<概要/Course Content Summary>
考古学は,物質文化を手がかりにして,過去の社会・文化・人間活動を考察する学問である。その主な研究素材は,発掘調査などで検出された遺構や出土した遺物である。これらは,形態・出土状況・特徴を正確に記録し,共有できる状態にしてはじめて,研究に利用できる。言いかえれば,「資料化」されないデータは存在しないに等しい。 研究に不可欠な記録化・共有化には,遺構・遺物に関する実測図作成・写真撮影・説明や分析・調査報告書出版などのプロセスが必要になる。今出川キャンパス周辺には相国寺などに中・近世建物基壇などが保存され,文学部考古学資料室や歴史資料館には各種の出土品が収蔵されている。一方京田辺キャンパスには田辺天神山遺跡(府指定)や下司古墳群等の貴重な遺跡が残されている。本科目では,これらを利用して,考古データの資料化に必要な基礎作業を実体験し,その成果を各自が報告書の一部としてまとめる。作業を通じて,各種の方法の長所・短所や,「記録資料」のもつ特質を体験し,考古学的情報を読み解き,批判する能力を磨くことが本科目の目的である。
<到達目標/Goals,Aims>
遺構・遺物の実測図作成などを通じて,受講者が考古資料の観察方法の基礎を理解できるようにし,秋学期授業の遺物編と合わせて,考古資料に関する学術的観察記録を作成し,歴史資料の記述方法を習得する。
<授業計画/Schedule>
(実施回/ Week)
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(内容/ Contents)
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
(春学期)
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(実施回/ Week)
1
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(内容/ Contents)
考古学的調査の基本(講義)
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(授業時間外の学習/ Assignments)
予習・復習
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(実施回/ Week)
2~5
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(内容/ Contents)
遺構図作成実習・・・レベル移動・平板遺構測量(田辺天神山遺跡)5月8日(土)9時から16時55分までの1日作業とする。
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(授業時間外の学習/ Assignments)
図版製図と関連文献の調査
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(実施回/ Week)
6~9
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(内容/ Contents)
遺構図作成実習・・・平板遺構測量(田辺天神山遺跡)・石室実測(下司古墳群) 6月5日(土)9時から16時55分までの1日作業とする。
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(授業時間外の学習/ Assignments)
図版製図と関連文献の調査
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(実施回/ Week)
10~13
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(内容/ Contents)
実測作業遺構実測図作成・・・石室実測(下司古墳群) 7月3日(土)9時から16時55分までの1日作業とする。
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(授業時間外の学習/ Assignments)
図版製図と関連文献の調査
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(実施回/ Week)
14・15
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(内容/ Contents)
報告書の見方と作成(講義)
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(授業時間外の学習/ Assignments)
報告書を実際に手にとってみる
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※天候・実習進捗状況などにより予定を変更することがある。
<成績評価基準/Evaluation Criteria>
平常点(出席,クラス参加,グループ作業の成果等)
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60%
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出席率と実習作業に取り組む姿勢
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期末レポート試験・論文
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20%
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学術情報として十分な考古資料の遺構部分の報告書作成ができているか
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提出物
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20%
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授業時に作成した実測図面の製図内容
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特記事項
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実習科目であるため,出席数の少ない受講者は,評価不能である。また,受講生各自に500円程度の実習用具費の負担がある。
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<備考/Remarks>
対面授業で行う。 4月16日・23日・5月7日・14日・21日・28日・6月4日・11日・18日・25日・7月2日・9日の授業は行わず,その授業時間を5月8日(土)・6月5日(土)・7月3日(土)の3日,京田辺キャンパスでの実習作業にあてる。
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