シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2021年度

(火曜日3講時)

10523521-001 

○ファイナンシャル・プランナー基礎-1
Financial Planning, Introductory course-1
2単位/Unit  春学期/Spring  今出川/Imadegawa  講義/Lecture ネット配信授業/Online(e-learning)

  嶋 敬介

<概要/Course Content Summary>

ファイナンシャル・プランニングとは個人の家族構成や,収入,貯蓄の種類・保険,借入状況の加入状況等の情報をもとに,個人のライフイベントに合わせた計画を作成し,状況に応じて専門家の協力を得ながら,その実行の援助やライフプランに関する客観的で総合的なアドバイスを行うことである。パーソナル・ファイナンスの考え方を基に,特定の分野に特化した知識ではなく,幅広い知識が求められると共に,相談者のプライバシーに関わる情報に携わることから,カウンセリング・マインド及び高い職業的倫理観と自覚が求められる。  
本講義では FP の定義をはじめ,FP の歴史と現状,FP の役割と社会的責任,FP の諸規定,FP の将来像,FP の全体とプロセス,FP の諸領域,FP 協会の役割,世界の中での FP,FP の実務等についての基礎的な知識を学ぶと共にその全体像を俯瞰する。  
 また,顧客にとって FP はどのような存在であり,その存在であるためにはどのように努力すべきなのか。FP の実務を行っていくビジネスとはどのようなものなのか,FP 実務・ビジネスについても触れていく。 
 講義では,FP応用の基礎とすべく,応用で詳細を学ぶ6項目について一通りのベースを学習する。なお,FPが単に知識を提供するのではなく,顧客との信頼関係の形成を重視することから,カウンセリングを始めとする顧客との信頼関係形成の方法についても事例を交えて紹介する。 
担当講師は,FP黎明期に日本FP協会の設立に携わり,常務理事等を歴任し,現在も同協会の理事を務めている。20代でFP会社を起業し,現在は東京・大阪・米国にも支店を設け,FP及びライフプランニングの普及に努めている。 
最近では若年層の金融リテラシー向上のための書籍や金融機関向けアプリを開発し,銀行・証券・生保・不動産会社等に提供するなど,精力的に展開を続けており,実務経験を生かした実践的内容も授業の中に織り込まれている。 
 
<付記> 
・今回の新型コロナウイルスの影響で,皆さんも今迄の日常とは異なる諸々の困難な状況に接していることと推察しますが,当講義においても対面授業ではなく,Web によるストリーミング配信となります。 
・ストリーミング配信講義中,「2度の質問」又は「キーワードを発表」します。全てテキストに記載されている内容についての質問(又はキーワード)です。講義でテキストの内容を説明しますので,講義を聞いていれば答えられる質問(又はキーワード)です。当該質問への回答(又はキーワード)をDUETメールで送信することで,出席としてカウントします 
・試験についてはレポートによる課題を 2 題出題します。 
・出席点を 55 点,レポートを 45 点で採点します。 
 
以上,通常の講義で皆さんとお会いできないのは残念ですが,テキストと共に講義を注意深く聞くことによって,ライフプラン全体の流れを知ると同時に,各々のライフイベントの要素や仕組みを理解することができます。と同時に,これらの知識は今後のみなさんの人生にとって必ず役に立つ知識・情報となりますので,しっかり学んでいただくよう期待しています。 

<到達目標/Goals,Aims>

最小経済主体である“家計”と経済の関係を理解すると共に,今後の社会生活における個々のライフイベントとのつながりを事前に考えておく事によって,将来の目標設定,資金計画,行動計画が可能となる。昨今,特に 2,000 万円問題でも顕著になった高齢化に伴う老後資金計画の重要性が増していることに鑑み,キャッシュフロー表作成に必要な知識の取得および情報収集の方法について学習する。 
 また,自身の目標をよりフォーカスさせるための種々の技法や,情報の中から自らのライフイベントに基づくキャッシュフローの作成の第一歩としての知識を身につける事を目標とし,その後の応用,実践につなげるための基礎力の醸成をはかる。 

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week)   (内容/ Contents) ファイナンシャル・プランニング基礎  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習1時間 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) FPとは何か~FPの全体像とプロセス  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習1時間 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) パーソナル・ファイナンスを考える  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習1時間 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) ライフプランニングとFPに必要な知識  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習1時間 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) リタイア後の生活と社会保障  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習1時間 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 生命保険の基礎知識  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習1時間 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 損害保険とリスクマネジメントの基本  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習1時間 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) FPのための金融・経済の見方  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習1時間 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 金融商品とマネーポートフォリオ  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習1時間 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) FPと税務(所得税)  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習1時間 
(実施回/ Week) 10  (内容/ Contents) FPと税務(住民税その他)  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習1時間 
(実施回/ Week) 11  (内容/ Contents) 不動産の基礎と法令上の制限  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習1時間 
(実施回/ Week) 12  (内容/ Contents) 不動産税務と有効活用  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習1時間 
(実施回/ Week) 13  (内容/ Contents) 相続の基礎  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習1時間 
(実施回/ Week) 14  (内容/ Contents) 相続税の概要と申告・納付  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習1時間 
(実施回/ Week) 15  (内容/ Contents) 贈与の法律と税金  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習1時間 

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点(出席)  55%   
レポート  45%   

・出席を重視する。全体の70%に出席が満たない場合は,AFP認定研修による受験資格を満たさないので注意すること。  
・「ファイナンシャル・プランナー基礎」のレポートは,講義の中でふれたFP事例に関する課題について作成する。

 

<成績評価結果/Results of assessment>   成績評価の見方について/Notes for assessment

    

登録者数

成績評価(%)

評点
平均値

備考

A B C D F
382 40.1 33.5 14.4 2.9 9.2 0.0 2.9

<テキスト/Textbook>

  ・使用するテキスト,年度版等については別途掲示するので注意すること。 

 

 

 

 

 

<備考/Remarks>

・ネット配信授業(Web によるストリーミング配信) 
概要で述べた通り,ファイナンシャル・プランニングは単に学問的知識の習得だけが求められているのではない。ケース・スタディを随時取り入れて講義を進めるため,講義に参加する学生には日々ファイナンシャル・プランニングに関する情報を自ら追い求めていく姿勢が不可欠であり,金融・経済・法律・不動産・税金・保険等,生活に密着するテーマについては主体的に勉強することが必須となる。金融商品取引法施行等による既存の枠を超えた金融ビジネスが広まる現代社会では,不必要な情報を遮断し,必要な情報を取捨選択できる力が要求される。本講義はまさにその基本的な取り組みが学べる講義として位置づけられる。なお,本講義は専門のファイナンシャル・プランナーがゲストスピーカーとしてオムニバス形式で講義する。 
 取得できる資格としては,職業能力開発促進法に基づく技能検定制度に「ファイナンシャル・プランニング」(以下「FP技能検定」と略)があり,その合格者には「ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)」(以下「FP 技能士」と略)の称号が付与される。我が国最大の NPO 法人である日本ファイナンシャル・プランナーズ協会(以下「日本 FP 協会」と略)は同職種の指定試験機関として指定を受け,日本 FP 協会の FP 資格認定において,ライセンス認定基準である4 E(教育・試験・経験・倫理)の中の「試験(Examination)」部分が国家検定として位置づけられている。  
 本講義は AFP 認定研修に該当し,「提案書の作成」に合格することで日本 FP 協会の「AFP(AFFILIATED FINANCIALPLANNER)認定研修」の修了とみなされる。修了者には出願時に必要な「FP 普通資格研修修了証明書」が発行されて2級FP 技能検定試験(兼 AFP 資格審査試験)(以下「本試験」と略)を受験することができる(受験資格の付与)。またこの資格は後述する FP の国際資格である CFP®(CERTIFIED FINANCIAL PLANNER®)の登竜門でもある。  
 本試験の学科及び実技両試験合格で取得できるのは「2級 FP 技能士」資格であり,AFP 資格を取得するためには日本 FP協会へ所定の登録手続きを行い,AFP 会員として登録されなければならない。本試験に合格しただけでは AFP 認定者とはならないことに注意されたい。  
 なお,学生が登録する場合,「学生免除・割引制度」を利用できる。これは日本 FP 協会が一般会員または資格認定会員(AFP 認定者・CFP®認定者)として協会への入会を認めた場合に①入会金の免除,②初年度年会費の減額(1/2),とする制度で,登録を希望する学生は利用することを勧める。特に金融機関へ就職を希望する者の登録は必須に近く,また,将来 CFP®資格の取得を検討する者は AFP 登録が必須であることから尚更である。 
 ファイナンシャル・プランナー関連科目は「ファイナンシャル・プランナー基礎」→「ファイナンシャル・プランナー応用1」,「ファイナンシャル・プランナー応用2」→「ファイナンシャル・プランナー実践」のグレード制を採っている。パーソナル・ファイナンスの基本コンセプトを明確にし,判断と意思決定に必要な基本的概念・スタンダード(基準)と位置づけられるのが「ファイナンシャル・プランナー基礎」である。従ってまずこの講義の修得が第一歩であり,応用・実践を先に修得することは認められない。なお,「ファイナンシャル・プランナー応用1」,「ファイナンシャル・プランナー応用2」の受講を希望する場合は「ファイナンシャル・プランナー基礎」を,「ファイナンシャル・プランナー実践」の受講を希望する場合は「ファイナンシャル・プランナー応用1」,「ファイナンシャル・プランナー応用2」を履修見込みであることが条件である。  
 登録にあたっては「ファイナンシャル・プランナー応用1」,「ファイナンシャル・プランナー応用2」,「ファイナンシャル・プランナー実践」の3科目をセットで先行日程登録すること。但し,「ファイナンシャル・プランナー応用1」,「ファイナンシャル・プランナー応用2」を単位取得できなかった場合,「ファイナンシャル・プランナー実践」を履修することはできない。  
 また,ファイナンシャル・プランナーの講義については,多岐にわたる内容を網羅的に学習すると共に更なる基本的知識の浸透をはかるため,別途,試験対策レベルである「パーソナル・ファイナンス講座(兼 FP 技能士3級資格試験対策講座)を設定する。内容,実施については商学部資格試験講座を参照すること。 
 

 

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