シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


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△機械工学特論特別講義Ⅱ
Advanced Lectures of Current Topics in Mechanical Engineering Ⅱ
2単位/Unit  秋学期/Fall  京田辺/Kyotanabe 

  田中 達也 中谷内 一也 関田 隆一

<概要/Course Content Summary>

 いま,団塊の世代:ベテラン設計・開発者が大挙していなくなり,開発・設計技術者の経験不足も顕在化しつつある。熟練設計者は構造物の安全性を肌で感じることができる。すなわち,危険が予知(KY)できる。しかし若い技術者にとって,安全で,安心な設計の概念と素養をベテラン技術者から教わる機会は激減した。日本発の高度な安全性を維持し,安心なものづくりを進め,世界的競争力を維持・発展させるための安全・安心設計の素養は,大学院で修得しておかなければならない。 
 わが国はものづくりによって支えられている。製品の多くは海外に輸出される。このとき,国際標準に沿った機械の安全・安心設計が要求される。安全・安心を確保した機械・構造物の設計には,機械工学の基礎を十分理解した上で先端の設計システムに精通するとともに,安全に関する規格,法律,技術者倫理を体系的に学ぶ必要がある。PL(製造物責任法)をはじめとして,物つくりに携わる者が予め知っておかなければならない法体系,規則,規格は少なくない。法のような強制力は伴わないが,設計者が理解し,実践する技術者倫理も大学院で身に付けることは絶対必要である。しっかりした倫理観を持って物を設計,使用すれば多くの事故は未然に防げる。安全にものを作るため,どのように規格,法律は運営されるか,新しい学問体系:法工学も本講座で学ぶ。日本の先端科学技術分野でどのように安全が確保されているかなど,事例も適宜取り入れ,規格,法律,運用面での各種専門家によるダイナミックな講義が提供される。

<到達目標/Goals,Aims>

1.安全確保の重要性を認識するとともに,高い技術者倫理を身に付けることができる。 
2.安全確保のためのシステム(リスクマネージメントなど)を学ぶことができる。 
3.安全確保に関わる法律・規則,規格・規準を学ぶとともに,安全確保の限界も知ることができる。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) 1.  (内容/ Contents) 開講に当たって,概要説明 
ものつくりと労働安全の重要性 産業機械の労働災害発生状況及び災害事例 
(授業時間外の学習/ Assignments) 復習 
(実施回/ Week) 2.  (内容/ Contents) ものつくりと労働安全:機械災害を減らすための法令面の対策  (授業時間外の学習/ Assignments) 同 上 
(実施回/ Week) 3.  (内容/ Contents) ものつくりと労働安全:機械災害を減らすための技術面の対策(方法論)  (授業時間外の学習/ Assignments) 前回の復習と配布資料に基づく予習 
 
(実施回/ Week) 4.  (内容/ Contents) ものつくりと労働安全:機械災害を減らすための技術面の対策(指針・規格)  (授業時間外の学習/ Assignments) 同 上 
(実施回/ Week) 5.  (内容/ Contents) リスク認知とリスクコミュニケーション:リスク認知・リスクコミュニケーション研究の背景  (授業時間外の学習/ Assignments) 心理学分野のリスクコミュニケーション関連の書籍を読んで見る 
(実施回/ Week) 6.  (内容/ Contents) リスク認知とリスクコミュニケーション:人々の直感的リスク認知の特徴  (授業時間外の学習/ Assignments) 心理学分野のリスクコミュニケーション関連の書籍を読んで見る 
(実施回/ Week) 7.  (内容/ Contents) リスク認知とリスクコミュニケーション:リスク管理者への信頼は何によって決まるのか  (授業時間外の学習/ Assignments) 心理学分野のリスクコミュニケーション関連の書籍を読んで見る 
(実施回/ Week) 8.  (内容/ Contents) リスク認知とリスクコミュニケーション:信頼の非対称性と信頼回復へのアプローチ  (授業時間外の学習/ Assignments) 心理学分野のリスクコミュニケーション関連の書籍を読んで見る 
(実施回/ Week) 9.  (内容/ Contents) 移動機械の事故と重大不具合の未然防止について 
1:事故事例から学ぶ未然防止策,用語の定義 
(授業時間外の学習/ Assignments) 担当:関田 
事故事例をサーベイし未然防止を考える 
(実施回/ Week) 10.  (内容/ Contents) 移動機械の事故と重大不具合の未然防止について 
2:事故事例から学ぶ未然防止策,用語の定義 
(授業時間外の学習/ Assignments) 担当:関田 
事故事例をサーベイし未然防止を考える 
(実施回/ Week) 11.  (内容/ Contents) 移動機械の事故と重大不具合の未然防止について 
3:事故事例から学ぶ未然防止策,用語の定義 
(授業時間外の学習/ Assignments) 担当:関田 
事故事例をサーベイし未然防止を考える 
(実施回/ Week) 12.  (内容/ Contents) リスクマネジメント入門1:ハザードとリスク,コーヒーメーカを使った設計でのハザード解析をグループで討議  (授業時間外の学習/ Assignments) 担当:関田 
ハザード解析の結果を見直す 
 
(実施回/ Week) 13.  (内容/ Contents) リスクマネージメント入門2:リスクとは,リスクアセスメントとリスクマネジメント,作業のハザード解析  (授業時間外の学習/ Assignments) 担当:関田  
リスクマネジメントの根幹は何か考える 
(実施回/ Week) 14.  (内容/ Contents) リスクマネージメント入門3:NASA航空機実験用酸素ボンベ充てんのハザード解析をグループで討議  (授業時間外の学習/ Assignments) 担当:関田 
グループでハザード解析を継続,資料完成 
(実施回/ Week) 15.  (内容/ Contents) リスクマネジメンの全体まとめ  (授業時間外の学習/ Assignments) リスクマネジメンの全体まとめ 

 本講義は機械工学専攻に設置された大学院GP「安全・安心のシステム設計技術者養成課程」の必修科目でもある。 
 毎回,授業に必要な資料(例えば,パワーポイントのコピー)はその場で配布される。 
 授業では,講師から適宜質問を受け,時にグループ討論が求められる。 
● 安全・安心に関わる3分野から,日本の第一線の講師:厚労省専門官,弁護士(&工学博士),航空宇宙での安全審査専門家(JAXA,工博)の方々に分担をお願いし,極めて意義深い授業が提供される。 
 
第1~4・15回(田中) 
第5~8回(中谷内) 
第9~14回(関田)

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点  10%  演習成果。出席と授業への参加度を確認する。 
期末試験  90%  各分野ごと1/3の配点 

 

<成績評価結果/Results of assessment>   成績評価の見方について/Notes for assessment

    

登録者数

成績評価(%)

評点
平均値

備考

A+ A B+ B C+ C F
13 38.5 46.2 7.7 0.0 0.0 7.7 0.0 0.0 4.0

<テキスト/Textbook>

  『機械技術者のための法工学入門(日本機械学会)』

 

  『入門 リスクアセスメント(中央労働災害防止協会)』 (2008)

 

 

 

  一部の参考資料を貸出しする.また,適宜授業中プリント等の資料を配布する。 

 

 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
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