シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


16002341-001 

△論理学(2)-1 (集合の計算)
Logic (2)-1 -The Calculus of Classes-
2単位/Unit  秋学期/Fall  京田辺/Kyotanabe  講義/Lecture

  新 茂之

<概要/Course Content Summary>

19世紀中葉から始まる形式論理学の現代的展開には,大きく,二つの動向がある.一つは,ブール(George Boole)に端緒がある動向であり,もう一つの動向は,フレーゲ(Gottlob Frege)にその出発点を求められる.第一の動向の特性は,ブールが試みたように,形式論理学の組織化に代数的手法を援用するところに現れている.ブール的動向は,いわば,数学によって論理学を基礎づけようとする企てである.これにたいして,フレーゲ的動向は,のちに,ホワイトヘッド(Alfred North Whitehead)とラッセル(Bertrand Russell)がその大著Principia Mathematicaで果たしたように,論理学によって数学を基礎づける論理主義的視座に繋がる.20世紀以降の展開を通覧すれば,明らかに,フレーゲ的動向が主流になってはいるけれども,ブール的動向の意義は喪失していない.というのは,ブール的動向は,集合という考えかたを形式論理学に導入して,形式論理学の演繹的導出を算術的演算との類比のもとで再構成するための観点を含んでおり,その基本的発想は,デーデキント(Richard Dedekind)の,数にかんする論考Was sind und was sollen die Zahlen?で結実しているからである.たしかに,集合についての考えかたは,ラッセルの発見した逆理によって,集合についての素朴な理解の排斥と批判的再検討とを余儀なくされ,現代的には,公理論的集合論の観点から捕捉しなければならないけれども,デーデキントは,集合という概念的装置を用いて,数の論理的構造を析出させており,その業績は,現代的な自然数論の先駆とみなせるのである.本講義では,デーデキントの数論的視点をブール的動向のなかに位置づけて,集合を使って論理を展開するときの土台を明らかにしてみたい.

<到達目標/Goals,Aims>

【知識】デーデキントが示した算術の基本的な考えかたを理解できるになること. 
【技能】集合計算の技術を用いて算術に関連のある定理を証明できるようになること 
【態度】デーデキントが明らかにしている数の形式的特性をみずから追求できるようになる.

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) 1  (内容/ Contents) 集合という考えかた  (授業時間外の学習/ Assignments) 小テストの見なおしと小レポートの取りくみ 
(実施回/ Week) 2  (内容/ Contents) 集合の交わりと結び  (授業時間外の学習/ Assignments) 小テストの見なおしと小レポートの取りくみ 
(実施回/ Week) 3  (内容/ Contents) 集合の交わりにかんする規則  (授業時間外の学習/ Assignments) 小テストの見なおしと小レポートの取りくみ 
(実施回/ Week) 4  (内容/ Contents) 集合の結びにかんする規則  (授業時間外の学習/ Assignments) 小テストの見なおしと小レポートの取りくみ 
(実施回/ Week) 5  (内容/ Contents) 集合の包摂にかんする規則  (授業時間外の学習/ Assignments) 小テストの見なおしと小レポートの取りくみ 
(実施回/ Week) 6  (内容/ Contents) 対応という考えかた  (授業時間外の学習/ Assignments) 小テストの見なおしと小レポートの取りくみ 
(実施回/ Week) 7  (内容/ Contents) 関係項の導入  (授業時間外の学習/ Assignments) 小テストの見なおしと小レポートの取りくみ 
(実施回/ Week) 8  (内容/ Contents) 中間のまとめ  (授業時間外の学習/ Assignments) 小テストの見なおしと小レポートの取りくみ 
(実施回/ Week) 9  (内容/ Contents) 関係項の除去  (授業時間外の学習/ Assignments) 小テストの見なおしと小レポートの取りくみ 
(実施回/ Week) 10  (内容/ Contents) 対応の導入  (授業時間外の学習/ Assignments) 小テストの見なおしと小レポートの取りくみ 
(実施回/ Week) 11  (内容/ Contents) 対応の除去  (授業時間外の学習/ Assignments) 小テストの見なおしと小レポートの取りくみ 
(実施回/ Week) 12  (内容/ Contents) 相関項の導入  (授業時間外の学習/ Assignments) 小テストの見なおしと小レポートの取りくみ 
(実施回/ Week) 13  (内容/ Contents) 相関項の除去  (授業時間外の学習/ Assignments) 小テストの見なおしと小レポートの取りくみ 
(実施回/ Week) 14  (内容/ Contents) 函数的対応の特性  (授業時間外の学習/ Assignments) 小テストの見なおしと小レポートの取りくみ 
(実施回/ Week) 15  (内容/ Contents) 相似的対応の特性  (授業時間外の学習/ Assignments) 小テストの見なおしと小レポートの取りくみ 

授業の進捗状況によって授業計画に変更の生じる場合がある。その都度,教室のなかで確認し,状況に応じて授業計画を見なおす。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点(出席,クラス参加,グループ作業の成果等)  10%  日々の授業を大切にしているか。 
小レポート  30%  授業の学びをとおして問題に取りくめているか。 
期末レポート試験  30%  課題の理解とその論証を明晰に展開できているか。 
小テスト  30%  授業の内容を的確に把握できているか。 

【小レポート】自宅で取りくむ作業として授業の内容に即した問題を小レポートとして毎回提示する。 
【期末レポート試験】授業で扱った論題を踏まえ,授業で学習した範囲のなかでレポート試験用の課題を与える。 
【小テスト】授業の終わりに授業の内容が理解できているかどうかを確認するための小テストを毎回行なう。

 

<成績評価結果/Results of assessment>   成績評価の見方について/Notes for assessment

    

登録者数

成績評価(%)

評点
平均値

備考

A B C D F
19 47.4 15.8 0.0 0.0 36.8 0.0 2.4

<テキスト/Textbook>

とくに使用しない。

<参考文献/Reference Book>

随時紹介する。

 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
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