シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


99002010 

△上級日本語文法概説B
Advanced Japanese Grammar Overview B
1単位/Unit  秋学期/Fall  今出川/Imadegawa  講義/Lecture

  佐尾 ちとせ/SAO Chitose

<概要/Course Content Summary>

キーワード:機能語function word 文型・パターンsentence pattern 
旧日本語能力試験出題基準1級レベルの機能語を中心に,上級学習者が身につけておくべき機能表現について解説を行う。科目名は「文法概説」であるが,日本語学習者に国文法の解説をしても,実際の運用にはほとんど役立たないので,機能語を用いる典型的な文型を提示し,意味ではなく,「文型」=1つのパターンとして,丸ごと覚えていけるようにする。 
後期は,機能表現の実際使用例から,その用法を学習していく。最初は,歌詞やCMに用いられている表現,次に,大概の日本人は一読しているが,留学生は手に取ることの少ないであろう近代文学に用いられている表現を取り上げる。また,日本滞在中,あるいは帰国後に,日本語で大きなレポートを提出するというような学生が多いことを見越して,平明な表現の用いられている文章を高度な表現を用いて書き換えたり,日常的な話題を上級機能表現を用いて書き改める練習を行う。

<到達目標/Goals,Aims>

・上級レベルの機能語の意味に習熟し,それらの正しい運用方法を身につける。 
・会話の相手や文章の読み手の立場,公式非公式といった使用場面など,コンテクストを正しく理解し,あるいは先を予測して,適切な機能語を選択できるようになる。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 授業ガイダンス 
意外と身近にある上級表現 
(授業時間外の学習/ Assignments) ・学習した文型を使用した例文作成 
・学習した文型の実際使用例の収集 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) J-popに登場する機能表現 
「あっての」「んばかり」「そばから」等 
(授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) J-popに登場する機能表現 続き  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 近代文学に登場する機能表現  
 漱石「ばかり」「もって」等 
 鷗外「禁じ得ない」等  
 芥川「始末」ともなく」等 
(授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 近代文学に登場する機能表現 続き 
  
(授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 広告やコマーシャルの中に登場する機能表現   
「ながらにして」「ならでは」「ことなく」「なりに」等   
(授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 広告やコマーシャルの中に登場する機能表現 続き  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 報道文に登場する機能表現 
「よそに」「かねない」「余儀なくされる」等 
(授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 報道文に登場する機能表現 続き  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 10  (内容/ Contents) 書き換え・運用練習1  
友人に宛てたメールを恩師に宛てた手紙に書き換える 
(授業時間外の学習/ Assignments) 書き換えの完成 
(実施回/ Week) 11  (内容/ Contents) 書き換え・運用練習1 続き  
 
(授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 12  (内容/ Contents) 書き換え・運用練習1 続き  
 
(授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 13  (内容/ Contents) 書き換え・運用練習2  
個人的な日記を公式な報告書,新聞記事に書き換える 
(授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 14  (内容/ Contents) 書き換え・運用練習2 続き  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 15  (内容/ Contents) 学習した機能表現の総合的な復習テスト  (授業時間外の学習/ Assignments) 未習熟の機能表現について,自分なりに例文を作成し,用法を確認する。 

受講者と相談の上で,授業計画を変更する可能性がある。春学期と扱う内容は一部重なるが,春は文法項目の解説をした上で,それらが用いられている用例に当たるという方向性で授業を進め,秋学期は実際に上級文法が用いられている例を紹介した上で,それらの解説を行うという方向性で進める。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点(出席,クラス参加,グループ作業の成果等)  20%  学習した機能表現を用いた短文作成。 
学習した機能語の実際使用例を探す。 
詳細は授業時に説明。 
中間レポート試験  40%  レポートといっても,テーマを与えてそれについて論述するというものではない。 
学習した機能表現を複数用いた作文。 
学習した機能表現の含まれている誤文訂正。 
 
期末レポート試験  40%  レポートといっても,テーマを与えてそれについて論述するというものではない。 
会話を叙述文に直す,自分のメモを公的な報告書に直すといった文体変換。 

文法の授業であるので,日本語として正確であることを第一に評価する。ただし,正確であっても,上級レベルの表現を用いることなく無難に初中級レベルの日本語で済ませているような場合は高い評価はつけられない。

<テキスト/Textbook>

佐尾ちとせ  『上級機能語概説』

 

初回授業時に配布。e-class・teams内にデジタルコンテンツを掲載。

<参考文献/Reference Book>

安藤節子他  『自動詞・他動詞,使役,受身-日本語文法演習-ボイス-』初版 (スリーエーネットワーク、2001)ISBN:4883191923 
 

中西久実子他  『「は」と「が」,複合核助詞,とりたて助詞など-日本語文法演習-助詞-』初版 (スリーエーネットワーク、2010)ISBN:4883195406 
 

小川誉子他  『ことがらの関係を表す表現-日本語文法演習-複文-』初版 (スリーエーネットワーク、2004)ISBN:4883193225 
 

 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
Copyright(C) 2020 Doshisha University All Rights Reserved. 無断転載を禁止します。