2020年度

＜概要/Course Content Summary＞

　皆さんは「『システム』とは何か？」「『情報システム』とはどの様なものか？」について，考えたことがあるだろうか？「情報システム」は，コンピュータシステムやプログラムを意味するものではない．「情報システム」をデザインすることは，ユーザインタフェースを設計することではない．「情報システム」は，本来，コンピュータやインターネットとは無関係な概念である．コンピュータとは無関係の「情報システム」も多数存在する．　
　本講義では，この様な観点から，「社会が求める情報システムとは，どの様なものなのか？」を理解する．具体的には，情報システムは，社会，組織体または個人の活動を支える適切な情報を，収集し，加工し，伝達するための,人間活動を含む社会的な仕組みである．」とする．即ち，「世の中の仕組みを情報システムとして捉える」ことに情報システムエンジニアの価値があることを学ぶ．更に，今日の「情報システム」の開発において，著作権法，個人情報保護法等の法的知識が不可欠である．そこで，これら法律に関する初歩的知識を学ぶ．尚，上記2分野はすこし，距離があるので，間に現実社会における「システム」の意味や，学問の目的について，考える時間を1から2コマ設けたい．　
　尚，本講義における「情報システム」に対する見方は，西垣通の「基礎情報学」を基盤に置いている．また，一部講義は，参考図書である，魚田勝臣他著，「コンピュータ概論　第7版」共立出版に基づいている．　

＜到達目標/Goals,Aims＞

本講義は，情報系2学科の学生への「情報システムとは何か」の理解を深めるとともに，中学校・高等校の「情報」担当教員として最低限度必要な知識を得ることを目標としている．但し，情報系教員が持つべき基礎知識は，当然，情報系2学科の学生の基礎知識でもある．

＜授業計画/Schedule＞

・テスト授業ともにオンラインで行います　

＜成績評価基準/Evaluation Criteria＞

レポートでは，情報システムの価値が，インタフェースにあるわけではなく，「社会における価値を創造する」ことにあることを理解しているか否かを重視したい．

＜テキスト/Textbook＞

＜参考文献/Reference Book＞

本講義は，インテリジェント情報工学科の一連のソフトウェア工学の最初の講義です．一方で，「情報」教員のための教職科目でもあります．このため，参考文献の2番目以降には，教師を目指す学生さんに参考となる文献を例示しています．これらはメディア論の参考文献ですが，メディア論（ポストモダンについて論じたい）は，講義時間数の関係で，余裕があれば紹介します．