シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


31630027 

△非線形物理学特論
Advanced Lectures in Nonlinear Physics
2単位/Unit  秋学期/Fall  京田辺/Kyotanabe  講義/Lecture

  高岡 正憲

<概要/Course Content Summary>

「非線形」と言う言葉が,最近,工学,自然科学,社会科学の各分野でさかんに用いられるようになってきた。我々の身の回りの現象や様々な実験に現れる「複雑さ」や「奇妙さ」の背景には,非線形効果が重要な役割を演じていることが分かってきた。「非線形」に習熟することは,現在の物理学を研究する上では欠くことが出来ない。 
線形理論は,その数学的明確さゆえに高度で洗練された体系をなし,自然科学の基礎となる授業において慣れ親しんだ理論である。線形理論で理解される現象というのは,直観的にも理解しやすく,場合によってはほとんど自明と思われることもある。我々が複雑と思う現象の多くは「非線形現象」である。 
本講義では,それをいかに定式化あるいはモデル化し解析するかを,いくつかの典型的な非線形現象を解説し,理論的な理解の仕方を示す。

<到達目標/Goals,Aims>

複雑な現象の中にも普遍的な法則があることを理解し,各分野の研究を統一的に理解できるようになる。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 非線形とは(1):線形と非線形,真性の非線形性  (授業時間外の学習/ Assignments) 非線形に関する予習と復習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 非線形とは(2):非線形と複雑性,ロジスティックモデル  (授業時間外の学習/ Assignments) 非線形に関する予習と復習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 非線形とは(3):カオスの定義について,不連続性とポテンシャル関数  (授業時間外の学習/ Assignments) 非線形に関する予習と復習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) ダイナミックス(1):運動の法則,線形モデルと指数法則  (授業時間外の学習/ Assignments) 動力学に関する予習と復習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) ダイナミックス(2):線形モデルでは記述できない現象  (授業時間外の学習/ Assignments) 動力学に関する予習と復習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) ダイナミックス(3):次元解析と巾法則,スケール不変性  (授業時間外の学習/ Assignments) 動力学に関する予習と復習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) ダイナミックス(4):群と生成作用素,結合法則と指数関数,力学系の表現  (授業時間外の学習/ Assignments) 動力学に関する予習と復習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) ダイナミックス(5):ローカルな構造,Lie代数  (授業時間外の学習/ Assignments) 動力学に関する予習と復習 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) カオス(1):複雑なダイナミックス,可積分系と非可積分系,Hamilton力学系  (授業時間外の学習/ Assignments) カオスに関する予習と復習 
(実施回/ Week) 10  (内容/ Contents) カオス(2):正準方程式と保存量,力学系のカオス  (授業時間外の学習/ Assignments) カオスに関する予習と復習 
(実施回/ Week) 11  (内容/ Contents) カオス(3):周期的外力による振動とPoincar'e写像,安定・不安定曲線  (授業時間外の学習/ Assignments) カオスに関する予習と復習 
(実施回/ Week) 12  (内容/ Contents) カオス(4):散逸系のカオス,対称性の破れとカオス,Lagrangianカオス  (授業時間外の学習/ Assignments) カオスに関する予習と復習 
(実施回/ Week) 13  (内容/ Contents) カオス(5):カオスに関する特徴,フラクタル次元  (授業時間外の学習/ Assignments) カオスに関する予習と復習 
(実施回/ Week) 14  (内容/ Contents) カオス(6):高次元カオスと乱流  (授業時間外の学習/ Assignments) カオスに関する予習と復習 
(実施回/ Week) 15  (内容/ Contents) 総括:非線形物理学に関する理解の確認  (授業時間外の学習/ Assignments) 学習内容の確認 

受講者の理解度により授業の進度や内容を変更する可能性がある。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点(出席,クラス参加,グループ作業の成果等)  20%  議論への積極的参加 
提出物  40%  講義内容の理解 
期末レポート試験・論文  40%  非線形現象全般に対する理解 

<参考文献/Reference Book>

Stephan Wiggins 著(丹羽ら訳)  『非線形の力学系とカオス』(シュプリンガー・フェアラーク東京、2000)
 

吉田 善章 著  『非線形科学入門』(岩波書店、1998)
 

津田 一郎  『カオス(1),(2)-力学系入門-』(Springer、2006)
 

 

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