シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2021年度

(金曜日5講時)

10403110 

△国際マクロ経済学
International Macroeconomics
2単位/Unit  秋学期/Fall  今出川/Imadegawa  講義/Lecture ネット配信授業/Online(e-learning)

  田中 靖人

<概要/Course Content Summary>

まず,この授業および「国際経済」は理論的な内容が中心であることをご承知いただきたい。グローバル化経済における多国籍企業の展開,諸外国とのFTA,EPA,TPP交渉における日本政府の戦略,中国経済の発展と日本企業の進むべき道,などの問題は他の所で学んでいただきたい。理論とは言っても初級ミクロ経済学I,II,初級マクロ経済学I,IIの基本的な部分を理解していれば十分である。 
 
わが国は昔から「加工貿易国」と言われてきたように狭い国土に多くの人が住み,しかも資源をあまり持たず主に工業製品を輸出して鉱物資源や農作物を輸入するという貿易によって今日の経済的繁栄を築いてきた。また最近のガットやWTO,TPPでの貿易交渉に見られるように,諸外国から農業その他の分野で一層の市場開放を迫られている。このようにわが国経済はますます国際関係を抜きにしては考えられなくなってきている。 
 
国際経済学は国際貿易論と国際金融論からなる。国際貿易論ではどのような国がなぜいかなる財を輸出し輸入するのか,貿易によって誰がどのような利益を得るのか,関税などの貿易政策はどのような効果を持つか,などの問題を考える。一方国際金融論では,国際収支とその不均衡の調整,為替レートの決定と変動,国際的な金融制度,国際経済におけるマクロ経済政策(金融・財政政策)の効果などの問題が取り扱われる。 
 
この授業「国際マクロ経済学」では国際金融論の内,国際収支,為替レート,マクロ経済政策などいわゆる国際マクロ経済学の基本的な部分を中心に解説する。「国際経済」では国際貿易論の問題を扱う。なるべく数式は使わず図を用いて解説するように努める(一部単純な計算がある)。「初級マクロ経済学I,II」(国民所得の定義,乗数,IS-LM分析など)の知識を用いるが,必要に応じて復習する。 
 
「国際経済」と「国際マクロ経済学」は,用いるテキストは共通である。なお例年「国際経済」(以前の国際経済1)と「国際マクロ経済学」(以前の国際経済2)の受講者の数には大きな差があるが,科目のレベルや難易度に差はない。分野が違うだけである。

<到達目標/Goals,Aims>

マーシャル・ラーナー条件,財政政策・金融政策のIS-LM分析(図および初歩的な計算による分析)などの内容を十分に理解する。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 国際収支 - 経常収支  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト1章1-4節 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 国際収支 - 金融収支  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト1章4,5節 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 変動相場制と為替レート  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト1章6節 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) マーシャル・ラーナー条件  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト1章6節 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 資本移動のメカニズム  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト1章6節 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 開放経済における乗数  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト1章7節 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 開放経済のIS-LM分析 (変動相場制)  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト1章8節 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 二国モデル,資本移動の不完全性とBP曲線  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト1章9,10節 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 資本移動が不完全な場合のIS-LM-BP分析  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト1章10節 
(実施回/ Week) 10  (内容/ Contents) 開放経済のIS-LM分析 (固定相場制),流動性のわな  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト1章11,12節 
(実施回/ Week) 11  (内容/ Contents) 購買力平価,オーバーシューティングモデル  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト1章13-15節 
(実施回/ Week) 12  (内容/ Contents) 国民所得と為替レートによるIS-LM分析,など  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト1章16-18節 
(実施回/ Week) 13  (内容/ Contents) 簡単な計算による分析  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト1章19-22節 
(実施回/ Week) 14  (内容/ Contents) 授業内評価  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト1章全体 
(実施回/ Week) 15  (内容/ Contents) 総括  (授業時間外の学習/ Assignments) テキスト1章全体 

資料提示型によるネット配信授業の予定。テキストがあるので,DUETにおいて十数回に分けてテキストの該当ページを指示しながらその内容の要点を解説するファイル(pdfによる文字中心のプレゼンファイル)を掲載する。図や数式はテキストを見ていただく。週1回ペースになるとは限らないので注意してDUETを見ていただきたい。 
 
12月ころになると思うが,1回か2回微分を用いて財政政策・金融政策を分析する内容で Zoom による授業の録画を提供することを計画している。実際にどのように実施するかは DUET に書く。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

筆記試験  100%  図と基本的な計算を使った説明,および正確な言葉の理解。 

筆記試験は記述式の予定である。追試験の受験資格は事務室のルールに従う。 
 
ネット配信授業になっても試験は筆記試験を行う予定である。

 

<成績評価結果/Results of assessment>   成績評価の見方について/Notes for assessment

    

登録者数

成績評価(%)

評点
平均値

備考

A B C D F
99 7.1 6.1 5.1 47.5 34.3 0.0 1.0 *

<テキスト/Textbook>

  拙著「国際経済学」(同志社生協書籍部で販売)を使用する。「国際経済」と「国際マクロ経済学」のテキストは共通である。「国際マクロ経済学」では第1章を扱い,巻末(第7章)の補遺も用いる。 

 

印刷したテキストを購入していただきたいが,テキスト全体のpdfファイルをWebdiskと同志社大学オープンコースウェアで公開する。Webdiskのurlなど詳しくはDUETに書く。

<参考文献/Reference Book>

テキストに記載している。

<備考/Remarks>

授業形態:ネット配信授業(資料提示型)。上に書いたように1回か2回 Zoom による録画の提供による授業を行う可能性がある。DUETを見ていていただきたい。 

 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
Copyright(C) 2021 Doshisha University All Rights Reserved. 無断転載を禁止します。