シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


11700201 

△生理心理学
Physiological Psychology
2単位/Unit  秋学期/Fall  京田辺/Kyotanabe  講義/Lecture

  畑 敏道

<概要/Course Content Summary>

行動成立の背景には神経系の活動がある。生理心理学は行動を神経系の活動によって説明しようとする実験心理学の一分野である。本講義ではまず脳神経系の構造および機能に関する基本的な知識について解説する。その後,学習や記憶,感情などの生理学的反応の機序,またこれらの高次脳機能の障害の概要,脳内報酬系に関連する行動,時間に関連する行動などをとりあげ,これらの行動がどのような神経系の働きによって成立しているのかについて解説する。扱う行動は様々だが,その背後には共通した生理心理学的な問題設定の仕方や手法がある。講義全体を通じてこれらの側面に対する理解を深め,自らの研究テーマを生理心理学的な視点からとらえられるようになってほしい。

<到達目標/Goals,Aims>

神経系の基本的な機能や構造を理解し,行動を「文学的」にではなく,生物のしくみに基づいた現象としてとらえる視点を持てるようになる。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) (内容/ Contents) オリエンテーション  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義内容の復習(1時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 神経系の解剖学(脳の構造と機能)  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義内容の予習と復習(2時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 高次脳機能の障害  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義内容の予習と復習(2時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) ニューロンの構造と機能(神経伝導と神経伝達)  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義内容の予習と復習(2時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 細胞内シグナル伝達と遺伝子発現  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義内容の予習と復習(2時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 学習・記憶と脳1(記憶障害の事例を中心に)  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義内容の予習と復習(2時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 学習・記憶と脳2(海馬を中心とした実験的研究)  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義内容の予習と復習(2時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 学習・記憶と脳3(学習・記憶の生理学的基盤)  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義内容の予習と復習(2時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 学習・記憶と脳4(学習・記憶の分子的基盤)  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義内容の予習と復習(2時間) 
(実施回/ Week) 10  (内容/ Contents) 感情と脳(扁桃体と脳内報酬系)  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義内容の予習と復習(2時間) 
(実施回/ Week) 11  (内容/ Contents) 脳内報酬系と薬物嗜癖  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義内容の予習と復習(2時間) 
(実施回/ Week) 12  (内容/ Contents) 時間と脳(1)(睡眠とサーカディアンリズム)  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義内容の予習と復習(2時間) 
(実施回/ Week) 13  (内容/ Contents) 時間と脳(2)(時間評価の測定法)  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義内容の予習と復習(2時間) 
(実施回/ Week) 14  (内容/ Contents) 時間と脳(3)(時間評価のモデル)  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義内容の予習と復習(2時間) 
(実施回/ Week) 15  (内容/ Contents) 時間と脳(4)(時間評価の神経基盤)  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義内容の予習と復習(2時間) 

授業計画は授業の進展状況などに応じて変更になる場合もある。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

出席  20%  e-classでの小テストへの回答を出席点とする 
小テストの得点  30%  e-classで毎回実施する小テストの得点を反映させる 
期末レポート  50%  授業内容に関するレポートを要求する 
特記事項    授業で募集する実験や調査などへの参加による学習,もしくはそれに替わる課題により,総合的に判断し評価に加味する。 

 

<成績評価結果/Results of assessment>   成績評価の見方について/Notes for assessment

    

登録者数

成績評価(%)

評点
平均値

備考

A B C D F
145 13.8 40.0 21.4 2.8 22.1 0.0 2.2 *

<テキスト/Textbook>

  使用しない。 

 

<参考文献/Reference Book>

佐藤 敬ほか(訳)  『ピネルバイオサイコロジー-脳-心と行動の神経科学-』(西村書店、2005)
 

加藤宏司ほか(監訳)  『ベアー コノーズ パラディーソ神経科学-脳の探求-』(西村書店、2007)
 

古川 聡ほか(著)  『脳とこころの不思議な関係-生理心理学入門-』(川島書店、1998)
 

泰羅雅登ほか(監訳)  『カールソン神経科学テキスト-脳と行動-』(丸善、2008)
 

<備考/Remarks>

実験心理学(実験計画)と学習心理学(主に条件づけ)の基本的な知識があると理解が進みやすいです。さらに,認知科学,生理学,解剖学(主に神経系),分子生物学などの基本的な知識を吸収するように常に努めてください。基礎系心理学だけでなく,臨床心理学を志す方の受講も特に強く奨めます。「文系だから」という自己規制はやめましょう。かたくなな,偏った見方以外,そこからは何も生まれません。私自身高校では生物も化学も物理も数学も,必修の内容以上の勉強はしていない,バリバリの「文系」です。少しの我慢が必要ですが(特に前半),心や行動を不思議だと思っている人になら誰にでも,興味深い内容であるはずだと思います。 
「見る」「聴く」「話す」「四肢を使って作業する」など,心身の機能障がいのために「社会的障壁」となる内容が毎回の授業に含まれますが,「合理的配慮」として代替措置をとることが可能なものもあります。 

 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
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