シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


16016609-051 

△科学史・科学論2-51 (望遠鏡以前の天文学)
History and Philosophy of Science 2-51 -Astronomy before the Telescope-
2単位/Unit  秋学期/Fall  今出川/Imadegawa  講義/Lecture

  池山 説郎

<概要/Course Content Summary>

望遠鏡が天空の観察に使われる以前の,古代エジプトからプトレマイオスあたりまでの古今東西の天文学を概観する。そのころの天文学の中心課題は,いつ,どこに,目的とする天体が見えたか(あるいは見えるか)であって,それはもっぱら暦法と占星術のためであった。この講義では,さらに宇宙論の話を加え,各文明ごとの「天に対するまなざし」を見てゆきたい。 
地球から見上げた天空を扱うので,中学理科程度の天文学の知識が必要となる。授業中にも必要な範囲で説明するが,自分なりに知識を整理しておかれるとよいと思う。

<到達目標/Goals,Aims>

近代科学が成立する以前の天に関する知識や思考法を知ることで,物事を多面的にとらえる力を身につけることができる。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) 1  (内容/ Contents) 教員自己紹介,講義内容や受講の仕方などのイントロダクション, 天文学と暦の基礎知識  (授業時間外の学習/ Assignments) 中学程度の天文学を復習する(1時間程度) 
(実施回/ Week) 2  (内容/ Contents) 古代エジプト1 創造神話,暦  (授業時間外の学習/ Assignments) セティI世の墳墓にある北天図の画像を探す(1時間程度) 
(実施回/ Week) 3  (内容/ Contents) 古代エジプト2 星座,星時計:課題提出1  (授業時間外の学習/ Assignments) エジプトの星座を整理しておく(1時間程度) 
(実施回/ Week) 4  (内容/ Contents) メソポタミア1 創造神話,エヌーマ・アヌ・エンリル1  (授業時間外の学習/ Assignments) 「エヌマ・エリシュ」の和訳を探し,読む(1時間程度) 
(実施回/ Week) 5  (内容/ Contents) メソポタミア2 エヌーマ・アヌ・エンリル2,ムル・アピン1  (授業時間外の学習/ Assignments) デンデラ・ハトホル神殿の天文図をよく見ておく(1時間程度) 
(実施回/ Week) 6  (内容/ Contents) メソポタミア3 ムル・アピン2  (授業時間外の学習/ Assignments) ムル・アピンの星表をじっくり見ておく(1時間程度) 
(実施回/ Week) 7  (内容/ Contents) メソポタミア4 天文日誌とその応用:課題提出2  (授業時間外の学習/ Assignments) 黄道十二宮について確認する(1時間程度) 
(実施回/ Week) 8  (内容/ Contents) 中国1 創造神話,宇宙論,天文台  (授業時間外の学習/ Assignments) 淮南子「天文訓」に目を通す(1時間程度) 
(実施回/ Week) 9  (内容/ Contents) 中国2 占星術,天文図,観測機器   (授業時間外の学習/ Assignments) 中国星座について確認する(1時間程度) 
(実施回/ Week) 10  (内容/ Contents) 中国3 暦:課題提出3  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義内容の復習(1時間程度) 
(実施回/ Week) 11  (内容/ Contents) ギリシア1 同心天球説,プラトン,エウドクソス  (授業時間外の学習/ Assignments) エウドクソスの理論を確認する(1時間程度) 
(実施回/ Week) 12  (内容/ Contents) ギリシア2 アリストテレス, さまざまな天文学的達成  (授業時間外の学習/ Assignments) 離心円・周転円の理論を確認する(1時間程度) 
(実施回/ Week) 13  (内容/ Contents) ギリシア3 離心円・周転円説,ヒッパルコス  (授業時間外の学習/ Assignments) プトレマイオス「アルマゲスト」第一巻に目を通す(1時間程度) 
(実施回/ Week) 14  (内容/ Contents) ギリシア4 プトレマイオスとその後の展開:課題提出4  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義内容の復習(1時間程度) 
(実施回/ Week) 15  (内容/ Contents) 課題解答例の提示  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義内容の総復習(6時間程度) 

全回e-classを使ったオンライン授業になります。 
基本的にはオンデマンドで,e-classにアップされているテキストや資料を参考に,定められた課題を期限までに出すことを繰り返していただきます。 
テキストと課題は毎週ではなく,内容ごとにまとめ4回に分けて提示します。課題も4回に分けて提出してもらいます。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点(出席,クラス参加,グループ作業の成果等)  50%  課題を期限までに出したかどうか 
提出物  50%  提出された課題の内容 

課題不提出が一回でもあれば,単位認定は難しくなります。理由があって提出が遅れる(遅れた)場合は必ず担当に連絡し,指示を仰ぐこと。

<テキスト/Textbook>

授業テキストを内容ごとに4回に分けてe-classで配布します。画像や動画資料も必要に応じて配布します。

<参考文献/Reference Book>

クリストファー・ウォーカー編 山本啓二・川和田晶子訳  『望遠鏡以前の天文学-古代からケプラーまで-』(恒星社厚生閣、2008年)本講義のかなりの部分をカバーする書籍であるが,読み解くにはかなり難しい箇所もある。 
 

高橋憲一  『コペルニクス・天球回転論』(みすず書房、1993年)原典翻訳の前半だけでなく,後半の解説が,ギリシア天文学の理解に役に立つ。(2017年に出た完訳版の解説もほぼ同内容である。) 
 

山本義隆  『世界の見方の転換1~3』(みすず書房、2014年)ルネサンス期から科学革命期までの西洋天文学の変遷を知るのによい。大部だが読みやすい。 
 

その他の参考書籍は授業中に適宜紹介する。

<参照URL/URL>

Ancient Planetary Model Animations 
プトレマイオスを中心とした古代天文学の幾何学モデルのアニメーションを提供している,大変価値あるサイト。ただしFlashを使用しているゆえうまく動かないことが増えてきているため,動いている様子をキャプチャした動画も,代替としてe-classにアップする。 

<備考/Remarks>

授業に関して担当に連絡を取りたい場合は,学校名(同志社大学),科目名(科学史科学論),時限(火2,水4など),および氏名と学生番号を明記の上,e-classのメッセージでお願いします。 
受付時間は朝9時~夜9時で,この間にいただいたメッセージへはなるべく早くお返事しますが,所用により遅れる場合もあります。夜9時以降いただいたものは,翌日以降の返答になります。また土日は原則お返事しません。よって,金曜夜9時以降にいただいたものへの返答は月曜の朝以降になります。 

 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
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