスト10A章の予習・復習
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(実施回/ Week)
11
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(内容/ Contents)
分子軌道法による水素分子イオンの結合
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(授業時間外の学習/ Assignments)
テキスト10B章の予習・復習
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(実施回/ Week)
12
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(内容/ Contents)
分子軌道法による水素分子の結合
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(授業時間外の学習/ Assignments)
テキスト10B章の予習・復習
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(実施回/ Week)
13
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(内容/ Contents)
等核二原子分子
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(授業時間外の学習/ Assignments)
テキスト10C章の予習・復習
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(実施回/ Week)
14
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(内容/ Contents)
異核二原子分子
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(授業時間外の学習/ Assignments)
テキスト10D章の予習・復習
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(実施回/ Week)
15
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(内容/ Contents)
多原子分子
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(授業時間外の学習/ Assignments)
テキスト10E章の予習・復習
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大教室での授業となる可能性が高いので,配布資料を活用した授業をおこなう。また,各回の授業の理解を助けるために,毎回小テストを実施する。また必要に応じてレポートを課す。 上記の計画は目安であり,理解度に応じて進度を調節する。
<成績評価基準/Evaluation Criteria>
期末評価
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80%
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具体的内容に対する理解度をチェックする
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平常点
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20%
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小テスト,中間評価(左記配分は可能な最大値である。詳細は下記コメントを参照すること)
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最終的な理解度が端的に表れる期末評価を重視する。平常点は,各回の小テストの提出状況や得点,中間評価の結果などから総合的に評価する。基本的に期末評価でAからCまで評価を行い,平常点を加味して合格となったものはD評価となる。詳細は過去の授業講評を参考にしてほしい。
<成績評価結果/Results of assessment>
成績評価の見方について/Notes for assessment
登録者数 |
成績評価(%) |
評点 平均値 |
備考
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A |
B |
C |
D |
F |
他 |
85 |
14.1 |
21.2 |
28.2 |
18.8 |
17.6 |
0.0 |
2.0 |
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<テキスト/Textbook>
アトキンス・パウラ 著(中野・上田・奥村・北河 訳) 『物理化学(上)』第10版
(東京化学同人、2017年)
ISBN:978-4-8079-0908-7
物理化学Ⅱ-Ⅴ,統計力学の5科目共通
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過去のテキスト(量子化学・熱統計力学入門(機能分子・生命化学科物理化学研究室 編))はWebにPDFを載せているのでそちらを参照。
<参考文献/Reference Book>
<参照URL/URL>
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