<概要/Course Content Summary>
秋学期においては近代以降の哲学史を概説することを通じて,哲学は何を問題とし,どのように考えてきたのかを明らかにします。 哲学とは何のためにあるものなのか,哲学に興味を持っても,この問いに対する解答は容易く得られるものではないし,また容易な「正解」があるものでもないでしょう。哲学を学ぼうとする人それぞれの置かれた生の状況に応じて無数の問題とそれに対する解答があるようにも見えます。けれども,実際には「ただ一つの問題」がそれぞれの生の奥底に横たわっているのかもしれません。私たちは哲学を学ぶ際,単なる学説史を学ぶのではなく,このような自分の置かれた生の状況を理解し,問いのたて方そのものを学ぶ必要があり,そこにこそ哲学を学ぶ意味もあるでしょう。哲学は世界のなかで生きていくのに直接役立つ何らかの技術を教えるものではないかもしれません。しかし哲学は世界そのものと,世界を私たちはどのようにして知ることができるのかという,世界の知り方といった根本的な問題を教えてくれます。学説史をたどるなかで私たちは様々な思想に出会うことになりますが,いかに独創的に思われる思想であってもそれらは全て過去の様々な思惟の蓄積のもとに花開いたものである以上,歴史の検討を通じて初めて現代の我々が直面する諸問題に対して「如何に考えるべきか」という哲学的に考えることの意義が見えてくると思います。 授業の進め方 本講義は哲学史の講義と受講者による質問カードを利用した自由な意見交換の二本立ての構成を取ります。 秋学期の講義においては,近代以降の哲学史を概説することを目指しますが,受講者の関心に応じて進度は調整します。毎回レジュメを配布し,それに従って講義を進めるとともに,講義終了後,質問・感想カードを提出してもらい,次回の講義ではその解答を冒頭に行うことによって,より一層の理解をはかります。一般教養の講義であることを考慮して,特定の哲学者を取り上げる際には,その生涯と彼が生きた社会や時代背景などについても述べることによって,より一層の理解を深めたいと思っています。 また質問カードには「お題」をたてることもあり,自由な意見交換を通じて考えることを実践してもらいます。
<到達目標/Goals,Aims>
受講者それぞれが,自分の問題について自分の力で考え,それを明確に他者に対して提示することが出来るようになる。
<授業計画/Schedule>
(実施回/ Week)
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(内容/ Contents)
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
1
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(内容/ Contents)
哲学とは何か
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(授業時間外の学習/ Assignments)
復習(レジュメを読んでおくこと)
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(実施回/ Week)
2
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(内容/ Contents)
近代の始まり
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(授業時間外の学習/ Assignments)
予習(レジュメを読んでおくこと)
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(実施回/ Week)
3
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(内容/ Contents)
フランシス・ベーコン
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(授業時間外の学習/ Assignments)
予習(レジュメを読んでおくこと)
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(実施回/ Week)
4
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(内容/ Contents)
デカルト(1)
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(授業時間外の学習/ Assignments)
予習(レジュメを読んでおくこと)
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(実施回/ Week)
5
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(内容/ Contents)
デカルト(2)
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(授業時間外の学習/ Assignments)
予習(レジュメを読んでおくこと)
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(実施回/ Week)
6
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(内容/ Contents)
デカルト(3)
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(授業時間外の学習/ Assignments)
予習(レジュメを読んでおくこと)
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(実施回/ Week)
7
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(内容/ Contents)
デカルト(4)
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(授業時間外の学習/ Assignments)
予習(レジュメを読んでおくこと)
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(実施回/ Week)
8
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(内容/ Contents)
デカルト⑸ 近代哲学の課題について
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(授業時間外の学習/ Assignments)
予習(レジュメを読んでおくこと)
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(実施回/ Week)
9
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(内容/ Contents)
大陸合理論~スピノザ
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(授業時間外の学習/ Assignments)
予習(レジュメを読んでおくこと)
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(実施回/ Week)
10
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(内容/ Contents)
大陸合理論~ライプニッツ
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(授業時間外の学習/ Assignments)
予習(レジュメを読んでおくこと)
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(実施回/ Week)
11
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(内容/ Contents)
イギリス経験論~ロック,バークリー
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(授業時間外の学習/ Assignments)
予習(レジュメを読んでおくこと)
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(実施回/ Week)
12
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(内容/ Contents)
イギリス経験論〜ヒューム
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(授業時間外の学習/ Assignments)
予習(レジュメを読んでおくこと)
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(実施回/ Week)
13
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(内容/ Contents)
カント(1)
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(授業時間外の学習/ Assignments)
予習(レジュメを読んでおくこと)
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(実施回/ Week)
14
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(内容/ Contents)
カント(2)
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(授業時間外の学習/ Assignments)
予習(レジュメを読んでおくこと)
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(実施回/ Week)
15
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(内容/ Contents)
哲学は何のために
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(授業時間外の学習/ Assignments)
全体の復習をしておくこと
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受講者のレベルや関心領域に応じて,適宜進度や内容に変更を加えることもある。 講義の予習に関しては,講義の進度に応じて,あらかじめ配布したレジュメを読んでくることを求めることもある。 講義の復習に関しては,次回の講義冒頭で前回の講義内容に関する復習を兼ねた質疑応答を行うこともあるので,各自が必要と思えば,レジュメを元に復習しておくことが望ましい。
<成績評価基準/Evaluation Criteria>
平常点(出席等)
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10%
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講義内容に関する質問票を毎回回収,次回講義内容にフィードバックする。基準に関しては特に明示しない。
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中間レポート試験
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30%
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論旨の明確さと立論の根拠が明示されているかを基準とする。
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期末レポート試験
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30%
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中間レポートと同様
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期末筆記試験
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30%
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講義内容に従って設定されたテーマに沿って論理的明晰判明に記述されているか,を基準とする。
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授業時の指示に従い,自分の意見を根拠を明確にして論理的に述べられることを評価の基準とします。
<成績評価結果/Results of assessment>
成績評価の見方について/Notes for assessment
登録者数 |
成績評価(%) |
評点 平均値 |
備考
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A |
B |
C |
D |
F |
他 |
100 |
7.0 |
26.0 |
21.0 |
21.0 |
25.0 |
0.0 |
1.7 |
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<テキスト/Textbook>
特定のテキストは使用せず,毎回講義時にレジュメを配布する。
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<参考文献/Reference Book>
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その他の文献については必要と受講者の要望に応じて教室で指示します。
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<備考/Remarks>
上記予定は,受講者のレベルと関心に応じて,適宜変更することもある
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