シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


11645080 

△移動現象論Ⅱ
Transport Phenomena II
2単位/Unit  秋学期/Fall  京田辺/Kyotanabe  講義/Lecture

  土屋 活美

<概要/Course Content Summary>

化学工学分野で対象としている移動現象論のうち,「移動現象論Ⅰ」では運動量移動と熱移動を,「拡散分離工学Ⅰ」では物質移動を,主として流動と伝熱,ガス吸収・蒸留・抽出といった単位操作の側面から個別に取り扱ってきた。こうしたアプローチに対して本科目では,種々の化学プロセスや自然環境において生じる移動現象全般を,できるだけ統一的に取り扱い,移動現象の基本法則,支配方程式の立て方,複雑な現象の単純化とモデリング,基礎式の解法などについて解説する。特に,運動量・エネルギー・物質移動に関する基礎方程式の導出過程および,それらを用いた工学的諸問題の数学的解析手法に焦点を絞り,化学装置と操作についての理解を深める。

<到達目標/Goals,Aims>

(1)移動現象全般に興味をもち,3つの支配法則を統一的に理解・記述できるようになる。 
(2)移動現象を支配する基礎(微分)方程式を一般系に対して導出できるようになる。 
(3)基礎方程式を異なる座標系において表記できるようになる。 
(4)流体の運動に関する基礎方程式を簡略化し,得られた常微分方程式を境界条件とともに解くことができる。 
(5)熱伝導と物質拡散に関する基礎方程式の類似性を理解し,その解法について探求できるようになる。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 序論:移動現象3大法則の一般化に向けて(ベクトル/テンソル表記,流束の概念) 
単純系にシェル・バランスを適用した支配(微分)方程式の導出 
(授業時間外の学習/ Assignments) 移動現象論Ⅰのプリントと教科書pp.4~7,187~211の予習(30分) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 3大法則(流束)と基礎方程式:目標に向けての整理(ベクトル/テンソル表記) 
   演習:シェル・バランスの適用 
(授業時間外の学習/ Assignments) 教科書pp.4~7,187~211の復習,教科書pp.9,19~21,31~33の予習(各45分) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 一般系に適用可能な基礎方程式の導出(連続の式)  (授業時間外の学習/ Assignments) 教科書pp.9,19~21,31~33の復習,教科書pp.9~13の予習(各30分) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 一般系に適用可能な基礎方程式の導出(流体の運動方程式)  (授業時間外の学習/ Assignments) 教科書pp.9~13の復習,教科書pp.13~19の予習(各30分) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 基礎方程式の再整理(導出の秘訣) 
   レポート:Navier−Stokesの式の導出 
(授業時間外の学習/ Assignments) 教科書pp.13~19の復習,教科書pp.13~21,34,48~50の予習(各45分) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 異なる座標系における基礎方程式の表記(直交座標,円柱座標,球座標の使い分け) 
   演習:座標系導出 
(授業時間外の学習/ Assignments) 教科書pp.13~21,34,48~50の復習,教科書pp.34~42の予習(各45分) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 基礎方程式:仮定の設定と式の簡略化(連続の式,流体の運動方程式) 
簡略化された基礎(常微分)方程式の解析解(境界条件の設定,層流における"分布") 
(授業時間外の学習/ Assignments) 教科書pp.34~42の復習,教科書pp.48~50,136~138の予習(各30分) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 少し複雑な流れ系における運動方程式の解析解と物理的解釈(最適座標系の選択) 
   演習/レポート:N−S式の適用 
(授業時間外の学習/ Assignments) 教科書pp.48~50,136~138の復習,教科書pp.43~48,146~149の予習(各45分) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 少し複雑な流れ系における運動方程式の解析解と物理的解釈(簡略化の秘訣) 
   演習:簡略化の練習 
(授業時間外の学習/ Assignments) 教科書pp.43~48,146~149の復習,教科書pp.22~27,40~42の予習(各30分) 
(実施回/ Week) 10  (内容/ Contents) 一般系に適用可能な基礎方程式の導出(エネルギー方程式)  (授業時間外の学習/ Assignments) 教科書pp.22~27,40~42の復習,教科書pp.43~48,51~54,146~149の予習(各45分) 
(実施回/ Week) 11  (内容/ Contents) 基礎方程式:仮定の設定と式の簡略化(エネルギー方程式) 
非定常プロセスの解析(熱伝導問題への適用,初期条件と境界条件の設定) 
(授業時間外の学習/ Assignments) 教科書pp.43~48,51~54,146~149の復習,教科書pp.55~62,211~245の予習(各30分) 
(実施回/ Week) 12  (内容/ Contents) 多成分系における基礎方程式(物質移動問題への適用,拡散プロセスの定式化)  (授業時間外の学習/ Assignments) 教科書pp.55~62,211~245の復習,教科書pp.27~33の予習(各30分) 
(実施回/ Week) 13  (内容/ Contents) 多成分系における基礎方程式(2成分系に簡略化した場合の濃度分布と物質移動速度) 
   演習:2成分系物質拡散の定式化 
(授業時間外の学習/ Assignments) 教科書pp.27~33の復習,教科書pp.31~33,114~118の予習(各45分) 
(実施回/ Week) 14  (内容/ Contents) 非定常移動現象の解析(非定常熱伝導解折,より一般的な多成分系基礎方程式の解釈,3つの基礎方程式の関係)  (授業時間外の学習/ Assignments) 教科書pp.31~33,114~118の復習,教科書pp.55~62,118~120の予習(各30分) 
(実施回/ Week) 15  (内容/ Contents) 複雑な流れ系における運動量・エネルギー・物質収支の適用  (授業時間外の学習/ Assignments) 教科書pp.55~62,118~120の復習,教科書pp.163~173の予習,授業全般に関する質問の用意(各30分) 

授業中定期的に確認する受講者の理解度に応じて(必要と判断した場合)授業計画/進度を変更する可能性がある。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点(配信資料への対応等)および 小レポート  40%  内容の理解度を確認する。課題への理解度を,小レポート(もしくは課題レポート)により評価する。 
期末筆記試験 ⇒ 期末レポートにより評価  60%  移動現象を支配する基礎方程式の導出,解釈,解法に関する理解力・表現力を評価する。 

 

<成績評価結果/Results of assessment>   成績評価の見方について/Notes for assessment

    

登録者数

成績評価(%)

評点
平均値

備考

A B C D F
20 25.0 0.0 10.0 15.0 50.0 0.0 1.4

<テキスト/Textbook>

平岡正勝,田中幹也  『新版移動現象論』 (朝倉書店、1994) 「移動現象論Ⅰ」では参考書 

 

<参考文献/Reference Book>

水科篤郎,荻野文丸  『輸送現象』(産業図書、1981)授業内容を詳しく知るには最適な参考書 
 

Bird,R.B.,Stewart,W.E.,and Lightfoot,E.N. , Transport Phenomena .   (John Wiley & Sons, 1960) .  移動現象論のBIBLE 

 

 

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