シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


99003081-052 

△日本の教育-52
Education in Japan-52
2単位/Unit  秋学期/Fall  今出川/Imadegawa  講義/Lecture

  光川 康雄/MITSUKAWA Yasuo

<概要/Course Content Summary>

日本における教育および教育文化(日本人をつくってきた教育)の歴史を通して,「日本的なるもの」たとえば人間関係や行動様式の特質などを考察していく。 
講義と質問,発表報告と討議などによって講義を構成する予定。 
受講生の皆さんからの講義中の積極的な発言,講義内容への提案などもおおいに期待している。 
資料提示型になります。講義の前後に教科書を熟読してください。また,たくさん参考文献をあげます。読書好きで知的好奇心を持っていることが望ましい。たくさんの教育学関係の本を読んでください。

<到達目標/Goals,Aims>

日本の教育についての基礎知識を身につけることができる。 
学びの神聖さを認識することができる。 
自分の国の教育と日本の教育との対比をおこなって,それぞれの良い点を一つでも多くつかめるようになる。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) (内容/ Contents) イントロダクションー日本の教育を学ぶにあたって 
自己紹介 
(授業時間外の学習/ Assignments) 日本の教育について,知っている知識の確認および,自分の教育(学校)歴との比較・検討 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 現在日本の教育の問題点-「教育基本法」と進学(経済)格差  (授業時間外の学習/ Assignments) 現在の日本の教育がかかえている問題を認識すると共に,関連する『本』を探す 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 同志社(英学校~大学)の教育- “知育・徳育・体育”と新島襄 ―DVD鑑賞など  (授業時間外の学習/ Assignments) 新島襄の一生と同志社の歴史を学び,同志社の教育および教育方針についての理解を深める 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 日本の教育の歴史-時代区分と文化の担い手(文化交流と「文字学び」および教育文化遺産など)  (授業時間外の学習/ Assignments) 日本の教育を歴史的に概観して,その特徴を把握するように努める 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 古代における貴族の教育-男子の大学と女子の家庭教育(聖徳太子や『源氏物語』『小倉百人一首』) ―DVD鑑賞など  (授業時間外の学習/ Assignments) 古代貴族らの「学び」についての知識を深めるように努める 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 中世における武士の教育と芸能-“武者の習ひ”と武芸・芸能教育(『風姿花伝』および世俗教育など)  (授業時間外の学習/ Assignments) 中世におけるさまざまな教育の広がりに関する『本』を探す 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 近世における儒学-武士の教育機関・藩校(為政者としてのエリート教育および家訓・遺訓など) ―DVD鑑賞など  (授業時間外の学習/ Assignments) 武士の「学び」について,知っている知識を確認すると共に,その特徴を考える 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 近世後期における新しい学問-さまざまな人々が学んだ蘭学や国学の私塾(師弟関係と私塾など)  (授業時間外の学習/ Assignments) 前近代の教育をまとめると共に,近代に移行する時,何が必要となったかを考察する 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 近世後期などにおける寺子屋-庶民が学んだ“読み・書き・計算(そろばん)”(近代化の萌芽など)  (授業時間外の学習/ Assignments) 庶民の「学び」の姿勢と近代教育についての『本』を探す 
(実施回/ Week) 10  (内容/ Contents) 近代初期における公教育“小学校” -文明開化と国民皆学~義務教育 (掛け図,唱歌など)  (授業時間外の学習/ Assignments) 近代学校教育と当時の日本政府の密接な関係について,年表を作って考えてみる 
(実施回/ Week) 11  (内容/ Contents) 近代における教科書-検定から国定へ(記述内容の変化と人物中心の歴史教育・歴代天皇,国漢地歴など)  (授業時間外の学習/ Assignments) 教科書を暗記させるために教えた教育と教科書の内容について,現在の教育との違いを考える 
(実施回/ Week) 12  (内容/ Contents) 「教育勅語」と帝国主義・軍国主義から戦後の自由主義教育へ(「社会科」,天皇観の推移,実学など)  (授業時間外の学習/ Assignments) 政治が介入した教育方針と独裁的な国家の主張との関係についての『本』を探す 
(実施回/ Week) 13  (内容/ Contents) 戦後の教育と経済-GHQによる五大改革指令と民主化(産業界の要請と人材,学園闘争,大学入試と予備校など)  (授業時間外の学習/ Assignments) 戦後の民主化による教育の出発点についての基礎知識を再認識する 
(実施回/ Week) 14  (内容/ Contents) 現代日本の教育に関する時事問題  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義の中でとりあげたテーマから,興味・関心のあったものについての『本』を探し,読む 
(実施回/ Week) 15  (内容/ Contents) 総括討論と質疑応答  (授業時間外の学習/ Assignments) 期末レポートの作成 

教育の時事問題など,受講生諸君の要望があれば随時取り入れていくこともやぶさかではない。受講生の語学力や日本教育についての理解度に応じて,一部のテーマを変更する場合もあるかもしれない。また,受講生の要望があれば,1つのテーマを2~3回にわたって取り扱うこともあるかもしれない。どしどし提案してほしい。 
受講生の登録人数の増減によっては,講義テーマの一部を前後させることもあるかもしれない。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点  10%  授業に出席して,質問や応答・発表や討論への積極的な発言と講義中の感想文などの課題をもとめ,総合的に評価します。 
期末レポート試験  50%  発表や授業内容全般に関するレポートの提出をもとめます。詳細は,最終講義時に指示します。 
中間レポート試験  40%  授業内容全般に関するレポートの提出をもとめる。 

クラスの雰囲気を明るくなごませてくれるような発言や行動などについても,平常点の中で積極的に評価していきたい。質問はおおいに歓迎する。ただし,遅刻や早退などは,欠席に準じて扱うので注意して欲しい。教室の最前列に座ることもクラスの雰囲気づくりには大切で,高く評価します。

<テキスト/Textbook>

 

 

光川 康雄・中川 吉晴・井上 智義 著  『教育の原理-歴史・哲学・心理からのアプローチ-』 (樹村房、2016) 第1回目の講義までに,教科書(光川康雄執筆分のパート1など)を熟読しておいてください。教科書の理解が,学習のまず第一歩になります。あわせて,国語辞典などでわからない用語を調べていきましょう。 

 

講義の前までに,必ずテキストを読んでおきましょう。そして,1(p12~p57)などの中から,興味や関心のあるテーマを探しておきましょう。

<参考文献/Reference Book>

沖田 行司 著  『日本国民をつくった教育』(ミネルヴァ書房、2017)
 

沖田 行司 著  『藩校・私塾の思想と教育』(日本武道館、2012)
 

山田 恵吾 編著  『日本の教育文化史を学ぶ-時代・生活・学校-』(ミネルヴァ書房、2014)
 

笠井 昌昭ら編  『日本思想史辞典』(山川出版社、2009)光川らが執筆 
 

沖田 行司編  『人物で見る日本の教育 第2版』第2版 (ミネルヴァ書房、2015)
 

沖田 行司編  『同志社の思想家たち(下巻)』(晃洋書房、2019)光川らが執筆 
 

まずは1冊でも読み始めましょう。数ページだけでも構いません。それによって講義の理解度が,ぐんと高まりますよ。日本語の勉強にも役立ちます。日本語の文献に慣れてください。

<備考/Remarks>

講義(レクチャー)だけでなく,時には受講者の発表報告(プレゼンテーション)や質問,さらに討論(ディスカッション)などによって授業を構成していく予定です。なお,登録人数の多少や登録者の要望によって講義内容の一部を変更する場合もあります。 
講義時間の前後,週末などを利用して,以下の文化施設への見学も予定しています。京都国立博物館,京都市学校博物館,適塾,京都御所(京都御苑)などの中から一つくらいを考えています。2~13の内,1回で完結しなかったテーマを2週にまたがってとりあげ,さらに内容を深めていく場合もあるかもしれません。 

 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
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