シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


11655110 

△計算代数Ⅱ
Computer Algebra II
2単位/Unit  秋学期/Fall  京田辺/Kyotanabe  講義/Lecture

  渡邊 芳英

<概要/Course Content Summary>

最初の2回程度で計算機代数システムMaple(同志社で導入されているが有料)とREDUCE(無料)の基本的な使い方を学び,計算機代数システムとはどのようなものでどのようなことが計算できるかを学ぶ.さらに,現代の計算機代数システムにおいて重要な構成要素となる多項式環のイデアルのグレブナー基底について基礎概念を学ぶとともに,MapleやREDUCEでの使い方を実習を通して学ぶ.その後は講義で,アフィン代数幾何の初歩について述べた後,グレブナー基底を用いたアフィン代数幾何の様々なアルゴリズムについて説明する.最後にグレブナー基底を用いて整数計画問題と解くためのアルゴリズムであるConti-Traversoのアルゴリズムについて解説し,その後,実習を通してそのアルゴリズムの実際を学ぶ.

<到達目標/Goals,Aims>

計算機代数システムとはどのようなものであって,どのような計算が可能であるかを,REDUCEとMapleを通じて理解し,そのような計算機代数システムを使いこなせるようになる.また,計算機代数システムの重要な構成要素であるグレブナー基底についてその基礎的な概念と,アフィン代数幾何の基礎事項とのかかわりについて理解すること.さらに,最後にグレブナー基底の応用としてトーリックイデアルのグレブナー基底を用いて整数計画問題を解くアルゴリズムを理解し,実際に整数計画問題が解けるようになる.

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 計算機代数システムREDUCEの基礎(1)何ができるか(実習)  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習を行うこと 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 計算機代数システムREDUCEの基礎(2)簡単なプログラム(実習)  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習を行うこと 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) REDUCEでの拡張されたEUCLIDのアルゴリズム(実習)  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習を行うこと 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 多項式環とイデアル  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習を行うこと 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 単項式順序とグレブナー基底  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習を行うこと 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) グレブナー基底に対するブッフバーガーの判定条件と構成アルゴリズム  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習を行うこと 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) REDUCEとMapleによるグレブナー基底計算(実習)  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習を行うこと 
(実施回/ Week) 8   (内容/ Contents) イデアルとアフィン多様体  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習を行うおと 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) ヒルベルトの零点定理とイデアルとアフィン多様体の対応  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習を行うこと 
(実施回/ Week) 10  (内容/ Contents) 消去定理と拡張定理  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習を行うこと 
(実施回/ Week) 11  (内容/ Contents) イデアルの様々な演算とアフィン多様体  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習を行うこと 
(実施回/ Week) 12  (内容/ Contents) トーリックイデアルとグレブナー基底  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習を行うこと 
(実施回/ Week) 13  (内容/ Contents) 整数計画問題をグレブナー基底を用いて解く(1) 
標準形の整数計画問題 
(授業時間外の学習/ Assignments) 復習を行うこと 
(実施回/ Week) 14  (内容/ Contents) 整数計画問題をグレブナー基底を用いて解く(2) 
標準形でない整数計画問題 
(授業時間外の学習/ Assignments) 復習を行うこと 
(実施回/ Week) 15  (内容/ Contents) 総括  (授業時間外の学習/ Assignments) 出来なかった問題をもう一度考えてみること 

演習などで履修者の理解度を見ながら講義を進める.局所環のグレブナー基底については,講義の進度が遅くなった場合には取り扱わない(そうなる可能性が大きい)

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

計算機実習の参加の平常点  15%  REDUCEやMapleを用いたグレブナー基底の使い方等に関する実習を行うが,これらの計算機代数システムの使い方を理解しているかどうかをレポートなどで評価する. 
講義中の演習  15%  講義中に講義内容に関する基礎的な証明問題や計算問題を演習課題として演習を行いその出来具合を評価する. 
期末筆記試験  70%  講義で述べたことに対する理解度を問う.計算問題も出題するが,簡単な証明問題も出題する. 

 

<成績評価結果/Results of assessment>   成績評価の見方について/Notes for assessment

    

登録者数

成績評価(%)

評点
平均値

備考

A B C D F
21 33.3 14.3 19.0 9.5 23.8 0.0 2.2

<テキスト/Textbook>

テキストは指定しない.必要に応じてプリントを配布する.

<参考文献/Reference Book>

コックス,リトル,オシー著,落合啓之,示野信一,西山享,室正和,山本敦子訳  『グレブナー基底と代数多様体入門(上)』原著第2版 (シュプリンガーフェアラーク 東京、1996)ISBN:4-431-70823-5 グレブナー基底とアフィン代数幾何学の入門書.大部であるが読みやすく代数学全般への参考書としても勧められる名著 
 

コックス,リトル,オシー著,落合啓之,示野信一,西山享,室正和,山本敦子訳  『グレブナー基底と代数多様体入門(下)』原著第2版 (シュプリンガーフェアラーク 東京、1996)ISBN:4-431-70824-3 グレブナー基底とアフィン代数幾何学の入門書.大部であるが読みやすく代数学全般への参考書としても勧められる名著 
 

コックス,リトル,オシー著,大杉英史,北村知徳,日比孝之訳  『グレブナー基底1-代数幾何と可換代数におけるグレブナー基底の有効性-』原著第1版 (シュプリンガーフェア、2000)ISBN:4-431-70850-2 先にあげた参考書と同じ著者による教科書だが,少し程度が高い.読みやすい部分とそうでない部分がはっきりしている.しかし,ほかの専門書に比べると読みやすい部分が多い 
 

 

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