シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


12213008 

△EUの政治
EU Politics
2単位/Unit  秋学期/Fall  今出川/Imadegawa  講義/Lecture

  鷲江 義勝

<概要/Course Content Summary>

本講義は,第2次世界大戦後のEU(欧州同盟)の政治史的展開を中心に解説する。その際,EUという既存の国際組織とは異なった超国家的国際組織の特徴を明確に浮かび上がらせることを常に念頭に置きつつ講義を行う。編年史的に話は展開するものの,全体的にEUをどう捉えるのかという視点を持って,EUの特徴をできるだけ適切に把握してもらうように講義する予定である。 
具体的には,テキストに沿って,EUの政治史を,政治家のリーダーシップが欧州統合の過程にいかに大きな影響を及ぼしたかという視点を用い,各時代を区分しつつ概説する。 
なお,履修済みまたは並行して履修すべき科目は特にない。

<到達目標/Goals,Aims>

EUの歴史的展開を通じて,欧州統合の特異性を理解して頂きたい。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) 第1回  (内容/ Contents) EUの概説 
EUとはどのような存在であるのかについての基本的知識の提供を行うことからはじめる。EUの歴史のみのならずEUの仕組み等も含めて受講生がEUの全体像をイメージできるようにEUの概説を行う。 
(授業時間外の学習/ Assignments) 教科書の該当箇所の予習と復習 
(実施回/ Week) 第2回  (内容/ Contents) EU前史 
第2次世界大戦以前の欧州における統合思想あるいは統合運動の歴史を振り返る。また,第2次世界大戦以降の欧州統合に多大な影響を与えたクーデンホーフ・カレルギーの欧州統合思想について解説する。 
(授業時間外の学習/ Assignments) 教科書の該当箇所の予習と復習 
(実施回/ Week) 第3回  (内容/ Contents) ハーグ欧州大会と欧州審議会の設立 
第2次世界大戦後の最初の欧州統合の節目であるハーグ欧州大会と欧州審議会の設立について解説する。欧州統合における連邦主義と連合主義の対立を明らかにする。 
(授業時間外の学習/ Assignments) 教科書の該当箇所の予習と復習 
(実施回/ Week) 第4回  (内容/ Contents) ECSCの設立 
現在のEUのひな形であるECSCの設立について解説する。独仏対立の要因であるアルザス・ロレーヌ地方の帰属問題,石炭産業や鉄鋼産業を巡る当時の問題などを解説する。 
(授業時間外の学習/ Assignments) 教科書の該当箇所の予習と復習 
(実施回/ Week) 第5回  (内容/ Contents) 欧州の安全保障問題(EDC,NATO,WEU) 
EDC構想を中心に第2次世界大戦後の欧州の安全保障問題について解説する。 
(授業時間外の学習/ Assignments) 教科書の該当箇所の予習と復習 
(実施回/ Week) 第6回  (内容/ Contents) EEC及びEAECの設立 
現在もEUの中心的組織であるEEC及び専門機関としての性格を強めつつあるEAECの設立に至る欧州統合の最初の過程を解説する。 
(授業時間外の学習/ Assignments) 教科書の該当箇所の予習と復習 
(実施回/ Week) 第7回  (内容/ Contents) 独仏枢軸と欧州統合のビジョン 
EUにおいて常に中心的役割を果たす独仏枢軸の発端であるドゴールとアデナウアーによる協力関係の構築とその結果としての独仏条約の締結について解説する。 
(授業時間外の学習/ Assignments) 教科書の該当箇所の予習と復習 
(実施回/ Week) 第8回  (内容/ Contents) ルクセンブルクの妥協 
EUの最大の危機であった65年危機の背景,経過及びその結果と影響について解説する。 
(授業時間外の学習/ Assignments) 教科書の該当箇所の予習と復習 
(実施回/ Week) 第9回  (内容/ Contents) EUの完成・進化・拡大 
ドゴール引退後の欧州統合の再出発の節目に開催されたハーグ首脳会議を取り上げ,当時の目標とされたEUの「完成・進化・拡大」の内容とその結果について解説する。 
(授業時間外の学習/ Assignments) 教科書の該当箇所の予習と復習 
(実施回/ Week) 第10回  (内容/ Contents) 欧州理事会の設置と経済通貨同盟及び予算問題 
1970年代以降のEUにおける中心的組織となった欧州理事会の創設について解説する。また,その際,当時の欧州理事会の主要議題となった経済通貨同盟と欧州通貨制度についても併せて解説する。 
(授業時間外の学習/ Assignments) 教科書の該当箇所の予習と復習 
(実施回/ Week) 第11回  (内容/ Contents) 予算戦争とEU財政改革 
予算戦争と呼ばれたサッチャーと他の加盟国首脳の対立をEU予算の構造的問題を含めて解説する。 
(授業時間外の学習/ Assignments) 教科書の該当箇所の予習と復習 
(実施回/ Week) 第12回  (内容/ Contents) 単一欧州議定書 
EUにおける最初の大改革であった単一欧州議定書の締結に至る背景及び改革の内容について解説する。 
(授業時間外の学習/ Assignments) 教科書の該当箇所の予習と復習 
(実施回/ Week) 第13回  (内容/ Contents) 欧州同盟条約の締結とドロール 
1990年代のEUの新たな政策目標を設定した欧州同盟条約(マーストリヒト条約)の締結に至る過程とその改革内容について解説する。 
(授業時間外の学習/ Assignments) 教科書の該当箇所の予習と復習 
(実施回/ Week) 第14回  (内容/ Contents) サッチャーの抵抗と独仏関係の新たな展開 
欧州同盟条約を巡るイギリスのサッチャー首相の抵抗と冷戦崩壊の際の混迷する独仏関係を取り上げ,冷戦後のEUの姿を巡る様々な論争を解説する。 
(授業時間外の学習/ Assignments) 教科書の該当箇所の予習と復習 
(実施回/ Week) 第15回  (内容/ Contents) 欧州統合の行方 
アムステルダム条約以降の欧州統合の大まかな流れを解説し,欧州統合の方向性を明らかにする。 
(授業時間外の学習/ Assignments) 教科書の該当箇所の予習と復習 

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

期末試験もしくは,期末レポートを予定しています。  100%  講義内容の理解度 

 

<成績評価結果/Results of assessment>   成績評価の見方について/Notes for assessment

    

登録者数

成績評価(%)

評点
平均値

備考

A B C D F
215 14.9 29.3 34.9 6.0 14.9 0.0 2.2 *

<テキスト/Textbook>

金丸 輝男編著  『ヨーロッパ統合の政治史』 (有斐閣、1996)

 

 

 

 

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