シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


11640016 

△物理化学Ⅱ
Physical Chemistry II
2単位/Unit  秋学期/Fall  京田辺/Kyotanabe  講義/Lecture

  遠藤 太佳嗣

<概要/Course Content Summary>

 物理化学II,及びIIIの一部では,化学熱力学を学ぶ。即ち,巨視的な視点から,物質(気体,液体,固体)とエネルギー(熱,仕事)を捉え,「なぜ物質は変化するのか」を理解する。 
 その内,物理化学IIでは,まず初めに,熱力学の基礎を学ぶ(第2章,第3章)。続いて,その内容を,相転移や混合と言った物理的変化(第4章,第5章)に適用していく。化学反応もある程度取り扱うが,本格的なものは物理化学III(第6章 化学平衡)に譲ることになる。 
 なお,本科目は「学習・教育目標 B化学分野における専門知識の修得(1)専門基礎」に含まれ,物理化学分野の専門基礎を学習することになる。また同時に,「学習・教育目標:B 化学分野における専門知識の修得(3)化学工学」を含み,化学工学的な内容も併せて学習する。

<到達目標/Goals,Aims>

・エンタルピー,エントロピーと言った熱力学量を通して,ギブズ自由エネルギーを深く理解することが出来るようになる。(第2章,第3章) 
・ギブズ自由エネルギーの概念を用いて,相転移や混合と言った物理的変化がなぜ起こるのかを理解できるようになる。(第4章,第5章)

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) 第1回  (内容/ Contents) 物理化学IIの概説  (授業時間外の学習/ Assignments) 教科書p9-18,p29-55の総復習、授業毎レポート、単元レポートの作成 
(実施回/ Week) 第2回  (内容/ Contents) 2.第一法則:内部エネルギー  (授業時間外の学習/ Assignments) 教科書p66-77の予習,復習、授業毎レポート、単元レポートの作成 
(実施回/ Week) 第3回  (内容/ Contents) 2.第一法則:エンタルピー,熱化学  (授業時間外の学習/ Assignments) 教科書p78-92の予習,復習、授業毎レポート、単元レポートの作成 
(実施回/ Week) 第4回  (内容/ Contents) 2.第一法則:状態関数と完全微分,断熱変化  (授業時間外の学習/ Assignments) 教科書p93-106の予習,復習、授業毎レポート、単元レポートの作成 
(実施回/ Week) 第5回  (内容/ Contents) 単元レポート講評 
3.第二法則と第三法則:エントロピー 
(授業時間外の学習/ Assignments) 教科書p117-130の予習,復習、授業毎レポート、単元レポートの作成 
(実施回/ Week) 第6回  (内容/ Contents) 3.第二法則と第三法則:エントロピー,エントロピーの測定  (授業時間外の学習/ Assignments) 教科書p117-136の予習,復習、授業毎レポート、単元レポートの作成 
(実施回/ Week) 第7回  (内容/ Contents) 3.第二法則と第三法則:系に注目する  (授業時間外の学習/ Assignments) 教科書p137-145の予習,復習、授業毎レポート、単元レポートの作成 
(実施回/ Week) 第8回  (内容/ Contents) 3.第二法則と第三法則:第一法則と第二法則を結びつける  (授業時間外の学習/ Assignments) 教科書p146-156の予習,復習、単元レポート作成、授業毎レポート、単元レポートの作成 
(実施回/ Week) 第9回  (内容/ Contents) 単元レポート講評 
4.純物質の物理的な変態:純物質の相図 
(授業時間外の学習/ Assignments) 教科書p163-171の予習,復習、授業毎レポート、単元レポートの作成 
(実施回/ Week) 第10回  (内容/ Contents) 4.純物質の物理的な変態:相転移の熱力学的側面 
 
(授業時間外の学習/ Assignments) 教科書p172-182の予習,復習、授業毎レポート、単元レポートの作成 
(実施回/ Week) 第11回  (内容/ Contents) 5.単純な混合物:混合物の熱力学的記述  (授業時間外の学習/ Assignments) 教科書p187-200の予習,復習、単元レポート作成、授業毎レポート、単元レポートの作成 
(実施回/ Week) 第12回  (内容/ Contents) 単元レポート講評  (授業時間外の学習/ Assignments) 教科書p163-200の総復習 
(実施回/ Week) 第13回  (内容/ Contents) 第2章、第3章、第4章、及び第5章の一部の総復習  (授業時間外の学習/ Assignments) 総復習,任意レポート作成 
(実施回/ Week) 第14回  (内容/ Contents) まとめテスト  (授業時間外の学習/ Assignments) 総復習,任意レポート作成 
(実施回/ Week) 第15回  (内容/ Contents) まとめテストの返却と講評  (授業時間外の学習/ Assignments) 総復習,任意レポート作成 

※授業はZoomを用いて、リアルタイムで行うが、授業の様子は録画し、オンデマンドでも配信する。ただし、第14回目のまとめテストには、全員リアルタイムで参加すること。 
※授業の配信も含め、授業時間内外でe-classを活用する。授業に関する連絡もe-classを通して行うことがあるので,確認を怠らないこと。 
※上記の計画は,学生の理解度などにあわせて変更することがある。 

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

授業毎レポート  40%   レポートは,e-classを通じて,その回の授業に関連する問題を出す。次の授業の前日までに取り組み,正しく解答できたかをみる。  
単元レポート  30%   各単元に関わるレポートを合計3回(10%×3回=30%)提出する。評価は、「レポートテーマに沿っているか」、「問題の現実性とオリジナル性」、「解答の正しさと分かりやすさ」を考慮して、総合的に行う。 
まとめテスト  30%   授業の全体的な理解度をみる。教科書の自習問題及び章末の演習問題の類題が解けるかが中心となるが,語句問題,記述問題,式の導出,及び,応用的な問題が出ることもある。  

 授業毎レポート40点 + 単元レポート10点×3回 + まとめテスト30点 = 合計100点(±平常点)で評価する。合格者の評価基準は,D: 50~60点未満,C: 60~70点未満,B: 70~80点未満, A: 80点~とする。ただし,受講者全体の点数が低い時は,合計点に,1以上の適当な係数をかける場合がある。  
 
※平常点として,授業への取り組み方によって加減点を行う。評価の対象の例としては,「授業への参加」、「学生レビューへの参加」、「任意レポート」、「質問掲示板の活用」などがある。任意レポートの内容は,「物理化学IIの理解が進むような授業で見せられる実験のデモンストレーション方法」とする。参考にしたものがある場合は,必ず出典を明記すること。なお,良いレポートに関しては,その内容を,実際に次年度以降の授業で取り入れる可能性がある。 
※授業毎レポートは、問題によって、解答の正誤が表示される。その場合、正解するまで、何度でも解答できる。 
※単元レポートの内容は、「各単元の内容に関係する,身の回りの物理化学的な現象に関する大問1問作成とその解答・解説」とする。学生間でも匿名で評価(レビュー)してもらう。ただし、学生間の評価はあくまで参考であり、最終的な評価は教員が行う。良いレポートに関しては,その内容を,実際に次年度以降の授業で取り入れる可能性がある。 
 提出形式:ファイル名は、問題のタイトルとし、A4 1枚分をe-classを通じて、pdf形式で提出すること。Wordの場合は、「名前を付けて保存」の際に、pdfに変換することができる。レポートには、一行目に、問題のタイトルを入力し、その後、問題文と解答・解説を載せる。大問の下に、小問を複数作っても良い。なお、学生IDや氏名など、個人が特定される情報は、記載しないこと。また、図を載せる場合は、白黒でも分かるようにすること。可能な限り、手書きではなく、word等のPCソフトで作成すること。 
 レポート評価:レポート提出期限後(該当回の2日後)、学生間でのレポート評価(レビュー)を行ってもらう(次の授業の前日まで)。評価は、「レポートテーマに沿っているか」、「問題の現実性とオリジナル性」、「解答の正しさと分かりやすさ」を考慮して、総合的に行うこと。もしコピペと思われるレポートがあった場合は、0点とすること。各人6-7名程度のレポートをチェックしてもらうことになるが、平均が10点満点で5点±1点になるように、コメントも必ずつけて評価すること。自分のレポートを誰が評価したかは分からないが、点数とコメントは分かるようになる。この学生間でつけた点数を参考として、最終的な評価は教員が行う。レポートは最終的に、匿名で受講者に公開される。 
 良いレポートへのヒント:「身の回り」というのが重要である。問題に、より「身の回り」感(=現実味)を出させるためには、文献を参考・引用することが有効である。参考・引用した文献がある場合は、どの部分を参考にしたか分かるようにして、出典を明記すること。 
※救済措置は設けない。

 

<成績評価結果/Results of assessment>   成績評価の見方について/Notes for assessment

    

登録者数

成績評価(%)

評点
平均値

備考

A B C D F
92 8.7 38.0 32.6 9.8 10.9 0.0 2.2

<テキスト/Textbook>

Peter Atkins・Julio de Paula 著中野元裕・上田貴洋・奥村光隆・北河康隆 訳  『アトキンス物理化学(上)』第10版  (東京化学同人、2017) ISBN:9784807909087 

 

 演習問題のaの解答と,応用問題の一部の解答は東京化学同人のHPにある。また,英語ではあるが,演習問題のa,奇数番号の記述・応用・統合問題についての完全な解法は,参考文献に挙げた1番目の書籍で確認することが出来る。その他,インターネット上にも,解答・解法が散見される。なお,演習問題bは,aの類題である。

<参考文献/Reference Book>

Charles Trapp, Marshall Cady, Carmen Giunta , アトキンス 物理化学 問題の解き方(学生版) 英語版 ,  第10版 .   (Oxford University Press, 2017) . 

 

竹内淳  『高校数学でわかるボルツマンの原理-熱力学と統計力学を理解しよう-』(講談社、2008)
 

<備考/Remarks>

 関数電卓を毎回持ってくること。 

 

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