<概要/Course Content Summary>
本講義は基本的に中国語で行うので,相当な中国語による聴解力及び議論の能力が要求されます。 目の前にある一輪の花を見るにも,眼球という視覚を経由しないとできない。鳥の鳴き声や電車の案内放送を聞くにも聴覚を経由しないとできない。また,「こんにちは」と人に挨拶するにも,口振りや手振りといった体の仕草を経由しないとできない。炊きたての白飯を味わうにも,味覚を経由しないと味が分からない。通常ではこれらの感覚を一括して知覚という。つまり,われわれの生活の隅々に知覚が関わっているといえる。しかし,もしわれわれのこの生きる隅々から剥き取ることのできない知覚に事実誤認が起きれば,生きる営みの様々な場面で誤解を生じる可能性を否めない。本講義は知覚(特に視覚)にまつわる様々な問題を議論しながら,知覚問題の世界的第一人者である大森荘蔵の哲学と共に,「見ることとは何か」「心とは何か」「私とは何か」「言葉と言葉の意味」「世界とは何か」などの問題を考えて行く。そこにみるアジア哲学の基礎である一元論を確認して置く。
<到達目標/Goals,Aims>
普段われわれは何気なく用いる言葉や世界への認識に疑い,問題を見つけ出し,そして,それを論理的に議論し,考え抜いていく。それによって授業参加者が自分自身の今までの経験を見つめ直し,誤解を正し,より確実性のある経験的な知識を身につけるようになる。
<授業計画/Schedule>
(実施回/ Week)
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(内容/ Contents)
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
1
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(内容/ Contents)
ガイダンス・序論
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(授業時間外の学習/ Assignments)
知覚についての自分の考え方をあらかじめ用意しておくこと
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(実施回/ Week)
2
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(内容/ Contents)
大森哲学概説Ⅰ
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(授業時間外の学習/ Assignments)
予習
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(実施回/ Week)
3
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(内容/ Contents)
大森哲学概説Ⅱ
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(授業時間外の学習/ Assignments)
予習
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(実施回/ Week)
4
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(内容/ Contents)
夢まぼろし
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(授業時間外の学習/ Assignments)
予習
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(実施回/ Week)
5
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(内容/ Contents)
確率と人生
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(授業時間外の学習/ Assignments)
予習
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(実施回/ Week)
6
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(内容/ Contents)
記憶について
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(授業時間外の学習/ Assignments)
予習
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(実施回/ Week)
7
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(内容/ Contents)
真実の百面相
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(授業時間外の学習/ Assignments)
予習
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(実施回/ Week)
8
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(内容/ Contents)
「論理的」ということ
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(授業時間外の学習/ Assignments)
予習
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(実施回/ Week)
9
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(内容/ Contents)
音がする
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(授業時間外の学習/ Assignments)
予習
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(実施回/ Week)
10
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(内容/ Contents)
見るー考える
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(授業時間外の学習/ Assignments)
予習
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(実施回/ Week)
11
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(内容/ Contents)
同じもの,同じこと
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(授業時間外の学習/ Assignments)
予習
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(実施回/ Week)
12
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(内容/ Contents)
心の中
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(授業時間外の学習/ Assignments)
予習
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(実施回/ Week)
13
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(内容/ Contents)
世界の眺め(一)
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(授業時間外の学習/ Assignments)
予習
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(実施回/ Week)
14
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(内容/ Contents)
世界の眺め(二)
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(授業時間外の学習/ Assignments)
予習
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(実施回/ Week)
15
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(内容/ Contents)
対話の言葉 文字の言葉 インターネットの言葉
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(授業時間外の学習/ Assignments)
総復習
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受講者の中国語学力や議論の進む具合などで,授業計画が多少の変動もあり得る。
<成績評価基準/Evaluation Criteria>
平常点(出席,クラス参加,グループ作業の成果等)
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50%
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十分な予習及び議論に積極的に参加すること。
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期末レポート試験・論文
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50%
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論点の明晰や,議論の徹底など
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本授業は出席することは当然なことであり,この意味において出席点が存在しない。予習や授業参加の積極度を評価の対象とする。
<テキスト/Textbook>
授業中,隨宜配布する。
<参考文献/Reference Book>
参考文献については,授業中に指示する。
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