シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


11700208 

△比較認知心理学
Animal Cognition
2単位/Unit  秋学期/Fall  京田辺/Kyotanabe  講義/Lecture

  黒島 妃香

<概要/Course Content Summary>

内容  
 「知性」や「認知」といった動物の心の働きは,数十億年にわたる進化の所産である。ヒトとヒト以外の動物種の心の働きを比較することにより,心の進化の過程と多様性を明らかにしようとする学問領域を「比較認知科学」と呼んでいる。講義では,学習の原理について復習した後,比較認知科学的観点から,多様な動物種の感覚や知覚,記憶,言語,概念形成,感情,社会的知性,意識などについて現在までに得られた知見を紹介し,心の多様性とその進化について論じるとともに,ヒトの心の位置づけを考える。 
 講義を聴講する上で,心理学,特に学習と認知に関する基礎知識を持っていることが望ましいが,必須ではない。 
キーワード 心,知性,感情,進化,動物 
授業の進め方 毎回パワーポイントを使用して講義する。不定期に小テストを課す。 

<到達目標/Goals,Aims>

ヒトを含む多くの動物たちがもつ心の多様性を学び,ヒトの心を相対化することを通じて,ヒト中心主義を脱し,心の進化を考察する。全ての動物がその生息環境に応じた「こころ」や「知性」を有しているという知識を修得する。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 序論: 比較認知科学とは何かを論じる  (授業時間外の学習/ Assignments) ノートの整理・復習(1時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 学習1: 学習とは何かを述べ,学習の基本的諸原理を簡単に論じる  (授業時間外の学習/ Assignments) ノートの整理・復習(1時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 学習2: 学習を生物学的現象として捉え,多様な学習の実際とその意義を述べる  (授業時間外の学習/ Assignments) ノートの整理・復習(1時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 感覚と知覚1: 多様な動物たちの色の知覚を明らかにし,ヒトの色知覚をその中に位置づける  (授業時間外の学習/ Assignments) ノートの整理・復習(1時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 感覚と知覚2: 多様な動物たちの形の認識を明らかにし,ヒトの形認識をその中に位置づける  (授業時間外の学習/ Assignments) ノートの整理・復習(1時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 記憶: 多様な動物たちの記憶機能を明らかにし,ヒトと比較してその特徴を論じる  (授業時間外の学習/ Assignments) ノートの整理・復習(1時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 物理的知性1: 動物たちの概念と思考の特徴を明らかにし,ヒトと比較する  (授業時間外の学習/ Assignments) ノートの整理・復習(1時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 物理的知性2: 動物たちの道具使用の多様性を示し,ヒトと比較してその特徴を論じる  (授業時間外の学習/ Assignments) ノートの整理・復習(1時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) コミュニケーション: 動物たちのコミュニケーションの多様性と言語的能力を論じる  (授業時間外の学習/ Assignments) ノートの整理・復習(1時間) 
(実施回/ Week) 10  (内容/ Contents) 感情: 動物たちの感情の働きを明らかにし,ヒトと比較してその特徴を論じる  (授業時間外の学習/ Assignments) ノートの整理・復習(1時間) 
(実施回/ Week) 11  (内容/ Contents) 社会的知性1: 欺きや協力など,動物たちの戦術的社会的技能を紹介する  (授業時間外の学習/ Assignments) ノートの整理・復習(1時間) 
(実施回/ Week) 12  (内容/ Contents) 社会的知性2: 動物たちの戦術的社会的技能の背後にある基礎的能力を論じる  (授業時間外の学習/ Assignments) ノートの整理・復習(1時間) 
(実施回/ Week) 13  (内容/ Contents) 意識と内省1: 自分自身あるいは自身の内部で生じる事象に関する動物たちの認識を示す   (授業時間外の学習/ Assignments) ノートの整理・復習(1時間) 
(実施回/ Week) 14  (内容/ Contents) 意識と内省2: 心の中で時間を超越する働きについて論じる  (授業時間外の学習/ Assignments) ノートの整理・復習(1時間) 
(実施回/ Week) 15  (内容/ Contents) まとめ  (授業時間外の学習/ Assignments) 本講義全体の復習(3時間) 

e-classで教材を毎週配信します。講義ごとに教材内で小テストや小レポート課題を提示しますので,毎週提出してください。期末試験は行わず,期末レポート課題を提示します。成績は,講義ごとの小レポートや小テストの成績と期末レポートの成績を合算して算出します。授業資料や各課題に関する質問は随時メールにて受け付けます。授業計画は変更される場合もあります。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

小レポート  30%  提出回数と内容の的確さを評価する。 
期末レポート試験・論文  50%  内容の的確さを評価する。 
小テスト  20%  提出回数と内容の的確さを評価する。 

出席回数が著しく少ない場合には単位を認定しない。授業内で行う小テストは,講義期間を通じて不定期に2-3回実施する。試験の実施日等についてはWEBにて確認し,手違いのないようにしてもらいたい。

 

<成績評価結果/Results of assessment>   成績評価の見方について/Notes for assessment

    

登録者数

成績評価(%)

評点
平均値

備考

A B C D F
109 22.0 29.4 20.2 15.6 12.8 0.0 2.3

<テキスト/Textbook>

藤田和生  『比較認知科学』 (放送大学教育振興会、2017) 2011年出版の「比較行動学」の改訂版。本講義はこの本の内容に沿って授業を進める。聴講時に必携のものではないが,諸動物の学習と認知に関する最新の知見を平易に解説してあり,さらに最先端の情報が盛り込まれているため,授業の予習・復習を行う上で有意義である。 

 

<参考文献/Reference Book>

藤田和生  『比較認知科学への招待-「こころ」の進化学-』(ナカニシヤ出版、1998)ISBN:4-88848-437-6 比較認知科学の入門用テキスト。比較認知心理学における多様な研究が詳細に記してある。授業の理解を深める上で役に立つ。 
 

藤田和生  『動物たちのゆたかな心』(京都大学学術出版会、2007)ISBN:9784876988228 比較認知科学のいくつかのトピックについて,講師の研究を中心に平易に述べた本である。上記テキストを補完するものとして有意義である。 
 

藤田和生(編著)  『動物たちは何を考えている?-動物心理学の挑戦-』(技術評論社、2015)ISBN:9784774172583 動物たちの心の働きをQandA方式で解説した本。学習の基礎から最新のトピックまで,広範囲の内容を平易に解説している。 
 

<備考/Remarks>

「見る」「聴く」「話す」「四肢を使って作業する」など,心身の機能障がいのため「社会的障壁」となる内容が含まれる場合があるが,「合理的配慮」として代替措置をとることが可能なものもある。 

 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
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