シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


12200054-105 

△グローバル地域文化発展セミナーⅡ-105
Junior Seminar in Global and Regional Studies II-105
2単位/Unit  秋学期/Fall  今出川/Imadegawa  演習/Seminar

  小野 文生

<概要/Course Content Summary>

このセミナーでは,主にヨーロッパおよびグローバル社会における「思想」「宗教」「教育」のいずれかについて多角的な視点から考察し,深く思考するために必要な研究アプローチの「構え」を学ぶ。この授業の基礎的関心は,システム(体系/制度)成立の過程で「影」「他なるもの」「余剰」として排除/包摂されるもの,あるいはそういったものとしてさえ承認されることのない「残りもの」の存在がどのような機制において生み出されるのか,そしてまた,そのような事態に対してわれわれはどのように向き合えばよいか,という問題にある。これらの問題を考察するうえで重要な文献を共同で読んでいく。そこから受講者は,各自の関心に応じた具体的な主題と対象を探索することが課題となる(たとえば啓蒙,歴史と記憶,共同体,人権,正義,公共性,ナショナリズム,故郷/異郷,ユダヤ教,キリスト教,他者,生政治,公教育,公教育以外の教育文化,倫理,戦争,カタストロフィ,差別など)。 
具体的には,重要文献の講読と共同討議のほか,とりわけ発展セミナーⅡでは,卒業論文へ向けて各自のテーマ設定と問いの深化に力点が置かれる。文献リストの作成,先行研究のリサーチ,主要文献の読解をおこない,中間的な報告をしてもらう。

<到達目標/Goals,Aims>

①セミナーで扱うテーマに関して,基本的な概念や理論,方法について知識を深めることができる。 
②文献を多層的に広く深く読む力と,研究アプローチの手法の基本を身に着けることができる。 
③「よい問い」とは何かを理解するとともに,自己にとって大切な問いとテーマの概要を述べることができる。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) (内容/ Contents) オリエンテーション  (授業時間外の学習/ Assignments) 夏季休暇中の成果の確認,課題文献の入手および次回準備(1時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 社会問題や受苦という主題を扱った指定文献の講読と共同討議(1)  (授業時間外の学習/ Assignments) 文献の読解と論点の提示(全員),レジュメ準備(担当者)(1時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 社会問題や受苦という主題を扱った指定文献の講読と共同討議(2)  (授業時間外の学習/ Assignments) 文献の読解と論点の提示(全員),レジュメ準備(担当者)(1時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 社会問題や受苦という主題を扱った指定文献の講読と共同討議(3)  (授業時間外の学習/ Assignments) 文献の読解と論点の提示(全員),レジュメ準備(担当者)(1時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 社会問題や受苦という主題を扱った指定文献の講読と共同討議(4)  (授業時間外の学習/ Assignments) 文献の読解と論点の提示(全員),レジュメ準備(担当者)(1時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 社会問題や受苦という主題を扱った指定文献の講読と共同討議(5)  (授業時間外の学習/ Assignments) 文献の読解と論点の提示(全員),レジュメ準備(担当者)(1時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 社会問題や受苦という主題を扱った指定文献の講読と共同討議(6)  (授業時間外の学習/ Assignments) 文献の読解と論点の提示(全員),レジュメ準備(担当者)(1時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 中間のまとめ,各自の問題関心とテーマの共有  (授業時間外の学習/ Assignments) レジュメ準備(全員)(1時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 社会問題や受苦という主題を扱った指定文献の講読と共同討議(7)  (授業時間外の学習/ Assignments) 文献の読解と論点の提示(全員),レジュメ準備(担当者)(1時間) 
(実施回/ Week) 10  (内容/ Contents) 社会問題や受苦という主題を扱った指定文献の講読と共同討議(8)  (授業時間外の学習/ Assignments) 文献の読解と論点の提示(全員),レジュメ準備(担当者)(1時間) 
(実施回/ Week) 11  (内容/ Contents) 社会問題や受苦という主題を扱った指定文献の講読と共同討議(9)  (授業時間外の学習/ Assignments) 文献の読解と論点の提示(全員),レジュメ準備(担当者)(1時間) 
(実施回/ Week) 12  (内容/ Contents) 外部からの実務家ゲストスピーカーによる講演と対話  (授業時間外の学習/ Assignments) レジュメ準備(全員)とふりかえり(1時間) 
(実施回/ Week) 13  (内容/ Contents) 受講者各自の研究構想報告(1)(先行研究と重要文献の分析,今後の計画)  (授業時間外の学習/ Assignments) レジュメ準備(担当者),自分のテーマに沿った研究(全員)(1時間) 
(実施回/ Week) 14  (内容/ Contents) 受講者各自の研究構想報告(2)(先行研究と重要文献の分析,今後の計画)  (授業時間外の学習/ Assignments) レジュメ準備(担当者),自分のテーマに沿った研究(全員)(1時間) 
(実施回/ Week) 15  (内容/ Contents) 受講者各自の研究構想報告(3)(先行研究と重要文献の分析,今後の計画)と総括  (授業時間外の学習/ Assignments) レジュメ準備(担当者),自分のテーマに沿った研究(全員)(1時間) 

受講者と相談のうえ,文献,内容,進め方を若干変更する可能性がある。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点(出席,クラス参加,グループ作業の成果等)  40%  レジュメと発表の内容,討議への貢献度 
期末レポート試験・論文  60%  課題文献に関するレポート,および各自のテーマに関する報告と研究計画。発展可能性と完成度を見る。 

特別な理由(忌引きなど)を除き,欠席は認めない。無断欠席も不可。レジュメ担当者はむろんのこと,受講者全員が十分な準備をして授業に臨むことが求められる。

<テキスト/Textbook>

参加者と相談しながら参考文献またはその他の文献から,講読テクストを選ぶ。その他,適宜授業のなかで紹介する。

<参考文献/Reference Book>

マーサ・C・ヌスバウム  『正義のフロンティア-障碍者・外国人・動物という境界を越えて-』(法政大学出版局、2012)ISBN:978-4-588-60325-9 
 

ジョルジョ・アガンベン  『人権の彼方に-政治哲学ノート-』(以文社、2000)ISBN:4-7531-0212-2 
 

ジョルジョ・アガンベン  『アウシュヴィッツの残りもの-アルシーヴと証人-』(月曜社、2001)ISBN:978-4-901477-00-0 
 

イヴァン・イリイチ  『コンヴィヴィアリティのための道具』ちくま学芸文庫版 (筑摩書房、2015)ISBN:978-4-480-09688-3 
 

永野三智  『みな,やっとの思いで坂をのぼる-水俣病患者相談のいま-』(ころから出版、2018)ISBN:978-4-907239-33-6 
 

池上良正・小田淑子・島薗進・末木文美士・関一敏・鶴岡賀雄(編集)  『岩波講座 宗教(全10巻)』(岩波書店、2004)
 

今村仁司  『近代の思想構造-世界像・歴史意識・労働-』(人文書院、1998)
 

今村仁司  『近代性の構造(講談社選書メチエ)-「企て」から「試み」へ-』(講談社、1994)
 

山名淳・矢野智司編  『災害と厄災の記憶を伝える-教育学は何ができるのか-』(勁草書房、2017)
 

石牟礼道子  『苦海浄土-わが水俣病-』新装版 (講談社、2004)
 

<備考/Remarks>

担当教員への連絡は,基本的に授業直後の時間帯に行うこと。それ以外の場合はDUETのメッセージ機能やe-classから連絡を試みること。それでも連絡が取れない場合は教員の所属学部事務室にて相談すること。 

 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
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