<概要/Course Content Summary>
文化現象や社会現象などに現れる多くのデータやそれらの間の関係を記述,解析する時,多変量や多変数の関数が必要になる.特に,データなどを変数としてのベクトルと見ての取り扱いや線形関係が基本的であり,その基礎となる線形代数を学ぶ.内容としては数ベクトルと行列の定義や計算から始めて行列の基本変形と階数,連立1次方程式の解法,行列式の定義と計算およびその応用などを経て,固有値と固有空間に関する諸定義および諸概念の学習に至る.
<到達目標/Goals,Aims>
学生は行列の計算,基本変形,連立1次方程式の解法,行列式,最終的に固有値の計算ができるようになる.
<授業計画/Schedule>
(実施回/ Week)
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(内容/ Contents)
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
1
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(内容/ Contents)
ベクトルとは何か 数ベクトルの定義と基本的な演算について学ぶことから始める
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(授業時間外の学習/ Assignments)
単純な計算をする.(3時間)
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(実施回/ Week)
2
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(内容/ Contents)
ベクトルと基本概念 ベクトルの一次独立性などの基本概念について学ぶ
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(授業時間外の学習/ Assignments)
独立と従属の相違点を見る.(3時間)
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(実施回/ Week)
3
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(内容/ Contents)
行列とは何か 行列の定義と基本的な演算について学ぶ
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(授業時間外の学習/ Assignments)
単純な計算をする.(3時間)
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(実施回/ Week)
4
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(内容/ Contents)
連立1次方程式 ベクトルや行列を用いて連立方程式を表し,その解法について学ぶ
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(授業時間外の学習/ Assignments)
掃き出し法を実践する.(3時間)
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(実施回/ Week)
5
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(内容/ Contents)
行列の基本変形 行列の階数について連立1次方程式を通じて学ぶ
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(授業時間外の学習/ Assignments)
掃き出し法を実践する.(3時間) 解の状況と階数の関係を理解する.(1時間)
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(実施回/ Week)
6
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(内容/ Contents)
行列の階数 行列の基本的な性質とベクトルの1次独立性について考察する
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(授業時間外の学習/ Assignments)
掃き出し法を実践する.(3時間) 基本行列と階数の関係を理解する.(1時間)
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(実施回/ Week)
7
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(内容/ Contents)
正則行列と逆列式 行列の逆行列を求め,正則行列の性質について学ぶ
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(授業時間外の学習/ Assignments)
掃き出し法を実践する.(4時間)
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(実施回/ Week)
8
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(内容/ Contents)
行列式の定義・基本的な性質1 n=2,3で性質を導く
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(授業時間外の学習/ Assignments)
サラスの方法で計算し,その後,効率よく計算する.(4時間)
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(実施回/ Week)
9
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(内容/ Contents)
行列式の定義・基本的な性質2 n>3のときを考察し,n=2,3で導いた性質が遺伝していることを証明する
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(授業時間外の学習/ Assignments)
方程式を解くときの基本変形との違いに気を付ける.(4時間)
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(実施回/ Week)
10
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(内容/ Contents)
行列式の定義・基本的な性質3 逆行列の表現公式の準備として余因子展開の公式を2種類紹介する. 総復習として演習問題を解く.
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(授業時間外の学習/ Assignments)
ヴァンデルモンドの行列式の様にサラスの方法で展開するのではなく,性質を活用してうまく計算する.(4時間)
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(実施回/ Week)
11
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(内容/ Contents)
余因子行列 余因子を学ぶことで逆行列の表現公式を導く.
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(授業時間外の学習/ Assignments)
逆行列を2通りに求めてみる.(4時間)
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(実施回/ Week)
12
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(内容/ Contents)
行列式のまとめ 行列式の基本的事項を終え,次の固有値へつなげる クラメル公式を学ぶ
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(授業時間外の学習/ Assignments)
教科書の問や講義の例を確認する.(3時間) クラメル公式を適用する.(1時間)
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(実施回/ Week)
13
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(内容/ Contents)
固有値とは何か 色々なところで応用される固有値の定義とその意味を学ぶ
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(授業時間外の学習/ Assignments)
固有値と固有vectorsを求める.詳しい計算は学生に任せるので,e-classで復習すること.15回目の総括と期末評価で確認する.(4時間)
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(実施回/ Week)
14
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(内容/ Contents)
固有値の基本的性質 固有値の基本的性質について学ぶ 経済などの局面での固有値問題を学ぶ
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(授業時間外の学習/ Assignments)
A^nを求める.詳しい計算は学生に任せるので,e-classで復習すること.15回目の総括と期末評価で確認する.(6時間)
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(実施回/ Week)
15
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(内容/ Contents)
総括と期末評価
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(授業時間外の学習/ Assignments)
今までの内容を復習し,練習に励む.(6時間)
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<成績評価基準/Evaluation Criteria>
定期課題(小テスト,宿題,レポートなど)
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50%
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自筆の講義ノートのみを参照して,講義の内容を復習する.小テストではノートと過去の自筆による定期課題のみを参考にすること.複写は認めないので,各自ノートを拵えよ.それが勉強であろう.その場で教科書やweb等で調べるのは準備不足であり,小テストでは不正と見做し,全て0点とする.宿題やレポートなら参考文献表を付すこと.
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期末筆 記かレポート試験
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50%
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vectors間の演算,一次独立性がわかる. 任意のvectorを一次独立なvectorsの一次結合で表現できる. 行列間の積の計算が適切にできる. 行列の対称性と交代性がわかる. 基本変形(連立1次方程式の解法,逆行列の導出,行列式)を問題によって適切に運用できる. 行列式をその性質から巧妙に(サラスだけではなく)計算できる. eigen pairを求めることができて,応用としてA^nを求められる.
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レポートはレポート用紙に裏面を使わずに解き締め切りまでに提出すること. 再提出を繰り返し,完全にすることが大切である. 遅れても受理しない. 小テストは自筆ノートのみ参照可である. 欠席した場合は次週までに自筆で補うこと. ほぼ同様のexamplesから出題することで,講義の理解度を見る. 従って,欠席を事由に成績不良を正当化し,救済を求めることはできない.
<テキスト/Textbook>
https://sso.doshisha.ac.jp(各自のe-classのページを見よ) e-classにpdf-fileの形で提示するので,必要に応じダウンロードせよ. 小テストでは持ち込まず,ノートに認めておくこと.
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大学数学キャンパス・ゼミシリーズ・マセマ出版社は当講義では参考にすべきではない. 線形代数学の書籍は現在までに数多く出版されているので,種々の書籍を参考にせよ.
<参考文献/Reference Book>
<参照URL/URL>
<備考/Remarks>
5回以上欠席した場合は,学期末試験の受験資格を失うことがある. 学生の理解度に応じて,講義内容を一部変更することがある. 席は指定する. 出席の定義は講義開始時に遅れなく指定の席に着き講義の準備ができていて,小テスト等を仕上げたことを言う. 他の科目・睡眠・電子機器の操作など講義以外のことに専念すること甚だしき場合は出席にならない. 電車の延着証明書は受領しない. 頻繁に電車が遅延し遅刻するならば,余裕を持って早い電車に乗るべきであり,無理な乗り継ぎでの遅刻は鉄道会社に対する責任転嫁である. 1日に1,2本しかバスの無い様な山奥から通学するならば前もって遅れることを相談するべきである.
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