シラバス
※学期中に内容が変更になることがあります。

2020年度


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△電磁気現象
Electromagnetic Phenomena
2単位/Unit  秋学期/Fall  京田辺/Kyotanabe  講義/Lecture

  貞包 浩一朗 髙柳 真司 作田 浩輝

<概要/Course Content Summary>

電磁気は,心臓拍動・神経系の活動・生体膜を介したエネルギー変換など,生命現象の基本的プロセスに深く関わっている. また,x線CT,MRI(磁気共鳴映像法)などの診断法,AED(Automated Electronic Defibrillation)などの救命法にも見られるように,臨床医学の発展に大きく貢献する学問となっている.本講義では,これらの生命科学・医学分野での話題を積極的に取り上げながら,"使える電磁気学"を受講生が身につける事を目的とする. 講義の中では,電磁気現象の知識の切り売りを避け,生命現象と電磁気学とを有機的に結びつけられるようになることを目指す.受講生の質問や疑問を重視し,双方向型の講義を展開する.

<到達目標/Goals,Aims>

生命科学や医学分野で未解明・未解決の課題に迫ることができるような方法論や思考方法を身につけることを目指す.ドライな電気回路と,ウエットで水を多く含む生体での電磁気特性を対比させながら,生命現象や医学に応用展開することができるような能力を養う.

<授業計画/Schedule>

(実施回/
Week)
(内容/
Contents)
(授業時間外の学習/
Assignments)
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 静電荷の作用:電荷,電位,電場の概念  (授業時間外の学習/ Assignments) 空間をとおしての静電力,磁力の伝搬の様子を考えよう(予習・復習4時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 廻る電流が引き起こす磁場:電気回路のコイルと,原子の磁性の関係は?  (授業時間外の学習/ Assignments) 回転する電流(予習・復習4時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 水溶液中でのイオンの電離現象:プラスとマイナスのイオンが水の中で離れる理由は? 浸透圧と気体の圧力の関係は?  (授業時間外の学習/ Assignments) 気体中の分子のエントロピーを予習しておこう(予習・復習4時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 点電荷,紐状電荷(DNA,RNAなど),面電荷(生体膜)の比較  (授業時間外の学習/ Assignments) 電磁気の空間伝搬(予習・復習4時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 生体膜の発生する電位:神経の興奮と信号伝搬  (授業時間外の学習/ Assignments) イオンチャンネルについて調べておこう(予習・復習4時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 心臓の働き:心臓細胞の性質,ペースメーカの作用,電子回路での発振現象との関連  (授業時間外の学習/ Assignments) 生体のリズム現象の特質を考えよう(予習・復習4時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 生体でのエネルギー変換:ミトコンドリア・葉緑体での膜を介するエネルギー産生  (授業時間外の学習/ Assignments) 膜を介したイオンの濃度変化と,電気的エネルギーの関係は?(予習・復習4時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) ナノバイオサイエンスと電気現象:電気浸透流,誘電泳動,レーザピンセット  (授業時間外の学習/ Assignments) ナノメートル,マイクロメートルの世界での電気特性を考えてみよう(予習・復習4時間) 
(実施回/ Week) (内容/ Contents) 原子・分子の磁性:電子のスピン量子数・磁気量子数,核のスピン  (授業時間外の学習/ Assignments) 原子核と運動する電子の相互作用(予習・復習4時間) 
(実施回/ Week) 10  (内容/ Contents) 高エネルギー粒子線・放射線:加速器の仕組み,医療応用  (授業時間外の学習/ Assignments) 粒子線,放射線の生体への作用を調べてみよう(予習・復習4時間) 
(実施回/ Week) 11  (内容/ Contents) 電磁波と生体,その1:x線の生体組織への作用,x線CTの仕組み,顕微鏡の解像限界,電子顕微鏡  (授業時間外の学習/ Assignments) 電子顕微鏡の原理を調べてみよう(予習・復習4時間) 
(実施回/ Week) 12  (内容/ Contents) 電磁波と生体,その2:磁気共鳴映像法(MRI)の仕組み,メートルの波長の電波で,マイクロメータの解像能を得るには?  (授業時間外の学習/ Assignments) MRIで使われている電波の振動数(波長)を調べてみよう 
(実施回/ Week) 13  (内容/ Contents) 電子工学と医科学:半導体,ダイオード,発振回路,液晶,LED,各種センサー,などの原理と機能  (授業時間外の学習/ Assignments) 身の回りの電子機器の原理を調べてみよう,分からなければ,講義の中で積極的に質問を(予習・復習4時間) 
(実施回/ Week) 14  (内容/ Contents) 電磁気現象と非線形ダイナミクス:レーザ発振,リズムの同調現象,神経インパルスなど  (授業時間外の学習/ Assignments) 時間リズムから空間秩序の生成(予習・復習4時間) 
(実施回/ Week) 15  (内容/ Contents) Maxwell方程式と電磁気学  (授業時間外の学習/ Assignments) 物理と数学でもって生物に迫ると,新しい学問が生まれる.そのことを実感しよう(予習・復習4時間) 

講義に対して,積極的な質問を歓迎する.受講生からのフィードバックを重視した双方向の講義スタイルをとる. 毎回の受講生の学習状態を考慮し,より電磁気学についての理解が深まる方向で,講義内容を変更する可能性がある.

<成績評価基準/Evaluation Criteria>

平常点(出席,演習・討論参加,小テスト,レポート)  40%  自ら問題を発掘して,問題を解いていくといった,積極性を高く評価したい.小テストやレポートを実施した時には,翌週以降の講義にてフィードバックを行う. 
期末筆記試験  60%  生命現象との関連で,電磁気学に関する応用問題を出題する.基礎力と発想力の両面から評価する.講評でフィードバックを行う. 
特記事項    毎回の講義には出席し,積極的な発問をすることを期待したい. 能動的,主体的な勉学を評価したい.期末試験では,応用力を試す.小テスト,レポート課題,期末筆記試験にて不正を行った場合は,単位取得不可とする. 

<テキスト/Textbook>

講義の際にプリントを配布するとともに,ホームページ上にも資料を掲載する

<参考文献/Reference Book>

ファインマン  『ファインマン物理学〈3〉電磁気学』(岩波書店、1986)
 

ファインマン  『ファインマン物理学〈4〉電磁波と物性』(岩波書店、2002)
 

吉川研一  『光で操るミクロの世界-レーザーが創りだす非平衡散逸系-』「光と物理学」 (京都大学学術出版会、2006)175-191 波動としての電磁波,エネルギーを運ぶ粒子としての光子,この波と粒子の二面性から電磁気学に対する理解を深めるのに参考になると思われる文献 
 

<参照URL/URL>

生命物理科学研究室ホームページ 
講義資料 

<備考/Remarks>

担当者e-mailアドレス 
ksadakan(a)mail.doshisha.ac.jp 
(a)を@に変更してください 

 

お問合せは同志社大学 各学部・研究科事務室まで
 
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