2020年度

＜概要/Course Content Summary＞

仕事も子育ても諦めず，自分らしい人生を送りたいと思いますか？　
　
昨年度の同様のテーマを持つプロジェクトアンケート調査（回答学生数421名）では，将来仕事と育児を両立したいと回答した人は80%以上，その中でも，男子学生の約80%が将来育児休暇を取りたいと回答していました。しかし，日本の男性の育休取得率はたった6.16％という現状があります（厚生労働省　平成30年度雇用均等基本調査）。　
なぜこんなにギャップがあるのでしょう。　
男性も女性も自分らしい人生の選択を諦めない社会にするにはどうしたらいいのでしょう。　
　
現在，学校現場で実施されているキャリア教育や，企業でのインターンシップは，仕事（ワーク）面についての指導が中心で，本来「キャリア」という言葉に含まれる「生き方（ライフ）」面を知る機会がほとんどありません。仕事と育児の両立をしている人が身近にいるわけでもなく，子どもたちに触れ合う機会も非常に少ないのが現状です。　
本学の学生の中にも，自分が育った家庭の在り方しか知らないことにより，多様な生き方へのイメージが持てない，漠然とした諦めがあったり，両立したいけど不安な気持ちを持っている人がみうけられます。　
　
本プロジェクトでは，連携するスリール株式会社が提供している仕事と子育ての両立のリアルを伝え，漠然とした不安を払拭するプログラム「ワーク＆ライフ・インターン」の手法を活用し，両立のリアルな体験や，ロールモデルとの出会い，壁にぶつかったときの対応方法など，「体験」の中から，多様な「生き方（ライフ）」を選択できる社会へするための課題解決に向けたアイデアを考えます。　
　
これらの体験から，男性も女性も無意識のうちにもつ固定概念に気づき，自分の将来について見つめなおすきっかけや自分らしく人生を選択していくための勇気が得られます。　
　
　
【春学期】　
■キャリアを知る　
　様々な人の仕事観やキャリアについて話をきき，10年後の自分，ライフも含めたキャリアを描くための選択肢を広げられるようワークショップを行います。ワーク・ライフ・バランス，働き方改革の概要についても学びます。　
■ワーク＆ライフ・インターン（両立体験）　
　京都で共働きで子育てをしている家庭を訪問し，子どもと触れ合ったり，「両立の仕方」「時間のやりくりなどの工夫」「子どもとの向き合い方」等，親へインタビューをし，プラス・マイナスの両面を知る「子育て体験実習」（保育園のお迎え→ご自宅での夕食づくりのお手伝い，子どもと遊ぶ→受け入れ家庭のキャリアについてヒアリング）を２日間実施します。そこから気づいた仕事と子育てを両立しやすい社会にするために必要なことについてのアイデアプレゼンテーションを行います。　
　
【秋学期】　
■企業や社会への提案　
　春学期の学びを元に，企業が取り組む働きやすい環境づくりの施策についてヒアリングし，必要な施策についての提案をまとめ，発信します。　
■冊子作成・イベント企画，実施　
　本プロジェクトの学びを冊子等にまとめ，講演会などのイベントの企画や実施を行います。　
　
ペア，チームで協力し仕事と子育てのリアルを知り，体験を通じて感じた社会の問題点や解決策を考える中で自身のキャリアの軸に出会える授業です。担当者は自身も仕事と子育ての両立実践者であり，企業での人事採用担当や，大学等でのキャリアデザイン講座，ワーク＆ライフ・インターンのコーディネーターなどの経験を有するキャリアコンサルタントです。この立場からキャリアについての解説をしつつ，キャリアについて一緒に考え，深めていきます。　
　　

＜到達目標/Goals,Aims＞

子育てと仕事の両立体験からの気付きや新たなライフキャリア教育の検討により，以下の能力向上を目指します。　
　
１．授業および「子育て体験実習」を通して，今後の自分自身のキャリアを具体的にイメージし，発信する力。　
２．子どもや保護者，ゲストスピーカー等異なる世代とのコミュニケーションから「巻き込み力」「柔軟性」「状況把握力」「規律性」「傾聴力」「ストレスコントロール」。　
３．ペアで実施する子育て体験，課題解決プレゼンテーションによる「チームワーク」「計画力」「課題発見力」「創造性」「プレゼンテーション能力」。　
４．今後必要とされる社会課題への提案力，分析する力。

＜授業計画/Schedule＞

※子育て体験実習（ワーク＆ライフ・インターン）の受け入れ家庭は，京都府内にお住まいもしくはご勤務されている共働き家庭です。　
※子育て体験実習（ワーク＆ライフ・インターン）の2日間（5月26日～6月8日のうち1日，6月9日～6月22日のうち1日：夕方17:30～20:30頃）は，ペアで日程を調整し必ず参加すること。　
※受け入れ家庭までの交通費は大学で負担します。　
※授業計画は，進捗状況に合わせて変更することがあります。

＜成績評価基準/Evaluation Criteria＞

＜テキスト/Textbook＞

適宜資料を配布します。

＜参考文献/Reference Book＞