<概要/Course Content Summary>
本科目のねらいは,人間存在にとってのケアの意義を明らかにしながら,生命倫理的な問題からケア倫理の具体的な有り様を描き出して,倫理的な考え方と態度にかんして理解を深めるところにである。 ケア(care)は,気づかい,心配,配慮,関与,世話という意味を包括する言葉である。すなわち,ケアという言葉が指しているのは,相手への気づかいや心配に基づく関与である。このようなふるまいはわたしたちにとってはあまりに日常的で馴染み深いので,わたしたちは,平生ではケアについてあまり意識しないし,ケアの意義を閑却しがちである。しかしながら,わたしたちはケアなしでは存在できないほどケアに依存しており,この意味合いで,ケアは,わたしたち人間の存在基盤としてある。本講義は,まず,この事実をさまざまな事例から露わにする。そのうえで,現代の医療が直面している,延命と死にまつわる倫理的な問題を取り上げながら,ケア的な視点からその問題を捉えなおして,ケア倫理を具体的な脈絡のなかで立ち上げる。さいごに,これまで獲得した知見からケア倫理の要諦を明らかにし,ケアに特有の倫理的な考え方や態度を明確にしたい。 講義の形式で授業を進めていくので,授業のなかでは,授業者の話を注意深く聞き要点を書きとめることが必要になる。確認テストの時間では,授業のなかで理解できた内容を所定の用紙に記入する。障がいのためにこうした作業が困難である場合には,代替の措置を検討するので,その旨申し出て欲しい。
<到達目標/Goals,Aims>
【知識】ケアと生命倫理それぞれの領域に現われる鍵概念を理解する。 【技能】ケア的な観点から生命倫理の問題を考察できるようになる。 【態度】医療を含めたさまざまな人間の営みから倫理的な契機を見つけられるようになる。
<授業計画/Schedule>
(実施回/ Week)
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(内容/ Contents)
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(授業時間外の学習/ Assignments)
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(実施回/ Week)
1
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(内容/ Contents)
倫理学とはなにか
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(授業時間外の学習/ Assignments)
講義内容の整理(2時間)。
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(実施回/ Week)
2
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(内容/ Contents)
生命倫理の基本原則
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(授業時間外の学習/ Assignments)
授業内課題の見直し(2時間)と講義内容の整理(2時間)。
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(実施回/ Week)
3
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(内容/ Contents)
最近の医療の動向
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(授業時間外の学習/ Assignments)
授業内課題の見直し(2時間)と講義内容の整理(2時間)。
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(実施回/ Week)
4
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(内容/ Contents)
キュアとケア
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(授業時間外の学習/ Assignments)
授業内課題の見直し(2時間)と講義内容の整理(2時間)。
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(実施回/ Week)
5
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(内容/ Contents)
看護音楽療法の概要
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(授業時間外の学習/ Assignments)
授業内課題の見直し(2時間)と講義内容の整理(2時間)。
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(実施回/ Week)
6
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(内容/ Contents)
看護音楽療法の意義
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(授業時間外の学習/ Assignments)
授業内課題の見直し(2時間)と講義内容の整理(2時間)。
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(実施回/ Week)
7
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(内容/ Contents)
アタッチメント理論の概要
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(授業時間外の学習/ Assignments)
授業内課題の見直し(2時間)と講義内容の整理(2時間)。
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(実施回/ Week)
8
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(内容/ Contents)
安全基地
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(授業時間外の学習/ Assignments)
授業内課題の見直し(2時間)と講義内容の整理(2時間)。
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(実施回/ Week)
9
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(内容/ Contents)
基本的信頼感と自己肯定感
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(授業時間外の学習/ Assignments)
授業内課題の見直し(2時間)と講義内容の整理(2時間)。
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(実施回/ Week)
10
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(内容/ Contents)
看護音楽療法に関するケア的な見地からの分析
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(授業時間外の学習/ Assignments)
授業内課題の見直し(2時間)と講義内容の整理(2時間)。
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(実施回/ Week)
11
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(内容/ Contents)
わたしたちはどうやって死ぬか:病院で死ぬということ
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(授業時間外の学習/ Assignments)
授業内課題の見直し(2時間)と講義内容の整理(2時間)。
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(実施回/ Week)
12
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(内容/ Contents)
延命の難しさ
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(授業時間外の学習/ Assignments)
授業内課題の見直し(2時間)と講義内容の整理(2時間)。
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(実施回/ Week)
13
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(内容/ Contents)
在宅ホスピスという仕組み
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(授業時間外の学習/ Assignments)
授業内課題の見直し(2時間)と講義内容の整理(2時間)。
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(実施回/ Week)
14
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(内容/ Contents)
ケアリングを充実させるさまざまな取り組み
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(授業時間外の学習/ Assignments)
授業内課題の見直し(2時間)と講義内容の整理(2時間)。
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(実施回/ Week)
15
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(内容/ Contents)
生命とケア
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(授業時間外の学習/ Assignments)
授業内課題の見直し(2時間)と講義内容の整理(2時間)。
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授業内課題の取り組みを見て,授業計画を変更する場合がある。
<成績評価基準/Evaluation Criteria>
授業内課題
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30%
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授業からなにを学んだのかを確認する。講義の内容にかんする理解度だけではなく,文章の論理性も評価の対象である。
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期末試験
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40%
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問われている事柄を精確に捉えられているかどうか,説得的な論証を展開できているかどうかを評価する。
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レポート課題
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30%
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講義のなかで示した課題について,これまでの学びを踏まえて取り組めているかどうかを評価する。
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・授業内課題:それぞれの授業にかんして,自分が理解した内容を,読み手を意識して論理的に伝える。 ・期末試験:講義で取り扱った話題を論題として提示する。授業から学んだ内容をもとにその論題に応える。 ・レポート課題:レポート課題を提示する。書式や課題にかんする具体的な内容は授業のなかで指定する。
<成績評価結果/Results of assessment>
成績評価の見方について/Notes for assessment
登録者数 |
成績評価(%) |
評点 平均値 |
備考
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A |
B |
C |
D |
F |
他 |
193 |
64.8 |
16.6 |
8.3 |
2.1 |
8.3 |
0.0 |
3.3 |
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<備考/Remarks>
授業形態は,基本的には,e-classを使った資料提示型の授業を行う予定である。具体的には,授業担当者が音声付きのスライド資料を作成し,受講生はそれを視聴する。毎回の授業で,授業の内容を振り返るための簡単な確認テストを用意している。それが,成績評価の「授業内課題」である。期限内に提出すること。 ※zoomを使った双方向型の授業を実施する機会も設ける予定である。実施する場合は,eclassで事前にアナウンスを行う。
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