シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


11433112 

△脳神経機構学
Cerebral Nervous Systems
2単位/Unit  秋学期/Fall  京田辺/Kyotanabe  講義/Lecture

  宮坂 知宏 角田 伸人

<概要/Course Content Summary>

我々の意識や思考,意志,感情といった精神活動,または運動や感覚,さらには意識にすらのぼることのない精密な人体のコントロール,これらはいずれも重さ 1.5 kg 弱の「脳」とそこから広がる神経系によって営まれている。その機能は未知なる領域が多く,世界的規模で無数の研究者がその解明に挑んでいる。また,神経疾患には多くの難治性疾患があり,その発症機構の解明や治療法の開発が求められている。本講義では,人体の組織のなかで最も複雑かつ魅力的ともいえる神経系の解剖とその疾患,およびその解明に向けた挑戦について学ぶ。前半に主要な脳神経解剖に関する一般的知識を修得し,神経科学の基礎を身につける。さらに,現在社会問題ともなっている主要な神経系疾患について,そのメカニズム,診断,治療に向けた研究・開発の現状について解説する。担当者は,株式会社免疫生物研究所においてアミロイドβ測定キットの開発担当としての勤務経験を有し,生体試料中の微量タンパク質定量法の開発および認知症早期診断の重要性について解説する。「生物学」および「人体の構造と機能 I, II 」をともに履修した者の受講が望ましい。

アルツハイマー病脳に見られる病理変化 (Bielshowsky 染色像)

<到達目標/Goals,Aims>

受講生が神経解剖に関する初歩的知識を修得し,神経科学を学び研究に従事するための基礎を身につける。さらに脳神経機構が破綻した状態とも言える主要な神経疾患の基礎知識さらにはその研究手法と疾患研究に潜む問題点について理解する。神経系に留まらず,広く疾患をターゲットとした研究開発において必要な基礎知識を身につける事ができるようになる。

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) 1   (内容/ Contents) 神経解剖学入門:神経系の基礎,および中枢神経系と末梢神経系(宮坂)  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義内容の復習と関連する書籍,文献を検索し,講義で得た知識を補間すること(4時間)。 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 脳神経解剖 I : 中枢神経系の解剖(宮坂)  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義内容の復習と関連する書籍,文献を検索し,講義で得た知識を補間すること(4時間)。 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 脳神経解剖 II : 大脳皮質の機能分布(宮坂)  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義内容の復習と関連する書籍,文献を検索し,講義で得た知識を補間すること(4時間)。 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 脳神経解剖 III : 運動神経系と神経症状(宮坂)  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義内容の復習と関連する書籍,文献を検索し,講義で得た知識を補間すること(4時間)。 
(実施回/ Week) 5   (内容/ Contents) 脳神経解剖 IV : 病理学的解析法と抗体の利用(宮坂)  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義内容の復習と関連する書籍,文献を検索し,講義で得た知識を補間すること(4時間)。 
(実施回/ Week) 6   (内容/ Contents) 基礎編総括(宮坂・角田)  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義内容の復習と関連する書籍,文献を検索し,講義で得た知識を補間すること(4時間)。 
(実施回/ Week) 7   (内容/ Contents) 神経疾患 I : 認知症とアルツハイマー病,病理学によるアプローチ(宮坂)  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義内容の復習と関連する書籍,文献を検索し,講義で得た知識を補間すること(4時間)。 
(実施回/ Week) 8   (内容/ Contents) 神経疾患 II : 病理学から生化学へ(宮坂)  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義内容の復習と関連する書籍,文献を検索し,講義で得た知識を補間すること(4時間)。 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 神経疾患 III : 遺伝学から見出された大仮説(宮坂)  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義内容の復習と関連する書籍,文献を検索し,講義で得た知識を補間すること(4時間)。 
(実施回/ Week) 10   (内容/ Contents) 神経疾患 IV : 近代の解析から創薬へI(宮坂)  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義内容の復習と関連する書籍,文献を検索し,講義で得た知識を補間すること(4時間)。 
(実施回/ Week) 11   (内容/ Contents) 神経疾患 V : 神経疾患における基礎研究から創薬へ(宮坂)  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義内容の復習と関連する書籍,文献を検索し,講義で得た知識を補間すること(4時間)。 
(実施回/ Week) 12   (内容/ Contents) 神経疾患 VI : 近代の解析から創薬へII(宮坂)  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義内容の復習と関連する書籍,文献を検索し,講義で得た知識を補間すること(4時間)。 
(実施回/ Week) 13   (内容/ Contents) 神経疾患 VII : 認知症研究の最前線(宮坂)  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義内容の復習と関連する書籍,文献を検索し,講義で得た知識を補間すること(4時間)。 
(実施回/ Week) 14   (内容/ Contents) 神経疾患 VIII:認知症先制医療の可能性(角田)  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義内容の復習と関連する書籍,文献を検索し,講義で得た知識を補間すること(4時間)。 
(実施回/ Week) 15   (内容/ Contents) 講義内評価(宮坂・角田)  (授業時間外の学習/ Assignments) 講義内容の復習と関連する書籍,文献を検索し,講義で得た知識を補間すること(4時間)。 

ただし,上記計画は予定であり,変更することがある。また,脳組織形態に関する講義を含むため,適宜視聴覚教材を併用する。

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

小テスト  30%  知識の正確さ,要点を押さえて記載されているかをみる。 
期末試験  70%  講義全般の内容や問題点が理解できているかをみる。 

脳神経解剖学分野に関しては,後の疾患関連の講義で必須な脳神経系の主な構造についての理解を求める。疾患関連の講義については医学研究の手法や問題点とその解決について広い知識と思考力を求める。

 

<成績評価結果/Results of assessment>   成績評価の見方について/Notes for assessment

    

登録者数

成績評価(%)

評点
平均値

備考

A B C D F
39 30.8 20.5 23.1 10.3 15.4 0.0 2.4

<参考文献/Reference Book>

坂井建雄,河原克雅(編集)  『カラー図解 人体の正常構造と機能【全10巻縮刷版】MEDICAL ILLUSTRATIONS - NERVOUS SYSTEM, 1』第2版 (日本医事新報社、2012)ISBN:978-4-7849-3179-8 非常に理解しやすい人体解剖生理学のテキストである。本書は全身についての縮刷版であるが,神経系のみの分冊もある。 
 

日本認知症学会(編集)  『認知症テキストブック』(中外医学社、2008)ISBN:978-4498129269 神経変性疾患についてかなり詳しいテキスト。認知症専門医のための専門書である。 
 

高橋 國太郎 (監修), Frank H. Netter (原著)  『ネッター医学図譜 脳・神経系〈1〉構造と機能 学生版』(丸善、2005)ISBN:978-4621076255 脳神経系解剖図譜のバイブルである。 
 

その他必要に応じて講義内で紹介,または配布する。上記他関連資料については宮坂の研究室に常備してあり,閲覧,一部のコピーは可能である。

<備考/Remarks>

担当教員への連絡先 
宮坂 知宏:tomiyasa@mail.doshisha.ac.jp 
角田 展人:nkakuda@mail.doshisha.ac.jp 

 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
Copyright(C) 2020 Doshisha University All Rights Reserved. 無断転載を禁止します。