シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


12201052 

△グローバル地域文化教養セミナー2
Seminar in Global and Regional Liberal Arts 2
2単位/Unit  秋学期/Fall  今出川/Imadegawa  講義/Lecture

  肥後本 芳男

<概要/Course Content Summary>

【歴史学】 
 本セミナーは,歴史家はどのように史料と向き合い解釈を構築してきたのか,われわれにとって歴史研究の効用とは何かといったことを念頭に置き,歴史学の成立と変遷,今日歴史学を取り巻く諸問題などを検討することを目的とする。歴史学が従来暗記教科とみなされてきた高校世界史の学びとはまったく別ものであり,本来知的創造力に富む刺激的な学問分野であることを学んでほしい。このセミナーでは具体的には,1)史学史を振り返って歴史学の現在を考察し,2)史料考証とその限界について検討する。さらに3)歴史家による歴史像の構築について,事例としてフランス革命史論やアトランテック史を取り上げ,歴史的アプローチと様々な歴史解釈の可能性について議論する予定である。 
 授業では世界史の知識を十分にもたない学生にも理解できるように関連資料を適宜配布し,平明な解説を加える。本演習はディスカッションを軸にした少人数の双方向型授業である。遅刻や安易な欠席は厳禁。授業を通して歴史研究のダイナミズムや面白さ,学問的汎用性の広さを実感してほしい。毎回読書課題もありけっして楽な授業ではない。安易な履修登録は勧めない。読書や歴史が好きで意欲的に授業に取り組む学生を歓迎したい。

<到達目標/Goals,Aims>

学生は歴史学の変遷と現状について概要を把握することができる。 
学生は学問としての歴史的アプローチの有用性を学ぶことができる。 
学生はグローバルな諸問題について歴史的文脈で考えることができるようになる。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) (内容/ Contents) Introduction: 歴史学とは何か  (授業時間外の学習/ Assignments) 予習(1時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 史学史と歴史学の現在:「大きな物語」の解体  (授業時間外の学習/ Assignments) 予習(1時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 史学史と歴史学の現在:歴史をめぐる政治学  (授業時間外の学習/ Assignments) 予習(1時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 史料をどう読むか(1)  (授業時間外の学習/ Assignments) 予習(1時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 史料をどう読むか(2)  (授業時間外の学習/ Assignments) 予習(1時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 歴史家の仕事(1)  (授業時間外の学習/ Assignments) 予習(1時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 歴史家の仕事(2)  (授業時間外の学習/ Assignments) 予習(1時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 歴史学の未来  (授業時間外の学習/ Assignments) 予習(1時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) Review Session  (授業時間外の学習/ Assignments) 総復習(2時間) 
(実施回/ Week) 10  (内容/ Contents) 「環大西洋史」の中の革命(1)  (授業時間外の学習/ Assignments) 予習(1時間) 
(実施回/ Week) 11  (内容/ Contents) 「環大西洋史」の中の革命(2)  (授業時間外の学習/ Assignments) 予習(1時間) 
(実施回/ Week) 12  (内容/ Contents) 「環大西洋史」の中の革命(3)  (授業時間外の学習/ Assignments) 予習(1時間) 
(実施回/ Week) 13  (内容/ Contents) 人道主義の台頭と人権の概念  (授業時間外の学習/ Assignments) 予習(1時間) 
(実施回/ Week) 14  (内容/ Contents) 啓蒙思想と非ヨーロッパ世界  (授業時間外の学習/ Assignments) 予習(1時間) 
(実施回/ Week) 15  (内容/ Contents) Conclusion:クリオの声に耳を澄ませること  (授業時間外の学習/ Assignments) 予習(1時間) 

受講生の理解度や学習意欲に応じて授業進度に若干の遅速が生じることがある。今秋のコロナ禍の状況に応じて授業形態やシラバスの変更を余儀なくされることもある。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点(出席,クラス参加,グループ作業の成果等)  10%  遅刻3回で欠席1回とみなす 
小レポート  60%  学期中に2回のレポートを課す 
クラスで発表など  20%  全員に報告義務を課す 
提出物  10%  報告レジュメ等を準備し配布する 

上記の評価項目を客観的に勘案して総合的に評価する。なお欠席の目立つ者や報告をキャンセルした者は最終評価の対象から除外するので予め了解されたい。

<テキスト/Textbook>

リン・ハント(長谷川貴彦訳)  『なぜ歴史を学ぶのか』 (岩波書店、2019年) ISBN:978-4-00-024179-3  授業の主要テキストのひとつとして使用する。初回の授業で配布予定。(個別に購入の必要はありません) 

 

遅塚忠躬  『フランス革命-歴史における劇薬-』 (岩波書店、1997年) ISBN:4-00-500295-1  日本のフランス史研究者によるフランス革命試論,初回の授業で配布予定。(個別に購入の必要はありません) 

 

<参考文献/Reference Book>

ジョン・H・アーノルド(新広記訳)  『1冊でわかる歴史』(岩波書店、2003年)ISBN:4-00-026861-9 現在,入手困難な状況なのでプリント等で対応する。 
 

リン・ハント(長谷川貴彦訳)  『グローバル時代の歴史学』(岩波書店、2016年)ISBN:978-4-00-022640-0 21世紀初頭の歴史学を取り巻く現状を批判的に概観する著作。(参考書なので購入する必要はありません。図書館で借りて読むことができます) 
 

弓削尚子  『世界史リブレット 啓蒙の世紀と文明観』(山川出版社、2004年)啓蒙主義の光と影をコンパクトに論じる有益な書物。(参考書なので購入する必要はありません。図書館で借りて読むことができます) 
 

小田中直樹  『歴史学ってなんだ?』(PHP新書、2004)「歴史学とは何か」について初学者にも理解しやすいように解説されています。(現在絶版になっていますが,図書館で借りて読むことができます) 
 

<備考/Remarks>

担当教員への連絡は,基本的に授業直後の時間帯に行うこと。それ以外の場合はDUETのメッセージ機能やe-classから連絡を試みること。それでも連絡が取れない場合は教員の所属学部事務室にて相談すること。 

 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
Copyright(C) 2020 Doshisha University All Rights Reserved. 無断転載を禁止します。