シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


16002357-051 

△日本文学(2)-51 (『源氏物語』第一部-人間関係と心理描写-②)
Japanese Literature (2)-51 -"The Tale of Genji" Part 1 - human relations and psycho 
logical description -②-
2単位/Unit  秋学期/Fall  今出川/Imadegawa  講義/Lecture

  辻 和良

<概要/Course Content Summary>

 『源氏物語』第一部である乙女巻を素材として扱う。春学期開講の日本文学(1)を承ける授業であるが,秋学期だけでも理解できるようにする。 
 乙女巻は,光源氏の子息である夕霧と彼の正妻となる雲居雁との幼い頃の恋を描いたものである。その意味で求婚譚であると言える。求婚譚というと例えば『竹取物語』にあるような難題が課せられるものを思い出すが,ここにそのような難題はない。ただし,雲居雁の父,内大臣の反対が存在する。光源氏の教育方針もはっきりと打ち出されてきており,恋と教育との関わり合いが面白い。雲居雁との恋は中々上手く進まないものの,別の女性(五節)との恋が進展する。いずれも幼いもの同士の恋として初々しく描かれている。 
 その背後では,斎宮女御の立后も果たされ,光源氏体制の完成として朱雀院行幸が行われてもいる。恋と政治との緊密な表現の繋がりも読み取りの大切な点である。乙女巻の理解を通して,主題論的に文学表現の襞に分け入り,さらに人間理解という大きなテーマに迫っていきたいと思う。 
 春学期の授業と同じように,受講生は文学作品を読み解き,人物に迫る積もりでいてくれればよい。古典文学作品であるが,とくべつに古典常識などを問おうとするものではない。その辺りは丁寧に説明していくので,純粋に文学を味わい楽しむ,しかし真摯に作品に向き合う姿勢を堅持していてもらいたい。

<到達目標/Goals,Aims>

1,『源氏物語』を通じて,文学作品を読む力を獲得することができる。 
2,文学作品を味読することによって,人間関係図に基づく心理描写を理解することができる。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 源氏物語の全体的説明  (授業時間外の学習/ Assignments) 『源氏物語』について知るところをまとめる 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 源氏物語第一部の解説(桐壺帝前史)  (授業時間外の学習/ Assignments) 前回の授業内容を受講前に確認しておくこと 
(実施回/ Week) (内容/ Contents)       〃 (光源氏生誕以後)  (授業時間外の学習/ Assignments) 〃 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 乙女巻(夕霧の成長)  (授業時間外の学習/ Assignments) 〃 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 〃 (夕霧の学問)   (授業時間外の学習/ Assignments) 〃 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 〃 (光源氏の教育方針)  (授業時間外の学習/ Assignments) 前回の授業内容を受講前に確認しておくこと。当日進む分をあらかじめ読んでおくこと。 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 〃 (斎宮女御の立后)  (授業時間外の学習/ Assignments) 〃 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 〃 (雲居雁の事情)  (授業時間外の学習/ Assignments) 〃 
 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 〃 (夕霧と雲居雁)  (授業時間外の学習/ Assignments) 〃 
(実施回/ Week) 10  (内容/ Contents) 〃 (内大臣の疑い)  (授業時間外の学習/ Assignments) 〃 
(実施回/ Week) 11  (内容/ Contents) 〃 (夕霧,雲居雁との仲を裂かれる)  (授業時間外の学習/ Assignments) 〃 
(実施回/ Week) 12  (内容/ Contents) 〃 (夕霧,五節との恋)  (授業時間外の学習/ Assignments) 〃 
(実施回/ Week) 13  (内容/ Contents) 〃 (朱雀院行幸)  (授業時間外の学習/ Assignments) 〃 
(実施回/ Week) 14  (内容/ Contents) 〃 (六条院造営)  (授業時間外の学習/ Assignments) 〃 
(実施回/ Week) 15  (内容/ Contents) まとめ  (授業時間外の学習/ Assignments) これまでの授業内容を復習しておくこと。 

『源氏物語』に興味をもって,授業に積極的に参加すること。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

毎回の課題レポートについて,主に右に記す3点を評価軸とする  25%  文章作法的観点からの評価(句読点,段落構成,文の掛かり受け等) 
  40%  文章内容の論理性(レポート内容が論理的に構築されているか等) 
  35%  源氏物語表現の理解度(レポート内容に関連するが,源氏物語の表現をどの程度理解できているか等) 

授業を真摯に積極的に受けること。授業後に提出してもらっている受講コメントも参考の一つとする。 
古典本文と直接的に触れ,自分の理解を深めつつ読みを進めていくこと。

 

<成績評価結果/Results of assessment>   成績評価の見方について/Notes for assessment

    

登録者数

成績評価(%)

評点
平均値

備考

A B C D F
71 18.3 38.0 15.5 5.6 22.5 0.0 2.2

<テキスト/Textbook>

玉上 琢彌 校注  『源氏物語 第四巻(角川ソフィア文庫)』 (角川書店、1968)

 

 

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