シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


16000227-051 

△地域言語文化論2-51 (F.M.ドストエフスキイの文学)
Area Studies in Language and Culture 2-51 -Life and Works of F.M.Dostoevsky-
2単位/Unit  秋学期/Fall  今出川/Imadegawa  講義/Lecture

  松本 賢一

<概要/Course Content Summary>

 19世紀ロシアの小説家ドストエフスキイの作品はソビエト時代のロシアでは国外におけるほどの評価は得ていなかった。いくつもの作品に窺われる反共産主義的,反革命的傾向がその原因であるが,ソビエト連邦が消滅し,ソビエト連邦の国家体制を支えていたイデオロギーが力を弱めると共に,人々は改めてドストエフスキイの作品を読むようになったが,ソビエト時代の反動からか,今度は逆に彼の作品や思想の宗教的側面を強調し,彼の作品が持つヒューマニスティックな側面を強調するきらいがある。 
 ドストエフスキイはきわめて危険な民族主義的傾向を持つ作家である。ただし,この民族主義はロシアという国の歴史が持つ特性や,ドストエフスキイ自身の人生に深く根ざしたものであり,昨今流行の「~ファースト」のように単なるエゴイズムの言いかえではない。ドストエフスキイの民族主義的志向は,彼が作家として出発した時から持っている弱いものへの強い愛情とない交ぜになってもいる。そこが彼の作品や時評の魅力でもあり,難しいところでもある。 
 本講義では,ドストエフスキイの生涯を丁寧にたどり,併せて近代ロシアの歴史をも見ることによって,特に晩年になって強くなっていった彼の民族主義的傾向の変転を見ることにする。連続性の強い講義となるので,続けて出席することが望ましい。 
 
【キーワード】 ドストエフスキイ,ロシアの歴史,ロシア保守思想

<到達目標/Goals,Aims>

世界的に読み継がれている作家,ドストエフスキイの人生について語れるようになる 
近代ロシアの歴史について,西ヨーロッパと比較しつつ,その特性を説明できるようになる 
ドストエフスキイの作品に依拠しつつ,19世紀ロシアにおける保守思想と改革派の思想を区別できるようになる

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) (内容/ Contents) イントロダクション ドストエフスキイの文学について  (授業時間外の学習/ Assignments) 事典類でドストエフスキイの生涯と作品について読んでおく 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) ドストエフスキイの生涯(1)  (授業時間外の学習/ Assignments) 受講後知識を整理しておく 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) ドストエフスキイの生涯(2)  (授業時間外の学習/ Assignments) 受講後知識を整理しておく 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) ドストエフスキイの生涯(3)  (授業時間外の学習/ Assignments) 受講後知識を整理しておく 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) ドストエフスキイの生涯(4)  (授業時間外の学習/ Assignments) 受講後知識を整理しておく 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 1840年代のロシアと空想的社会主義  (授業時間外の学習/ Assignments) 受講後知識を整理しておく 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 1860年代ロシアと革命的民主主義  (授業時間外の学習/ Assignments) 受講後知識を整理しておく 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 『地下室の手記』  (授業時間外の学習/ Assignments) この回までにできれば『地下室の手記』を読んでおく 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 『罪と罰』について  (授業時間外の学習/ Assignments) 『罪と罰』という作品について調べておく 
(実施回/ Week) 10  (内容/ Contents) 土壌主義(1)  (授業時間外の学習/ Assignments) ピョートル1世について調べておく 
(実施回/ Week) 11  (内容/ Contents) 土壌主義(2)  (授業時間外の学習/ Assignments) 受講後知識を整理しておく 
(実施回/ Week) 12  (内容/ Contents) 『作家の日記』(1)  (授業時間外の学習/ Assignments) 受講後知識を整理しておく 
(実施回/ Week) 13  (内容/ Contents) 『作家の日記』(2)  (授業時間外の学習/ Assignments) 露土戦争(1877)について予備知識を得ておく 
(実施回/ Week) 14  (内容/ Contents) ドストエフスキイ作品における子供(1)  (授業時間外の学習/ Assignments) 受講後知識を整理しておく 
(実施回/ Week) 15  (内容/ Contents) ドストエフスキイ作品における子供(2)  (授業時間外の学習/ Assignments) 受講後知識を整理しておく 

ロシアの歴史については受講者の皆さんにとって耳新しいことがたくさん出てくると思います。混乱のない様に講義内容を絶えず整理してください。高校の世界史で出てくるような歴史的事件にも触れますので,そのような時は前もって調べておいてください。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点(出席,クラス参加,発表,グループ作業の成果等)  30%  出席点 
期末筆記試験  70%  授業内容の理解度を評価 

 

<成績評価結果/Results of assessment>   成績評価の見方について/Notes for assessment

    

登録者数

成績評価(%)

評点
平均値

備考

A B C D F
77 24.7 24.7 16.9 2.6 31.2 0.0 2.1

<テキスト/Textbook>

  ほぼ毎回プリントを配布します。 

 

<参考文献/Reference Book>

  どのような版でも構いませんから,ドストエフスキイの『地下室の手記』や『罪と罰』を読んでおけば講義が分かりやすくなると思います。 

 

 

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