シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


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△南アジアの政治と社会
South Asian Politics and Societies
2単位/Unit  秋学期/Fall  今出川/Imadegawa  講義/Lecture

  中溝 和弥

<概要/Course Content Summary>

南アジアは現在,大きく変化している。中国と並んで世界経済を牽引する存在として注目を集めるインドでは,下層階層が政治権力を掌握する下克上の時代を迎えている。「テロとの戦い」の前哨であるパキスタンでは軍政が倒れ,民主制へ移行した。このように南アジアは,例えば民主主義と紛争や暴力,民主主義と経済成長との関わりという社会科学の重要な課題を考察する上で,大変貴重なフィールドを提供している。本講義においては,南アジア地域研究を通じて世界が直面する重要な課題に取り組む手がかりを見つけたい。授業においては,理解を深めるために適宜映像教材,写真資料を使用する。

ガーンディーの勉強部屋

<到達目標/Goals,Aims>

南アジアに関する基本的な知識を身につけた上で,南アジア世界を超えて存在する貧困や暴力といった現在の世界が抱える重要な課題を考察する手がかりを得ることができる。 

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) 第1回  (内容/ Contents) 「南アジアを学ぶ」 
南アジア世界を学ぶことの意義を説明した上で,これからの授業の概要を説明する。 
(授業時間外の学習/ Assignments) 参考文献を読む。 
(実施回/ Week) 第2回  (内容/ Contents) 「イギリスの植民地支配」 
南アジアの近代を形成する上で大きな影響力を持ったイギリスによる植民地支配の影響を,ナショナリズム論に基づきながら多面的に説明する。 
(授業時間外の学習/ Assignments) 参考文献を読む。 
(実施回/ Week) 第3回  (内容/ Contents) 「ガーンディーの非暴力主義(1)思想」 
英領インドの独立に大きな役割を果たしたガーンディーの非暴力主義について,思想的側面を中心に説明する。 
(授業時間外の学習/ Assignments) 参考文献を読む。 
(実施回/ Week) 第4回  (内容/ Contents) 「ガーンディーの非暴力主義(2)実践」 
非暴力主義の思想がどのように実践に移されたか,インド独立運動の事例を用いて検討し,現代の暴力を克服する道を探る。 
(授業時間外の学習/ Assignments) 参考文献を読む。 
(実施回/ Week) 第5回  (内容/ Contents) 「インド・パキスタン分離独立」 
現在のインド・パキスタン関係を考察する上で欠かすことのできない分離独立の悲劇を,ガーンディーの非暴力主義と関連づけながら説明する。 
(授業時間外の学習/ Assignments) 参考文献を読む。 
(実施回/ Week) 第6回  (内容/ Contents) 「【インド】政治制度と政党政治の展開」 
独立後のインド政治の展開を,政治制度と政党政治の展開に着目しつつ考察する。 
(授業時間外の学習/ Assignments) 参考文献を読む。 
(実施回/ Week) 第7回  (内容/ Contents) 「【インド】経済政策の展開」 
経済成長で注目を集めるインドの経済政策を,独立から現在まで経済成長と民主主義のジレンマという観点から説明する。 
(授業時間外の学習/ Assignments) 参考文献を読む。 
(実施回/ Week) 第8回  (内容/ Contents) 「【インド】農村の政治と都市の政治」 
インドにおける農村と都市の政治を,フィールドワークに基づいて説明する。 
(授業時間外の学習/ Assignments) 参考文献を読む。 
(実施回/ Week) 第9回  (内容/ Contents) 「【インド】アイデンティティの政治(1)カースト」 
伝統的エリートによる支配は,民主主義の導入によって次第に崩れていった。その過程を,カーストをめぐる政治を軸にして解明する。 
(授業時間外の学習/ Assignments) 参考文献を読む。 
(実施回/ Week) 第10回  (内容/ Contents) 「【インド】アイデンティティの政治(2)宗教」 
伝統的支配の衰退は,宗教アイデンティティを重要な政治的争点とし,ついには宗教暴動に行き着いた。その過程について説明する。 
(授業時間外の学習/ Assignments) 参考文献を読む。 
(実施回/ Week) 第11回  (内容/ Contents) 「【インド】宗教暴動」 
宗教暴動の現実を,2002年グジャラート大虐殺を扱ったドキュメンタリーを鑑賞しながら説明する。 
(授業時間外の学習/ Assignments) 参考文献を読む。 
(実施回/ Week) 第12回  (内容/ Contents) 「【インド】競合的多党制の時代」 
1990年代以降現在に至る政党政治のダイナミズムを説明する。 
(授業時間外の学習/ Assignments) 参考文献を読む。 
(実施回/ Week) 第13回  (内容/ Contents) 「【パキスタン】軍政と民主化」 
独立以来民主主義を維持してきたインドとは異なり,パキスタンは民主主義体制と軍部が主導権を握る権威主義体制のサイクルを経験してきた。近年の民主化を踏まえつつ,パキスタン政治の動態を説明する。 
(授業時間外の学習/ Assignments) 参考文献を読む。 
(実施回/ Week) 第14回  (内容/ Contents) 「【国際関係】南アジアの国際関係」 
南アジアの国際関係を,冷戦といった世界大の国際関係の中に位置づけると同時に,印パ関係に代表される南アジア域内の国際関係に着目して説明する。 
(授業時間外の学習/ Assignments) 参考文献を読む。 
(実施回/ Week) 第15回  (内容/ Contents) 「【総括】南アジアのダイナミズム」 
これまでの授業内容を振り返り,南アジア政治のダイナミズムについて改めて説明する。 
(授業時間外の学習/ Assignments) 参考文献を読む。 

授業計画については,一部分変更する可能性があります。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

期末試験  100%  授業内容をよく理解し,与えられた設問に的確に答えることを評価する。 

 

<成績評価結果/Results of assessment>   成績評価の見方について/Notes for assessment

    

登録者数

成績評価(%)

評点
平均値

備考

A B C D F
34 5.9 20.6 8.8 11.8 52.9 0.0 1.1 *

<テキスト/Textbook>

テキストは特に指定しない。

<参考文献/Reference Book>

中溝和弥  『インド 暴力と民主主義-一党優位支配の崩壊とアイデンティティの政治-』初版 (東京大学出版会、2012年)インドに関する授業は,主に本書に依拠して行います。 
 

堀本武功・三輪博樹編  『現代南アジアの政治』初版 (放送大学教育振興会、2012)現代南アジア政治に関する入門書です。 
 

以上の参考文献以外の文献は,授業中に適宜指示します。

<備考/Remarks>

定期的に授業アンケートを実施します(講義期間中に3回を予定しています)。 

 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
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