シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


12223107 

△中国の経済
Chinese Economy
2単位/Unit  秋学期/Fall  今出川/Imadegawa  講義/Lecture

  鳥谷 一生

<概要/Course Content Summary>

 2010年,中国は日本のGDPを抜き,今やアメリカに次いで世界第二位の経済規模を擁するに至った。そして2018年,中国は「改革開放」から40周年を迎えた。だが,2008年のリーマン・ショック,2015年夏場の上海株式市場の崩落と人民元為替相場切り下げを契機に,従前の輸出指向工業化と地方政府による不動産開発型の高度経済成長も曲がり角に来ている。加えて,折からの米中経済摩擦により,今や中国経済の構造的脆弱性も明らかになりつつある。その一方で,中国は人民元「国際化」と「一帯一路」,そして‛made in China 2025‛の世界経済戦略を発表し,アメリカ主導の戦後世界経済秩序に挑戦を続けている。  
 本講義は,マクロ経済学・金融論・国際経済学・国際金融論の理論と分析ツールを用いて,現代中国経済について解説していく。本講義の全体は歴史と現状分析を軸に次の三部構成から成る。  
第一部は,今日の中国が成立した1949年から「改革・開放」前1970年代末までの中国の政治経済体制について説明する。  
第二部は,「改革・開放」と1994年人民元為替相場制改革によって既に明らかとなっていた国有企業問題,そして2001年WTO加盟を契機に高度経済成長を疾駆する中国経済の実情について解説する。  
第三部では,2008年リーマン・ショックを契機に中国が次々と打ち出した対内・対外経済政策について解説し,現代中国経済の現実に接近していく。  
 授業は「オンライン授業」のため,ppt資料に音声ファイルを付けてe-class経由で公開する。但し,授業はpptだけで説明できる内容ではないし,また対象でもないので,講義担当者の新刊書及び参考文献欄先頭に記しているテキストを使う。いずれかを必ず用意しておくように。

<到達目標/Goals,Aims>

 日本人の中国に対する印象は複雑であろう。しかし,好悪の情は別として,日本経済にとって中国は第一の貿易相手国である。アメリカ経済と同じく中国経済への理解なくしては,今日日本の経済社会を生きていくことはできない。受講生は,第二次世界大戦後の中国の歴史・経済・社会の移り変わりを理解することで,現代中国経済のみならず,日中を軸とした東アジア経済そして世界経済を視る眼を養うことができよう。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) 第一回  (内容/ Contents) はじめに-いま中国経済の何が問題か-   (授業時間外の学習/ Assignments) 事前にシラバスを読んでおくこと。 
(実施回/ Week) 第二回  (内容/ Contents) 清王朝崩壊と新中国の成立  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業の復習と予習 
(実施回/ Week) 第三回  (内容/ Contents) 中国型社会主義の政治経済体制  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業の復習と予習 
(実施回/ Week) 第四回  (内容/ Contents) 中国型社会主義の歩み -自力更生路線と文化大革命の挫折-  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業の復習と予習 
(実施回/ Week) 第五回  (内容/ Contents) 改革開放政策への転換 -停滞と混乱の70年代-  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業の復習と予習 
(実施回/ Week) 第六回  (内容/ Contents) 改革・開放政策について-農村改革-  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業の復習と予習 
(実施回/ Week) 第七回  (内容/ Contents) 改革・開放政策について-都市と農村-  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業の復習と予習 
(実施回/ Week) 第八回  (内容/ Contents) 改革・開放政策について-国有企業改革-  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業の復習と予習 
(実施回/ Week) 第九回  (内容/ Contents) 改革・開放政策について-人民元為替相場制度改革と金融資本市場  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業の復習と予習 
(実施回/ Week) 第十回  (内容/ Contents) 2001年WTO加盟と高度経済成長の実現  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業の復習と予習 
(実施回/ Week) 第十一回  (内容/ Contents) 2008年リーマン・ショックと人民元「国際化」  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業の復習と予習 
(実施回/ Week) 第十二回  (内容/ Contents) 地方政府の不動産開発と累積する債務  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業の復習と予習 
(実施回/ Week) 第十三回  (内容/ Contents) AIIB(アジア・インフラ投資銀行)と「一帯一路」戦略  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業の復習と予習 
(実施回/ Week) 第十四回  (内容/ Contents) 米中経済摩擦と中国経済の現実  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業の復習と予習 
(実施回/ Week) 第十五回  (内容/ Contents) 世界経済の中の中国経済-総括  (授業時間外の学習/ Assignments) 授業の総復習 

状況によって授業計画を変更することがあります。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

中間レポート試験  30%   
期末レポート試験・論文  70%   

第9回目にレポート提出 30% 理解度をみます。  
期末試験 70% 理解力・分析力など総合力をみます。

 

<成績評価結果/Results of assessment>   成績評価の見方について/Notes for assessment

    

登録者数

成績評価(%)

評点
平均値

備考

A B C D F
80 33.8 41.3 8.8 0.0 16.3 0.0 2.8 *

<テキスト/Textbook>

鳥谷一生  『中国・金融「自由化」と人民元「国際化」の政治経済学』初版  (晃洋書房、2020年) 上記著書をテキストして利用,授業で利用するpptは最小限とする。 

 

<参考文献/Reference Book>

山本和人・鳥谷一生編著  『世界経済論-岐路に立つグローバリゼーション-』初版 (ミネルヴァ書房、2019年)本書第10章で本講義の全体のアウトラインが記してある。 
 

柯隆  『強国復権の条件 「一帯一路」の大望とリスク』(慶應義塾大学出版会、2018年)中国出身のアナリストによる中国経済論である。 
 

A.R.クローバー  『チャイナ・エコノミー』(白桃書房、2018年)世界的に有名な中国研究者によるテキストである。世界の標準が理解できる。 
 

南亮進・牧野文夫  『中国経済入門』第4版 (日本評論社、2016年)開発経済学の観点からの中国経済論である。 
 

柴田聡  『中国金融の実力と日本の戦略』(PHP新書、2019年)中国との間で金融ビジネスを考える者には必読の書です。 
 

梶谷懐  『中国経済講義-統計の信頼性から成長のゆくえまで-』(中公新書、2018年)
 

<参照URL/URL>

http://homepage1.canvas.ne.jp/w111371201/ 
 
 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
Copyright(C) 2020 Doshisha University All Rights Reserved. 無断転載を禁止します。