<概要/Course Content Summary>
電気回路学は電気磁気学と並んで電気工学,電子工学の基礎理論である。正弦波(交流)の電圧または電流が定常的に加わっている場合の電気回路内の電圧と電流の状態を複素記号法を用いて解析する方法を学ぶ。将来,研究者や技術者として基礎研究,応用研究,開発研究を行うに際し,理論を自在に活用し問題を解決できる十分な実力を涵養することを目標としている。 〔授業のねらいと評価〕 本講義の目標は,知識の集積ではなく,基礎理論の理解とその自在な活用力を身につけることである。週2講時の講義時間のうち約半分が,理解を補う講義を含む演習の時間である。演習を通して理論の理解と応用能力の涵養を行うのが,この講義の特色である。演習の実施方法と内容,時間配分は,講義の進度,受講者の理解度に応じて講義内に組み込まれる。授業計画の2講時分が1週間の授業内容を示し,そのうちの1講時分の時間がほぼ演習時間に相当する。例えば,毎講時に講義と演習を実施する場合,週2講時のうち1講時分で講義を行い,他1講時分は演習のみを実施する場合,または,これらの併用組み合わせで実施する場合等の方法で講義と演習を進めて行く。講義内容の配列は,講義の第1講時に説明する。(配列は学科または担当者によって異なる場合がある。また電気回路学Ⅰ,Ⅱの内容は電気基礎実験Ⅰ,Ⅱおよび電気計測Ⅰ,Ⅱの内容と密接に関連し,相互に補い,基礎理論を確実に理解できる様に配慮している。
<到達目標/Goals,Aims>
・講義を通して,電気回路学の基礎理論が理解できるようになる。 ・演習を通して,電気回路学の基礎理論を自在に活用できるようになる。 ・将来,研究者や技術者として電気回路に関連した開発や研究を行うに際し,理論を自在に活用し問題を解決できる十分な実力が養われる。
<授業計画/Schedule>
(実施回/ Week)
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(内容/ Contents)
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
6~8講時分
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(内容/ Contents)
交流回路(第5章):共振回路(RLC直列共振回路, 共振の鋭さ, RLC並列共振回路, 交流回路の力率の改善), 相互誘導回路(相互誘導現象, 磁気結合回路の動作解析, T型等価回路, 理想変成器), ブリッジ回路(ホーイトストンブリッジ, その他のブリッジ回路), 閉路方程式による回路解析,節点方程式による回路解析。
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(授業時間外の学習/ Assignments)
種々の回路への回路解析の適用
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(実施回/ Week)
4~6講時分
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(内容/ Contents)
フーリエ級数展開(第6章):フーリエ級数展開, 奇関数・偶関数および対称性の活用, 複素係数によるフーリエ級数展開, ひずみ波交流の実効値と電力。
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(授業時間外の学習/ Assignments)
種々の波形のフーリエ級数展開
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(実施回/ Week)
6~8講時分
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(内容/ Contents)
2端子対回路(第7章):Yパラメータ(アドミタンスパラメータ), Zパラメータ(インピーダンスパラメータ), Hパラメータ, Gパラメータ, Fパラメータ(4端子パラメータ), 各パラメータの関係。
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(授業時間外の学習/ Assignments)
種々の回路の2端子パラメータ表現
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(実施回/ Week)
6~8講時分
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(内容/ Contents)
1端子対回路(第8章):インダクタとキャパシタからなる回路のリアクタンス(リアクタンス周波数特性, 直列接続, 並列接続), リアクタンス周波数特性例と等価回路(周波数特性, 等価回路), 共振回路を用いた回路の合成(Fosterの第1および第2等価回路), はしご型回路の合成(Cauer の第1および第2等価回路), リアクタンス関数の型と合成回路のまとめ。
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(授業時間外の学習/ Assignments)
種々の1端子対回路網の合成とその性質
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(実施回/ Week)
4~6講時分
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(内容/ Contents)
3相回路(第9章):発電機と電動機(モータ), 相電圧と線間電圧, 3相回路の電力, 2電力計法, 対称座標変換, 発電機等価回路と対称座標変換, 各種故障計算(3相地絡, 1相地絡)。
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(授業時間外の学習/ Assignments)
種々の多相交流回路の解析
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<成績評価基準/Evaluation Criteria>
平常点(演習(小テスト),レポート,質疑応答など)
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60%
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特記事項を参照 電気工学および電子工学の分野における専門家として必要不可欠な基礎理論の理解度および応用力の修得度について評価する。講義と演習には全出席を前提としている。演習成績と学期末試験の評価については下記の特記事項を参照。
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期末筆記試験
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40%
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特記事項を参照 学期末において履修した全範囲にわたって,最終的に到達できた基礎理論の理解度と応用力の修得度を確認するために実施する。最終成績は演習と期末筆記試験を総合して評価する。下記の特記事項を参照。
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特記事項
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週2講時分の内容と時間配分は,講義が1講時分,演習(試験形式の小テスト)等が1講時分である。毎回講義と演習の両方を実施する方法もある。演習成績と期末試験成績を単純に平均し評価する方法もあるが,演習や期末試験の難易度に応じて荷重平均を行うのが普通である。演習成績についても学期の当初から学期末にかけての内容の重要性や難易度は同じではないので,これらを考慮して加重評価も行われる。成績評価の詳細は学生の理解度,講義の方法,演習回数に対応して行なう。レポートの内容,質疑応答なども評価の対象となる。
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<成績評価結果/Results of assessment>
成績評価の見方について/Notes for assessment
登録者数 |
成績評価(%) |
評点 平均値 |
備考
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A |
B |
C |
D |
F |
他 |
53 |
18.9 |
28.3 |
7.5 |
24.5 |
20.8 |
0.0 |
2.0 |
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<テキスト/Textbook>
『電気回路学』 担当者による執筆テキストを使用します。
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<参考文献/Reference Book>
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