シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2022年度

(火曜日2講時)
面接/Face-to-face

11640030 

△物理化学Ⅳ
Physical Chemistry IV
2単位/Unit  秋学期/Fall  京田辺/Kyotanabe  講義/Lecture

  木村 佳文

<概要/Course Content Summary>

 物理化学ⅣおよびⅤでは,分子を構成する原子,原子を構成する電子や原子核の性質に基づいて化学現象を理解するために必要な量子力学の基礎概念を解説するとともに,そのために必要となる工学基礎的な数学および物理について学習する。そのうち物理化学Ⅳでは,シュレディンガー方程式等の量子力学の基礎的事項を知り,必要な数学的取り扱いに習熟し,それに基づいて分子の並進,回転,振動運動の特性を理解することを目標とする。 
 内容の性質上,数式の取扱いに関する部分が多くなるので,授業だけで内容を理解することは不可能である。予習復習を十分に行って授業に臨んで欲しい。また,内容の理解を深めるために,授業の中で演習課題のレポートを課し,必要に応じて小テストを行なう。 
 物理化学Ⅳは,物理化学Ⅴ,統計力学を修得するための基礎となる。物理化学Ⅳは,物理化学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲの内容を直接受け継ぐ科目ではないが,物理化学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲと物理化学Ⅳ・Ⅴの内容の関連は,統計力学で述べられる。物理化学演習Ⅱは,物理化学Ⅳ・Ⅴの内容に関する演習科目であるので,あわせて受講することが望ましい。 
 なお,本科目は,「学習・教育目標 A 理工学において基礎となる知識の修得(3)数学および物理学を含む理工学基礎」および「学習・教育目標 B 化学分野における専門知識の修得(1)専門基礎」の両方に含まれるので,物理学および一般化学的な基礎事項を学習するとともに物理化学分野の専門基礎も学習する。 

<到達目標/Goals,Aims>

(1)シュレディンガー方程式等の量子力学の基礎的事項が理解できる。 
(2)簡単な微分方程式の解法等の理学・工学に必要な基礎的数学手法を取り扱うことができる。 
(3)量子論に基づいて分子の並進・回転・振動の各運動を計算することができる。 
(4)分子の並進・回転・振動の各運動について量子論と古典論の違いが説明できる。 
(5)分光学に基づいて分子構造を知るための基礎知識が得られる。 

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 力学の復習  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト基本事項の予習・復習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 古典力学の問題点,物質波  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト7Aの予習・復習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) シュレーディンガー方程式とその数学的基礎  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト7Bの予習・復習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 一次元の箱の中の粒子  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト8A1,2の予習・復習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 量子力学の諸原理  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト7Cの予習・復習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 不確定性原理  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト7C,8A1,2の予習・復習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 多次元系,三次元の箱の中の粒子,縮退  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト8A3,4の予習・復習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 中間評価  (授業時間外の学習/ Assignments)  
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 分子の古典的な振動と量子化  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト8B1の予習・復習 
(実施回/ Week) 10  (内容/ Contents) 振動の波動関数  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト8B2の予習・復習 
(実施回/ Week) 11  (内容/ Contents) 平面での回転運動:古典論から量子論へ  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト8C1の予習・復習 
(実施回/ Week) 12  (内容/ Contents) 平面の回転運動の量子化  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト8C1の予習・復習 
(実施回/ Week) 13  (内容/ Contents) 3次元空間での回転運動と角運動量  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト8C2の予習・復習 
(実施回/ Week) 14  (内容/ Contents) 球面調和関数と空間量子化  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト8C2の予習・復習 
(実施回/ Week) 15  (内容/ Contents) 分子分光学への応用  (授業時間外の学習/ Assignments) 配布資料の予習・復習 

授業形式としては,コロナ対応をとった授業教室での対面授業とする。中間評価,期末評価も対面で行う予定である。また,上記の計画は目安であり,理解度に応じて進度を調節する。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

期末評価  70%  具体的内容に対する理解度をチェックする 
平常評価  30%  授業への積極性,小テストおよび中間試験などの評価 

基本的には総合的な理解度を確認する期末評価の成績を重視するが,中間評価ならびに平常点と期末試評価の割合を今年度より変更する。詳細は第一回の授業で伝える。

 

<成績評価結果/Results of assessment>   成績評価の見方について/Notes for assessment

    

登録者数

成績評価(%)

評点
平均値

備考

A B C D F
93 6.5 12.9 17.2 35.5 28.0 0.0 1.3

<テキスト/Textbook>

アトキンス 著(千原・中村訳)  『物理化学(上)』第10版  (東京化学同人、2017年) ISBN:978-4-8079-0908-7  物理化学I-V,統計力学の6科目共通 

 

授業はアトキンスの教科書の定義および流れにそって行うが,別の参考書を持っている学生はそちらを参考に理解を深めてもらってもよい。

<参考文献/Reference Book>

マッカーリ・サイモン 著(千原・江口・斉藤 訳)  『物理化学(上・下)』(東京化学同人、1999年)
 

エンゲル・リード著(稲葉 章訳)  『物理化学(上・下)』(東京化学同人、2015年)
 

機能分子・生命化学科物理化学研究室 編  『量子化学・熱統計力学入門』(2016年)研究室のホームページにPDF版を掲載している。 
 

<参照URL/URL>

https://www1.doshisha.ac.jp/~bukka/qc.html 
 
 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
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