シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


11640078 

△有機反応論Ⅱ
Organic Reaction Mechanisms II
2単位/Unit  秋学期/Fall  京田辺/Kyotanabe  講義/Lecture

  北岸 宏亮

<概要/Course Content Summary>

有機反応論ⅠおよびⅡでは有機化学反応を反応機構により分類し,電子の流れにより系統的に理解することを目標とする。本講義より,有機化学は暗記の学問ではなく,理解する学問であることが納得できる。なお,本科目は「学習・教育目標(B)化学分野における専門知識の修得(2)専門応用」に含まれ,有機化学分野の専門知識を学習することになる。 
 本講義は有機化学Ⅰ,Ⅱ,ⅢおよびⅣを習得したものにとって,さらに反応機構の面から有機化学反応に対する理解を系統的に深めることができる。講義内容は必修科目である有機化学と重なる部分が多いが,内容はより高等である。有機化学反応の多くは電子対の移動によって引き起こされるため,この電子対の移動における規則性を習得すれば,多くの反応を反応機構から理解することができる。 
 本講義は教科書に沿って進められる。指定教科書『有機反応論』では反応機構別に有機化学を理解するように記載されており,有機反応論IおよびIIではこの教科書の内容を1年を通じてほぼ全て学習することになる。理解度を高めるために,講義中に写し出されるスライド資料をあらかじめ配布し,そこへ捕足事項を書き込みながら講義を聞く形式をとる。また講義中に問題演習を随時はさむことによって,受講者の集中力の維持と内容の理解を促し,さらに講義内容復習のために教科書に設けられている練習問題について講義時間外に回答し,レポート形式で毎週提出することを義務付ける。 

<到達目標/Goals,Aims>

具体的な到達目標は以下のようである: 
(1)カルボン酸およびその誘導体の反応は求核付加―脱離機構で進行することを理解する。 
(2)アルケンへの求電子付加機構を系統的に理解する。 
(3)芳香族化合物のもつ基本的な性質を学ぶ。 
(4)芳香族化合物の代表的な反応である求電子置換反応の機構を理解する。 
(5)芳香族置換反応における配向性を決める本質は何かを理解する。 
(6)電子求引性の置換基を有する芳香族化合物では求核置換反応が進行することを理解する。 
(7)医薬品や生体成分として重要な複素還化合物の内,芳香族複素還化合物の反応性を学ぶ。 

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) 第1回  (内容/ Contents) 求核付加―脱離反応:カルボン酸誘導体の反応性  (授業時間外の学習/ Assignments) 練習問題・レポート作成 
(実施回/ Week) 第2回  (内容/ Contents) 求核付加―脱離反応:各論1  (授業時間外の学習/ Assignments) 練習問題・レポート作成 
(実施回/ Week) 第3回  (内容/ Contents) 求核付加―脱離反応:各論2  (授業時間外の学習/ Assignments) 練習問題・レポート作成 
(実施回/ Week) 第4回  (内容/ Contents) 求核付加―脱離反応:各論3  (授業時間外の学習/ Assignments) 練習問題・レポート作成 
(実施回/ Week) 第5回  (内容/ Contents) 求電子付加反応:アルケンの特徴と反応性  (授業時間外の学習/ Assignments) 練習問題・レポート作成 
(実施回/ Week) 第6回  (内容/ Contents) 求電子付加反応:カルボカチオン中間体,各論1  (授業時間外の学習/ Assignments) 練習問題・レポート作成 
(実施回/ Week) 第7回  (内容/ Contents) 求電子付加:各論2  (授業時間外の学習/ Assignments) 練習問題・レポート作成 
(実施回/ Week) 第8回  (内容/ Contents) 芳香族化合物の特徴:Hückel則と芳香族性,Hammett 則  (授業時間外の学習/ Assignments) 練習問題・レポート作成 
(実施回/ Week) 第9回  (内容/ Contents) 芳香族化合物の特徴:ベンゼンの求電子置換反応の機構  (授業時間外の学習/ Assignments) 練習問題・レポート作成 
(実施回/ Week) 第10回  (内容/ Contents) 芳香族求電子置換反応:各論1  (授業時間外の学習/ Assignments) 練習問題・レポート作成 
(実施回/ Week) 第11回  (内容/ Contents) 芳香族求電子置換反応:各論2  (授業時間外の学習/ Assignments) 練習問題・レポート作成 
(実施回/ Week) 第12回  (内容/ Contents) 芳香族求電子置換反応:各論3  (授業時間外の学習/ Assignments) 練習問題・レポート作成 
(実施回/ Week) 第13回  (内容/ Contents) 芳香族求核置換反応:反応機構と各論  (授業時間外の学習/ Assignments) 練習問題・レポート作成 
(実施回/ Week) 第14回  (内容/ Contents) 芳香族複素環化合物の性質と反応性  (授業時間外の学習/ Assignments) 練習問題・レポート作成 
(実施回/ Week) 第15回  (内容/ Contents) まとめと問題演習  (授業時間外の学習/ Assignments) 復習 

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点  20%  講義への出席,課題提出,演習問題への取り組みなどを総合して平常点とする。 
期末筆記試験  80%  化学構造式,反応式,反応メカニズムを正しく理解できているか。 

平常点評価として,毎週出題する練習問題をレポート用紙に回答し,講義開始前に本人が提出すること義務とする。講義終了後の提出や代理提出などは事情により受け付けることもあるが,減点する。期末試験は100点満点の記述方式とし,化学式や反応機構の正確な記述を最重視する。(試験で得られた点数×0.8)を平常点と合算することにより全体の成績評価とする。

 

<成績評価結果/Results of assessment>   成績評価の見方について/Notes for assessment

    

登録者数

成績評価(%)

評点
平均値

備考

A B C D F
56 21.4 21.4 23.2 17.9 16.1 0.0 2.1

<テキスト/Textbook>

加納 航治  『有機反応論』 (三共出版) ISBN:4-7827-0525-5 

 

<参考文献/Reference Book>

ボルハルト・ショアー  『現代有機化学』(化学同人)ISBN:9784759814743 
 

 

 

<備考/Remarks>

講義前に毎回のスライド資料をe-classにアップロードする。講義前に資料をダウンロードし,適当な大きさでプリントアウトして持参すると授業が受けやすい。 

 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
Copyright(C) 2020 Doshisha University All Rights Reserved. 無断転載を禁止します。