<概要/Course Content Summary>
【授業の概要】 「ああ,彼氏が欲しいな。ねえ,いい人紹介してよ」――女友達からこのように言われたと想像してください。さて,あなたのおばあちゃんが温和で優しい人格者で,近所でも評判の「いい人」だったとします。それでは,おばあちゃんを紹介してあげれば,女友達は喜ぶでしょうか。 おそらく多くの人が「常識的に」,それは違うと感じるのではないでしょうか。それでは,この女友達の言う「いい人」とは何なのでしょう。「いい人」と指定されていて,おばあちゃんは「いい人」なのに,どうしておばあちゃんを紹介するのは彼女の意に沿わないのでしょう。 皆さんは誰でも日常的に,このような言葉の解釈を,「常識」に基づいて行っています。しかし,「常識」は必ずしも万人に明確に共有されているものではなく,そのために争いが生じることもままあります。このような場合には,「解釈」に「論理」を与える必要があるのです。この「解釈学」は法律学の中心的な要素であり,ここで用いられる論理的・法的なものの考え方を,「リーガル・マインド」といいます。 この授業では,様々な法律科目を一通り,幅広く扱います。これらを通して,皆さんにこの「リーガル・マインド」を身に着けていただき,日常生活で活用できるようになってもらいたいと考えています。 何か紛争が生じたとき,依拠すべきルールや約束事は,どのように解釈されるべきか。 また,そもそもの前提として,紛争の論点はどこにあり,事実関係はどのように整理されるのか。 リーガル・マインドを身につけた上で日常生活を送ってみると,世の中の色々なことが一気に明瞭に理解できるようになるはずです。 もちろん,法律学の知識それ自体もしっかりと提供しますから,単に法律に興味のある方や,資格試験に関心のある方の期待にも応えられるかと思います。 皆さんが今後社会に出てから,「ああ,あの時あの授業を受けておいてよかった」と感じてもらえるような授業にするつもりです。ぜひこの機会に,「リーガル・マインド」を身につけましょう。 【授業の進め方】 毎週,e-classを通じて,授業レジュメや資料をアップロードします。 レジュメを手元に置いたうえで,そこに記載されているYoutubeのURLにアクセスしてください。 1時間程度の講義動画を視聴し,残り30分程度を使ってミニテストを解き,提出していただきます。 翌週の講義動画冒頭で,ミニテストの解説を行います。 ミニテストの回答提出は授業の2日後(翌々日)を〆切とします。 ですので,動画を貯めて学期末に一気見するというのはやめましょう。 ミニテストは出席点でもあると思ってください。 オンラインという異例の講義形式ではありますが,いろいろと工夫して,みなさんが満足できる良い授業を作っていきたいと思っています。 ご協力いただけると嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします。
<到達目標/Goals,Aims>
1.日常生活に存在するルールや約束事について,論理的に「解釈」することができるようになる。 2.些細なものから深刻なものまで,様々ないさかいや衝突について,適切に事実関係を整理し,争点を明確化することができるようになる。 3.今後,受験科目に法律系科目のある資格試験等に挑戦することになっても,抵抗なく勉強を始められるようになる。
<授業計画/Schedule>
(実施回/ Week)
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(内容/ Contents)
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
第1回
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(内容/ Contents)
はじめに ―基本的な法の仕組み―
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(授業時間外の学習/ Assignments)
授業内容を復習し,次週からの授業に備えてください(約1時間)。
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(実施回/ Week)
第2回
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(内容/ Contents)
憲法(1)総論と統治
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(授業時間外の学習/ Assignments)
授業内容を復習するとともに,適宜テキストの該当箇所を読んで知識を補完してください(約1時間)。
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(実施回/ Week)
第3回
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(内容/ Contents)
憲法(2)自由権
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(授業時間外の学習/ Assignments)
授業内容を復習するとともに,適宜テキストの該当箇所を読んで知識を補完してください(約1時間)。
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(実施回/ Week)
第4回
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(内容/ Contents)
憲法(3)平等権・社会権
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(授業時間外の学習/ Assignments)
授業内容を復習するとともに,適宜テキストの該当箇所を読んで知識を補完してください(約1時間)。
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(実施回/ Week)
第5回
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(内容/ Contents)
民法(1)物権
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(授業時間外の学習/ Assignments)
授業内容を復習するとともに,適宜テキストの該当箇所を読んで知識を補完してください(約1時間)。
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(実施回/ Week)
第6回
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(内容/ Contents)
民法(2)債権
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(授業時間外の学習/ Assignments)
授業内容を復習するとともに,適宜テキストの該当箇所を読んで知識を補完してください(約1時間)。
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(実施回/ Week)
第7回
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(内容/ Contents)
民法(3)家族
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(授業時間外の学習/ Assignments)
授業内容を復習するとともに,適宜テキストの該当箇所を読んで知識を補完してください(約1時間)。
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(実施回/ Week)
第8回
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(内容/ Contents)
刑法(1)犯罪
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(授業時間外の学習/ Assignments)
授業内容を復習してください(約1時間)。
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(実施回/ Week)
第9回
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(内容/ Contents)
刑法(2)刑罰
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(授業時間外の学習/ Assignments)
授業内容を復習するとともに,適宜テキストの該当箇所を読んで知識を補完してください(約1時間)。
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(実施回/ Week)
第10回
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(内容/ Contents)
民事訴訟法
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(授業時間外の学習/ Assignments)
授業内容を復習してください(約1時間)。
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(実施回/ Week)
第11回
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(内容/ Contents)
刑事訴訟法
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(授業時間外の学習/ Assignments)
授業内容を復習するとともに,適宜テキストの該当箇所を読んで知識を補完してください(約1時間)。
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(実施回/ Week)
第12回
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(内容/ Contents)
商法・会社法
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(授業時間外の学習/ Assignments)
授業内容を復習するとともに,適宜テキストの該当箇所を読んで知識を補完してください(約1時間)。
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(実施回/ Week)
第13回
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(内容/ Contents)
行政法
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(授業時間外の学習/ Assignments)
授業内容を復習してください(約1時間)。
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(実施回/ Week)
第14回
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(内容/ Contents)
現代社会と法律実務
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(授業時間外の学習/ Assignments)
授業内容を復習してください(約1時間)。
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(実施回/ Week)
第15回
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(内容/ Contents)
総括 授業全体のおさらいと補完,質問に対する個別対応等を行います。
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(授業時間外の学習/ Assignments)
期末レポート試験に向けてしっかりと全体の復習をしてください(各自,必要と思われる時間)。
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授業計画は,受講生の理解度や要望などを考慮しつつ,必要に応じて変更することがあります。 また,話題のニュース等,時事的な事柄を急遽取り扱う場合もあります。
<成績評価基準/Evaluation Criteria>
小レポート(各授業の終わりに,授業の理解を確かめるためのコメントを記述・提出してもらう)
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20%
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授業で学んだことをただ書くのではなく,更に自分が何を考えたかが分かるようなコメントであれば,高評価を与えます。
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期末レポート試験
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80%
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授業内容を十分に理解しているかがポイントとなります。出題範囲や形式については授業内で告知します。
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各回の小レポートについては,全体に対してその都度フィードバックを行います。 期末レポート試験では,上記フィードバックが活かされるような出題を予定しています。 昨年までは筆記試験を実施していましたが,今年は新型コロナウイルス感染症の影響により,期末レポート試験とします。 しかし,もともと持ち込みは「なんでも可」でしたので,出題方式は全く変わりません。 授業内で,過去問やその解説を配布することも予定しています。 本授業で学んだことを総動員して,良い答案を作成していただければと思います。
<成績評価結果/Results of assessment>
成績評価の見方について/Notes for assessment
登録者数 |
成績評価(%) |
評点 平均値 |
備考
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A |
B |
C |
D |
F |
他 |
230 |
35.2 |
27.0 |
10.4 |
2.6 |
24.8 |
0.0 |
2.5 |
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<テキスト/Textbook>
大谷實 編著 『エッセンシャル法学』第7版
(成文堂、2019年)
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教科書を指定してはいますが,これと授業が必ずしも一致するわけではありません。毎回レジュメを配布し,日常生活で活かせる「リーガル・マインド」の習得に重点を置いたオリジナルの授業を行います。そのため,教科書を読むだけではなく,授業をしっかり視聴し,授業内容を中心に勉強するようにしなければ,期末試験への対応は困難です。教科書はあくまで,各回の法律科目の知識を補完するために用いていただければと思います。
<備考/Remarks>
担当教員との連絡(授業内容・課題に関する問い合わせなど)は,メール(nokuda@mail.doshisha.ac.jp)またはe-classのメッセージ機能を通じて行ってください。
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