シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


12200054-303 

△グローバル地域文化発展セミナーⅡ-303
Junior Seminar in Global and Regional Studies II-303
2単位/Unit  秋学期/Fall  今出川/Imadegawa  演習/Seminar

  和泉 真澄

<概要/Course Content Summary>

北アメリカ文化の多様性を前提に,アメリカスに関する文化現象(アメリカスに関係していれば調査対象地域は問わない)に関して,学生がおのおの関心のある研究課題について,春学期末に作成した「リサーチ・クエスチョン」からさらに焦点を絞り,明確なものにしていきます。授業では,アメリカ社会の多様性に関する主要なイシューについての議論の方向性および議論の仕方に大きな変化を与えたウォーレン・コート(1953-1969)に関する本を輪読し,アメリカ社会の1950年代から現代までの多様性をめぐる論争や社会的現実に関する批判的考察をゼミ生全員で共有するために,共通のリーディング課題をこなす。授業の前半の1時間でリーディング課題のまとめと内容に関する質問・コメントを出し合い,ディスカッションをします。あとの30分は,各自の研究の進捗状況について発表する時間を設けます。各自の研究において疑問などが出た場合には,クラスに持ち寄り,議論できるように書きとめておいてください。学期の最後には,個々の学生が関心事項について発表し,参加者全員で研究課題の現代的意義と妥当性,資料収集の方法,分析手法や,分析に有用な理論とその限界などについて議論を行います。リーディング課題は履修者が分担して授業で内容の要約を行いますが,発表者以外は1枚程度の要旨・コメント・質問シートを毎回提出してください。ゼミなので,自分の発表が当たっていなくても,授業中に必ず少なくとも一回は質問ないしは発言をしてください。沈黙は無関心と同じことと解釈します。

<到達目標/Goals,Aims>

卒業研究につながるよう,「リサーチ・クエスチョン」,ならびにそれに答えるために使う資料と方法論をより具体化する。  
アメリカ社会の多様性に関する議論を批判的に理解し,現代社会が直面するさまざまな問題について有機的に考察する。 
アメリカ憲法の仕組みと最高裁の役割を理解し,アメリカの社会と法とのダイナミックな関係を学ぶ。 
歴史や法に関する知識を自分の「リサーチ・クエスチョン」作りに活かせるようになる。  
他の学生の発表に関して,建設的かつクリティカルに意見や質問を出せるようになる。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) 第1回  (内容/ Contents) Introduction and Orientation  
各自の「リサーチ・クエスチョン」の発表,討論(1) 
(授業時間外の学習/ Assignments) 各自の「リサーチ・クエスチョン」の確認(1時間) 
(実施回/ Week) 第2回  (内容/ Contents) 各自の「リサーチ・クエスチョン」の発表,討論(2)  (授業時間外の学習/ Assignments) 各自の「リサーチ・クエスチョン」の確認(1時間) 
(実施回/ Week) 第3回  (内容/ Contents) The Justices of the Warren Court   (授業時間外の学習/ Assignments) Horwitz, pp.3-14.  
個人発表(2時間) 
(実施回/ Week) 第4回  (内容/ Contents) Brown v. Board of Education: Setting the Themes of the Warren Court  (授業時間外の学習/ Assignments) Horwitz, pp.15-23.  
個人発表 (2時間) 
(実施回/ Week) 第5回  (内容/ Contents) Brown I, Brown II  (授業時間外の学習/ Assignments) Horwitz, pp.23-31. 
個人発表(2時間) 
(実施回/ Week) 第6回  (内容/ Contents) Desegregation and the First Amendment  (授業時間外の学習/ Assignments) Horwitz, pp.32-40. 
個人発表(2時間) 
(実施回/ Week) 第7回  (内容/ Contents) The Civil Rights Movement  (授業時間外の学習/ Assignments) Horwitz, pp.41-51. 
個人発表(2時間) 
(実施回/ Week) 第8回  (内容/ Contents) The Supreme Court, McCarthyism and the First Amendment  (授業時間外の学習/ Assignments) Horwitz, pp.52-62. 
個人発表(2時間) 
(実施回/ Week) 第9回  (内容/ Contents) Standing Up to McCarthyism  (授業時間外の学習/ Assignments) Horwtiz, pp.62-73. 
個人発表(2時間) 
(実施回/ Week) 第10回  (内容/ Contents) Evolving Concept of Democracy  (授業時間外の学習/ Assignments) Horwitz, pp.74-82. 
個人発表(2時間) 
(実施回/ Week) 第11回  (内容/ Contents) One Person, One Vote: The Reapportionment Cases  (授業時間外の学習/ Assignments) Horwitz, pp.82-98.  
個人発表(2時間) 
(実施回/ Week) 第12回  (内容/ Contents) Democratic Culture  (授業時間外の学習/ Assignments) Horwitz, pp.99-115.  
個人発表(2時間) 
(実施回/ Week) 第13回  (内容/ Contents) 方法論および資料紹介を中心とした改訂版「リサーチ・クエスチョン」の発表(1)  (授業時間外の学習/ Assignments) 各自の「リサーチ・クエスチョン」の発表準備(1時間) 
(実施回/ Week) 第14回  (内容/ Contents) 方法論および資料紹介を中心とした改訂版「リサーチ・クエスチョン」の発表(2)  (授業時間外の学習/ Assignments) 各自の「リサーチ・クエスチョン」の発表準備(1時間) 
(実施回/ Week) 第15回  (内容/ Contents) 方法論および資料紹介を中心とした改訂版「リサーチ・クエスチョン」の発表(3)  (授業時間外の学習/ Assignments) 各自の「リサーチ・クエスチョン」の発表準備(1時間) 

授業内容および計画は,履修者の関心,スケジュールなどによって変更する可能性がある。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点(出席,クラス参加,グループ作業の成果等)  10%  毎回出席が原則。止むを得ず欠席する場合は,かならず担当者に連絡すること。発表の日の無断欠席は厳禁。 
小レポート  20%  発表が当たっていないときは,リーディングの要旨・コメント・質問シートを提出すること。 
期末レポート試験・論文  30%  学期末に改訂した「リサーチ・クエスチョン」およびそれに応えるための方法と資料に関して,レポートを提出すること。  
クラスで発表など  30%  リーディング課題の担当箇所の内容をまとめて発表すること。 また,研究の進捗状況について発表する。 
クラスへの貢献度  10%  クラス・ディスカッションに積極的に参加すること。自主的な質問や発言回数によって評価を行う。 

<テキスト/Textbook>

Horwitz, Morton J. , The Warren Court and the Pursuit of Justice .   (Hill and Wang, 1998) .  1953年から1969年の間,アール・ウォーレン首席判事によって率いられた合衆国最高裁判所(ウォーレン・コート)は,人種・ジェンダー・表現の自由・公民権・投票権・犯罪容疑者の権利,プライバシーの権利など,現代にもつながるアメリカの種々の問題に関して革新的な判決を次々と出し,司法のみならず,アメリカ社会を根底から揺さぶる大きな変化を牽引した。このウォーレン・コートに関するハーバード大学の法学教室での講義を基にした教科書を輪読することで,アメリカ文化・社会・現代史をより深く理解するとともに,現在のアメリカで論争の対象となっている様々なイシューがどのような論理で議論されるのかに関するリテラシーを養います。各自の卒論テーマと絡めて,クラス共通して考える材料を提供してくれるでしょう。 

 

<参考文献/Reference Book>

渡辺靖編,和泉真澄ほか著  『ワードマップ 現代アメリカ-日米比較のなかで読む-』(新曜社、2014)現代アメリカについて,政治,経済,社会,文化,外交の面から,最新の情報を入れつつ解説する概説書。文化研究は社会構造の文脈に関する広い知識が必要なので,アメリカ社会全般について基本的な事項をおさえておくことは大切です。 
 

日本カナダ学会編  『はじめて出会うカナダ』(有斐閣、2009)カナダに関する入門的な解説書です。カナダを考えるには,国家と文化,国家と言語,国策としての多文化主義など,アメリカとは異なる概念やキーワードが用いられるところが興味深いです。 
 

<備考/Remarks>

担当教員への連絡は,基本的に授業直後の時間帯に行うこと。それ以外の場合はDUETのメッセージ機能やe-classから連絡を試みること。それでも連絡が取れない場合は教員の所属学部事務室にて相談すること。 

 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
Copyright(C) 2020 Doshisha University All Rights Reserved. 無断転載を禁止します。