シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


16016609-004 

△科学史・科学論2-4 (科学の過去と未来)
History and Philosophy of Science 2-4 -Science of past and future-
2単位/Unit  秋学期/Fall  京田辺/Kyotanabe  講義/Lecture

  新井 晋司

<概要/Course Content Summary>

 本講義では,「科学の倫理」と「科学の歴史」の二つのテーマについて学びます。 
 
 前半では科学と倫理に関わる問題について学びます。具体的には,科学の軍事利用の防止策,優性思想,先の大戦での米国・ドイツ・日本の人体実験における「和解」の比較,生命倫理(出生前診断・安楽死・脳死と臓器移植・生殖技術・動物の倫理)など取り上げます。これら過去の科学の過ちを通じて,今後,科学技術をどのように使用すべきかを考えていただきます。21世紀を生きる若者に必要な一般教養を学びたいと思います。 
 余裕があれば,過去の科学者が兵器開発をしてきた歴史から,科学者が戦争協力する理由・科学者の軍事研究を防ぐ・戦争を平和に転換する方法などに言及します。 
 
 後半では,科学史に関するトピックから各文明の時間の概念の変遷や,錬金術の歴史などを取り上げることで,科学の歴史を学びます。 
 
 今日では,科学技術は私たちの豊かな生活や知識の進歩と密接な関わりを持っています。それどころか科学技術のない生活も未来も考えることはできません。しかしながら,科学技術が高度に発展した現在では,科学技術の戦争利用や環境問題,原発事故,生命倫理など人類全体の命運に関わる種々の問題も発生しています。そこで,科学の歴史や科学と関係する社会問題を取り上げることで,これからの私たちの未来のために,科学技術のプラス面をより活かし,マイナス面をより少なくするにはどうしたらよいかを念頭において進めたいと思います。 
 一方,科学史を文明ごとにとらえてみると,古代ギリシア科学,アラビア(イスラム)科学,インド科学,中国科学,さらに16,17世紀に西欧で成立した近代科学(代表的な科学者はニュートン)など,多様なテーマを持っています。 
 本講義は,過去や現在の問題を知ることを通じて,科学技術のリテラシー(科学技術を適切に使いこなす力)を高めるための授業と考えてください。 
 
 ◆単位取得には,出席10回以上と学期末レポートの提出が必要です。 
 ・学生同士の意見交換の機会もできる範囲で多く持つので,積極的に参加してください。有志学生による発表も予定しています。 
 ・新しい講義テーマの導入,学生の議論の進捗状況などによって,講義内容が一部変動することがあります。 
 ・本講義では科学の軍事利用を防止し,平和利用を推進するために,平和学の解説にも時間を割きます。 

<到達目標/Goals,Aims>

前半(2~8回)では,科学技術と社会や医療のあいだで起きる社会問題(戦争や医学の倫理)について,よりよい解決策を思索できるようになる。 
後半(9~12回)では,人類が生み出してきた科学技術のありようや,文明の多様性について理解できるようになる。 
最後の有志による学生発表(13・14回)では,学生同士のプレゼンを楽しめるようになる。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) 第1回  (内容/ Contents) 「ガイダンス」 
講義内容と単位の取り方などを説明するので,必ず出席してください。 
(授業時間外の学習/ Assignments) 学期末レポートの文献を入手して読むなどの準備をしてください。 
科学と倫理について実生活で思索してもらうことがあります。 
(実施回/ Week) 第2回  (内容/ Contents) 「科学と倫理」科学者と戦争(1) 
*「人体実験と医の倫理の歴史」もしくは「第一次世界大戦のハーバーとワイツマンを例にして」のいずれかを取り上げます 
(授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 第3回  (内容/ Contents) 「科学と倫理」科学者と戦争(2) 
*「人体実験と医の倫理の歴史」もしくは「第一次世界大戦のハーバーとワイツマンを例にして」のいずれかを取り上げます 
(授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 第4回  (内容/ Contents) 「科学と倫理」平和学の発想法(1)平和学と科学  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 第5回  (内容/ Contents) 「科学と倫理」平和学の発想法(2)トランセンド演習  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 第6回  (内容/ Contents) 「科学と倫理」平和学の発想法(3)トランセンド演習  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 第7回  (内容/ Contents) 「科学と倫理」平和学の発想法(4)トランセンド演習  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 第8回  (内容/ Contents) 「科学と倫理」出生前診断(1)  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 第9回  (内容/ Contents) 「科学と倫理」出生前診断(2)  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 第10回  (内容/ Contents) 「科学の歴史」天文学の歴史から「時間の概念の変遷」をお話します。  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 第11回  (内容/ Contents) 「科学の歴史」天文学の歴史から「こよみの歴史」について解説します。  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 第12回  (内容/ Contents) 「科学の歴史」錬金術史  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 第13回  (内容/ Contents) 「科学と倫理」学生発表(1) 
科学技術と関係する社会問題について希望の学生による発表。期末レポート話でも良い。 
(授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 第14回  (内容/ Contents) 「科学と倫理」学生発表(2)  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上 
(実施回/ Week) 第15回  (内容/ Contents) まとめ,レポート注意  (授業時間外の学習/ Assignments) 同上 

科学史・科学論,とりわけ科学技術と社会・倫理・戦争・医学などに関連する分野では,毎年新しい状況や知見が生まれてきます。そのため,時事問題や新しい知識を取り上げたり,ワークショップなどの授業法の導入,学生の関心などにより,講義内容を若干変えることがあります。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

出席点  30%  1回2点×15回=計30点 
期末レポート  70%  科学史・科学論ついての記述式のレポートです。 
特記事項    ◆単位取得には,出席10回以上と学期末レポートの提出が必要です。 

・学生同士の横の学びを重視しているので,しばしば発言を求めたり,授業の感想(小レポート)を書いていただきますが,これらは成績の対象外なので,自由に意見を述べてください。 
・学生発表を担当した有志の学生には,若干の成績の考慮をします。 
・学生の授業の感想(小レポート)をコピーして配布(匿名)することがあるので了承しておいてください。 
・期末レポートでは,必ず本を数冊程度は読んで欲しいと思います。 

<テキスト/Textbook>

特に使用しない。各位の関心に応じて参考文献を参照してください。

<参考文献/Reference Book>

ヨハン・ガルトゥング  『平和を創る発想術』(岩波書店、2003年)
 

メリーウイン・アシュフォード  『平和へのアクション101+2』(かもがわ出版、2008年)
 

  『戦争をしなくてもすむ世界をつくる30の方法』(合同出版、2003年)
 

アンヌ・モレリ  『戦争プロパガンダ 10の法則』(草思社、2002年)
 

  『平和と戦争の絵本〈4〉~非暴力で平和をもとめる人たち~』(大月書店、2003年)
 

参考文献は,初回の授業で配布する「ガイダンス・プリント」や講義のなかで紹介します。

<備考/Remarks>

(注)初回の授業の「ガイダンス」で,講義内容と単位の取り方などを説明するので,必ず出席してください。単位取得には,出席10回以上と学期末レポートの提出が必要です。 

 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
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