<概要/Course Content Summary>
ディジタル電子回路は,単にエレクトロニクスの分野にとどまらず,科学技術や産業のあらゆる領域に幅広くかつ深く浸透しており,現代の日常生活において無関係で過ごすことはもはや不可能である。とは言え,日常生活にて目にするディジタル機器は,安全上の理由等から内部を開けて見ることすら出来ないようになっているものも多く,またディジタル機器であることすら容易に推測できない製品も多い。このようなディジタル機器のブラックボックス化が進んだ今日,エレクトロニクスエンジニアを目指す学生諸君でさえ,それらの原理や内部構造,設計法などに関心を深めようとするほどの親近感を持てないままでいるのではないだろうか。本講義では,高度な知見や技術が必要とされるディジタル電子回路について,あまり予備知識を持たなくとも無理なく修得できるように,なるべく抽象的なアプローチは避けて,実際のディジタルICの仕組みに則した基本的で重要な知見と応用例の講述に努め,さらに十分な基礎の理解を踏まえてコンピュータ技術との関連についても述べる。
<到達目標/Goals,Aims>
・論理回路設計に必要な真理値表,論理式,カルノー図の作成及び論理式の簡単化技法等を習得できる。 ・論理ゲートを用いた組み合わせ論理回路の設計手順を習得できる。 ・フリップ・フロップおよび組み合わせ論理回路を用いた順序回路の設計手順を習得できる。
<授業計画/Schedule>
(実施回/ Week)
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(内容/ Contents)
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
1~3
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(内容/ Contents)
ディジタル電子回路の基礎 ・アナログ量とディジタル量,2進数,論理ゲート 組み合わせ論理回路の設計手順 ・真理値表,論理式,加法標準形
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(授業時間外の学習/ Assignments)
事前:テキスト当該箇所の予習 事後:授業内容の復習
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(実施回/ Week)
4~7
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(内容/ Contents)
組み合わせ論理回路の設計手順と事例 ・ブール代数の公式,カルノー図,論理式の簡単化,論理ゲート変換
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(授業時間外の学習/ Assignments)
事前:テキスト当該箇所の予習 事後:授業内容の復習
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(実施回/ Week)
8
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(内容/ Contents)
中間レポート
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(授業時間外の学習/ Assignments)
事前:課題レポートの作成のための復習 事後:レポート課題の復習
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(実施回/ Week)
9~11
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(内容/ Contents)
各種フリップフロップと応用例 順序論理回路の設計・解析手順 ・状態遷移表,励起表,入力方程式,出力関数
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(授業時間外の学習/ Assignments)
事前:課題レポートの作成 事後:演習課題の復習
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(実施回/ Week)
12~14
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(内容/ Contents)
順序論理回路の設計事例(カウンター,シフトレジスター) 雑音と誤動作,ディジタル回路とコンピュータ
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(授業時間外の学習/ Assignments)
事前:テキスト当該箇所の予習 事後:授業内容の復習
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(実施回/ Week)
15
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(内容/ Contents)
学期末レポート
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(授業時間外の学習/ Assignments)
事前:課題レポートの作成のための復習 事後:レポート課題の復習
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受講者全体の理解の深度に応じて内容・スケジュールを調整することがある。
<成績評価基準/Evaluation Criteria>
中間と学期末レポート(演習)
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60%
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講義内容の基本的事項が理解できており,応用ができるかを評価する。 課題に対する解答は,単に結論だけでなく,結論の導出過程が図・表・数式等を用いて適切に記述されていることが必須である。
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平常点(講義中に行う課題)
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40%
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講義内容の理解度を確認する.
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<成績評価結果/Results of assessment>
成績評価の見方について/Notes for assessment
登録者数 |
成績評価(%) |
評点 平均値 |
備考
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A |
B |
C |
D |
F |
他 |
90 |
11.1 |
28.9 |
23.3 |
23.3 |
13.3 |
0.0 |
2.0 |
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<テキスト/Textbook>
藤井信生 『なっとくするディジタル電子回路』 (講談社、1997)
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<備考/Remarks>
講義はe-classにてオンデマンドで実施する. 毎回の講義資料は,講義前までにe-classにアップロードするため,適宜確認すること。 課題は,毎回の講義で指示する予定. 電気工学科・電子工学科以外の学科に所属する学生で,この科目を履修しようとする者は,高等学校等において「物理Ⅱ」に相当する科目を履修済み,またはこれに相当する以上の「物理」に関する基礎知識を有することが授業内容を理解できる前提である。
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