シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


11640087 

△錯体化学
Coordination Chemistry
2単位/Unit  秋学期/Fall  京田辺/Kyotanabe  講義/Lecture

  小寺 政人

<概要/Course Content Summary>

錯体化学は,無機と有機の境界領域にある物質(錯体化合物ないしは配位化合物)を取り扱う学問である。錯体化合物は,金属の種類や配位子の種類によって様々な色を持つことから,古くから色素などの実用的な物質として見いだされてきた。錯体化学が学問として体系付けられるようになったのはウェルナーの配位説以降であり,100年程度の歴史をもつ。最近,X線結晶構造解析や様々な分光学的測定法および分子軌道法が急速に進歩して錯体化合物の構造や性質の理解が容易になったことにより,錯体化学は広く受け入れられるようになり,その知識は化学分野に限らず生物学や物理学の分野でも重要性が増している。また,有機・無機のハイブリッド材料が実用の観点から注目されており,有機と無機の境界領域に関する知識が工業的な観点からも必要になってきている。このような背景のもとで,錯体化学は,基礎学問としてもまた応用の観点からも益々重要になってきている。 
この講義では,結晶場理論や分子軌道理論などの基礎知識を理解し,遷移金属錯体の構造,電子構造,磁気的性質,分光学的性質,反応性などに活用することを目標とする。なお,本科目は「学習・教育目標B化学分野における専門知識の修得(2)専門応用」に含まれ,無機化学分野の専門応用知識を学習することになる。

<到達目標/Goals,Aims>

(1)錯体化合物の構造の基礎としてウェルナーの配位説を習得する。 
(2)錯体化合物の命名法を習得する。 
(3)遷移金属の電子構造を理解する。 
(4)錯体化合物の電気的・磁気的性質および分光学的性質の基礎を学習する。 
(5)結晶場理論を理解する。 
(6)錯体化合物の分子軌道理論を理解する。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) 第1回  (内容/ Contents) 錯体化合物の構造と性質  (授業時間外の学習/ Assignments) 予習復習(講義で紹介する参考文献の関連箇所の熟読1−2時間) 
(実施回/ Week) 第2回  (内容/ Contents) ウェルナーの配位説  (授業時間外の学習/ Assignments) 予習復習(講義で紹介する参考文献の関連箇所の熟読1−2時間) 
(実施回/ Week) 第3回  (内容/ Contents) 錯体化合物の配位構造と配位子  (授業時間外の学習/ Assignments) 予習復習(講義で紹介する参考文献の関連箇所の熟読1−2時間) 
(実施回/ Week) 第4回  (内容/ Contents) 錯体化合物の命名法  (授業時間外の学習/ Assignments) 予習復習(講義で紹介する参考文献の関連箇所の熟読1−2時間) 
(実施回/ Week) 第5回  (内容/ Contents) 錯体化合物における光学異性体および様々な異性体  (授業時間外の学習/ Assignments) 予習復習(講義で紹介する参考文献の関連箇所の熟読1−2時間) 
(実施回/ Week) 第6回  (内容/ Contents) 遷移金属の電子構造(フント則と有効核電荷)  (授業時間外の学習/ Assignments) 予習復習(講義で紹介する参考文献の関連箇所の熟読1−2時間) 
(実施回/ Week) 第7回  (内容/ Contents) 金属錯体の有効原子番号  (授業時間外の学習/ Assignments) 予習復習(講義で紹介する参考文献の関連箇所の熟読1−2時間) 
(実施回/ Week) 第8回  (内容/ Contents) 配位結合と原子価結合理論  (授業時間外の学習/ Assignments) 予習復習(講義で紹介する参考文献の関連箇所の熟読1−2時間) 
(実施回/ Week) 第9回  (内容/ Contents) 結晶場理論,分光化学系列,磁気的性質  (授業時間外の学習/ Assignments) 予習復習(講義で紹介する参考文献の関連箇所の熟読1−2時間) 
(実施回/ Week) 第10回  (内容/ Contents) 結晶場理論,結晶場安定化エネルギー  (授業時間外の学習/ Assignments) 予習復習(講義で紹介する参考文献の関連箇所の熟読1−2時間) 
(実施回/ Week) 第11回  (内容/ Contents) 結晶場理論,遷移金属錯体の電子構造と反応性  (授業時間外の学習/ Assignments) 予習復習(講義で紹介する参考文献の関連箇所の熟読1−2時間) 
(実施回/ Week) 第12回  (内容/ Contents) 結晶場理論,遷移金属錯体の電子構造と反応性  (授業時間外の学習/ Assignments) 予習復習(講義で紹介する参考文献の関連箇所の熟読1−2時間) 
(実施回/ Week) 第13回  (内容/ Contents) 錯体化合物の分子軌道理論  (授業時間外の学習/ Assignments) 予習復習(講義で紹介する参考文献の関連箇所の熟読1−2時間) 
(実施回/ Week) 第14回  (内容/ Contents) 錯体化合物の分子軌道理論  (授業時間外の学習/ Assignments) 予習復習(講義で紹介する参考文献の関連箇所の熟読1−2時間) 
(実施回/ Week) 第15回  (内容/ Contents) 錯体化合物の分子軌道理論  (授業時間外の学習/ Assignments) 予習復習(講義で紹介する参考文献の関連箇所の熟読1−2時間) 

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

対面形式による授業内評価  70%  講義内容全般にわたっての理解度をみて評価する。 
講義の受講を確認するためのレポート  30%  on line 配信しているビデオ講義を受けること。 
特記事項    到達目標の到達度を上記の点数配分により総合的に評価し,100点満点で評価して,到達目標における基礎的事項を身に付けていると判断できる60点以上を合格(D以上)とする。 

概要で述べた具体的達成目標をどの程度満足しているかを総合的に判断して100点満点で評価する。60点以上を合格とする。

 

<成績評価結果/Results of assessment>   成績評価の見方について/Notes for assessment

    

登録者数

成績評価(%)

評点
平均値

備考

A B C D F
35 25.7 28.6 22.9 17.1 5.7 0.0 2.5

<参考文献/Reference Book>

F. BASOLO, R.C. JOHNSON共著  『「配位化学−金属錯体の化学−」』(化学同人、2001)山田 祥一郎 訳 
 

F.A. コットン/G. ウィルキンソン/P.L. ガウス  『「基礎無機化学」』(培風館、1993)中原 勝儼 訳 
 

Catherine E. Housecroft/ Alan G. Sharpe 著  『ハウスクロフト 無機化学 上・下』(東京化学同人、2012)巽 和行・西原 寛・穐田 宗隆・酒井 健 訳 
 

 

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