シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


11645004-002 

△線形代数学Ⅱ-2
Linear Algebra II-2
2単位/Unit  秋学期/Fall  京田辺/Kyotanabe  講義/Lecture

  竹山 理

<概要/Course Content Summary>

 線形代数学では,連立1次式を取り扱う。線形代数Ⅱのテーマは連立1次式が定める線形変換である。はじめに一般の線形空間を定義し,空間の基底を定めれば,空間上の変換で和とスカラー倍を保つ変換(線形変換)は,行列で表すことができることを述べる。このような一般の線形変換を考えることで,線形代数の理論は様々な分野での広範囲の応用が可能となるのである。次に線形変換の性質を調べるために,固有値と固有ベクトルを考える。固有ベクトルからなる基底がとれるならば,線形変換は対角行列で表せる。線形空間に内積を導入することで,長さや角といった図形量を計ることができることを説明する。内積を不変にする変換(直交行列)を用いて,内積に関して対称性をもつ線形変換(対称行列)は必ず対角化できることを示す。この結果を利用して,2次形式を標準化(2次曲面を正準変換)し,その性質を論じる。

<到達目標/Goals,Aims>

(1)線形変換の行列表現を理解し,線形変換の像空間と核空間の次元を求めることができるようになる。 
(2)線形変換(行列)の固有値と固有ベクトルを求めることができるようになる。 
(3)行列が対角化できる条件を調べて,対角化可能かどうかを判別できるようになる。 
(4)部分空間上への正射影行列を求めることができるようになる。 
(5)任意の基底から正規直交基底を作ることができるようになる。 
(6)対称行列を直交行列で対角化することができるようになる。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week)  1  (内容/ Contents) ベクトル空間と部分空間を定義する。ベクトルの1次独立,1従属を定義する。  (授業時間外の学習/ Assignments) 練習課題の復習 
(実施回/ Week)  2  (内容/ Contents) 行列をベクトル空間の間の線形写像とみて,その像空間と核空間を定義する。  (授業時間外の学習/ Assignments) 練習課題の復習 
(実施回/ Week)  3  (内容/ Contents) 基底と部分空間の次元を定義する。  (授業時間外の学習/ Assignments) 提出課題1 
(実施回/ Week)  4  (内容/ Contents) 基底を定めて線形変換を行列で表現する。像空間と核空間の次元の求め方を説明する。  (授業時間外の学習/ Assignments) 練習課題の復習 
(実施回/ Week)  5  (内容/ Contents) 線形変換(行列)の次元定理を説明する。  (授業時間外の学習/ Assignments) 提出課題2 
(実施回/ Week)  6  (内容/ Contents) 線形変換(行列)の固有値と固有ベクトルを定義する。固有値と固有ベクトルの求め方を説明する。  (授業時間外の学習/ Assignments) 練習課題の復習 
(実施回/ Week)  7  (内容/ Contents) 具体的な行列の固有値と固有ベクトルを求めてみる。  (授業時間外の学習/ Assignments) 提出課題3 
(実施回/ Week)  8  (内容/ Contents) 固有値の性質,固有ベクトルの性質を説明する。  (授業時間外の学習/ Assignments) 提出課題4 
(実施回/ Week)  9  (内容/ Contents) 固有ベクトルからなる基底がとれるとき,行列が対角化できることを示す。  (授業時間外の学習/ Assignments) 提出課題5 
(実施回/ Week) 10  (内容/ Contents) 固有ベクトルからなる基底がとれる条件を調べる。  (授業時間外の学習/ Assignments) 提出課題6 
(実施回/ Week) 11  (内容/ Contents) ベクトル空間上に内積を定義し,直交条件を内積で定式化する。単位ベクトル方向上への正射影(直交射影)を求める。  (授業時間外の学習/ Assignments) 練習課題の復習 
(実施回/ Week) 12  (内容/ Contents) 部分空間上への正射影を求める。正規直交基底を導入し,任意の基底から正規直交基底の作れることを説明する  (授業時間外の学習/ Assignments) 提出課題7 
(実施回/ Week) 13  (内容/ Contents) 直交行列とその性質,および対称行列とその性質を説明する。  (授業時間外の学習/ Assignments) 練習課題の復習 
(実施回/ Week) 14  (内容/ Contents) 対称行列の固有値と固有ベクトルの性質を調べて,対称行列は直交行列によって対角化できることを示す。  (授業時間外の学習/ Assignments) 提出課題8 
(実施回/ Week) 15  (内容/ Contents) 対称行列の対角化を用いて,2次形式の標準化とその応用を説明する。  (授業時間外の学習/ Assignments) 提出課題9 

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点(出席および課題提出)  20%  単元ごとの課題提出を平常点とする。授業内容を確認する問題を提示し,理解の程度を確認する。 
期末レポート(授業内試験)  80%  学習した内容を具体的な問題に適用できるかを評価する。理論や公式を具体的な問題に適用して,解を導出できる計算力を確認する。 

 

<成績評価結果/Results of assessment>   成績評価の見方について/Notes for assessment

    

登録者数

成績評価(%)

評点
平均値

備考

A B C D F
43 58.1 7.0 14.0 14.0 7.0 0.0 3.0

<テキスト/Textbook>

長崎憲一  『明解 線形代数学』 (培風館、2005) ISBN:9784563003409 

 

 

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